みずほ銀行のシステム障害に関して、みずほフィナンシャルグループ(FG)が31日に金融庁に報告書を提出する予定だが、障害の原因特定には至らなかったという記事。
「基幹システムと営業店をつなぐ機器が想定外の壊れ方をしたと説明した一方、故障原因やバックアップに切り替わらなかった要因は現時点で特定できなかった。
障害発生の告知が開店直前になったことに関しては不備を認める。」
少し詳しい記事。
何重ものバックアップ、「ことごとく失敗」 みずほ障害(朝日)(記事前半のみ)
「「障害が起きた原因はわかりつつあるが、まだ最終的に結論づけるところまでいかない。(システムを開発した)ベンダーによる解析に時間がかかりそうだ。障害後に時間の無駄なくリカバリー(復旧)できたかも課題だ」。みずほ銀幹部は30日朝、朝日新聞の取材にこう語った。金融庁への報告でも、完全な原因特定は難しい見通しだ。」
「今回の特徴は、障害に備えた何重ものバックアップが「ことごとく失敗した」(みずほ関係者)ことだ。
複数の関係者によると、サーバーは東京都内のメインセンターに「正」「副」の2台、災害時の事業継続のためのサブセンター(千葉県)に「正」「副」の2台の計4台ある。各サーバー内のディスクも「正」「副」二つずつ。備えは幾重ものはず、だった。
19日午後9時ごろにメインセンター内の正サーバーの正ディスクが故障。しかし、副ディスクにも副サーバーにもうまく切り替わらない。発生の約13時間半後、サブセンターの副サーバーの再起動がようやく完了。全面復旧はその約1時間半後だった。
どんな機器にも故障は起こりうる。「それでも切り替えられるようにしていたのに、なぜダメだったのか」とみずほ幹部。別の幹部は「障害対応の手順を完全に実行できていたのか」と疑問を投げかける。」
記事によれば、みずほの基幹システムは「サグラダファミリア」と呼ばれているぐらい巨大で複雑なものだそうですから、原因がわかるまでにはしばらくかかるのでしょう。しかし、原因がわからなければ、再発防止策も立てられません。金融庁からは、またおこられるのでしょう。
相次ぐみずほ銀の障害、最新鋭システムを導入したはずが…構造複雑でトラブルの温床に(読売)
「みのりは、みずほが02年と11年に起こした大規模な障害を教訓に、8年の歳月と4500億円をかけて導入した。預金や融資、決済といったサービスごとにシステムを切り分け、障害の連鎖を防ぐ仕組みだ。大手行でこうした構造のシステムを全面的に採用しているケースはない。」
(補足)
人員削減の影響も指摘されています。
【独自】みずほ、新システム導入後に要員6割減らす…トラブル遠因になった可能性(読売)
「2019年に導入された中枢システム「MINORI(みのり)」の運用には、21年3月末時点でみずほ銀行やみずほリサーチ&テクノロジーズなどグループ会社で計490人が関わっている。全面稼働に向けた作業が本格化していた18年3月時点の約1140人に比べて6割近く少ない。開発担当者らがグループ外向けの業務に配置転換されたとみられる。」
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