千葉県の設計事務所による耐震データ偽造問題の記事。
まだまだ事件の全貌は明らかになっていませんが、記事によれば、コストダウンのため手抜き計算をやったということがあるようです。発注者が黙認していたという説もあります。
会計士業界でも、監査報酬のダンピングが一部で話題となっています。十分な日数・人材を投入しないで監査をやるのは、建築工事で鉄筋の本数を間引きするようなものです。職業的専門家のモラルという点では、同じ問題を含んでいます。
ところで、不正な構造計算が行われ、耐震性が不足している建物の所有者には、上場会社(グループ会社を含む)もあるようです。こういう建物は、物理的減損の存在が明らかになったわけですから、収益性を簿価に反映させる処理であるとされる減損会計をそのまま適用するかは別として、何らかの評価減をしなければならないでしょう。
マンションなど、すでに分譲済みの場合は、補償金を見積もって引き当てしなければなりません。仮にこの設計事務所に全責任を押しつけるとしても、損害賠償をできるだけの力はなさそうです。
京王電鉄のプレスリリース
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