会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

スペースバリューで表出した元社長との深い溝(東洋経済より)

スペースバリューで表出した元社長との深い溝
対立の根底にあるのは第三者委員会の報告書


スペースバリューホールディングス(東証1部上場)が、前代表取締役との間で裁判沙汰になっているという記事。昨年公表された第三者委員会の調査報告書が元々の原因だそうです。

「2月29日、プレハブ建築、立体駐車場を手がける日成ビルド工業とその持ち株会社であるSVHが、日成ビルドやSVHの前代表取締役・森岡篤弘氏に対し、損害賠償請求(1億9263万円)の訴えを金沢地方裁判所に起こした。

SVHが発表した3月2日付のリリースによると、2010年3月以降の森岡氏の経費精算を精査したところ、業務との関連性が認められないか、関連性が不明な経費精算が合計1億9200万円以上認められたという。」

前代表取締役の方が先に訴訟や損害賠償請求を起こしているそうです。

「実はこの調査報告書をめぐっては、森岡氏が先にSVHに対して2つのアクションを起こしている。

1つめは、2019年12月26日に提訴請求した株主代表訴訟だ。SVH取締役の鈴木啓介氏、菊地潤也氏、水野聡彦氏の3氏に対して、調査報告書を作成した第三者委員会に対して支払った3億2000万円を連帯してSVHに払うように求めている。...

第三者委員会に支払った報酬の3億2000万円に、調査報告書を公表したことによる株価下落影響分から算出した13億8670万円を合わせた17億0670万円の損害賠償の提訴請求を森岡氏は行っている。」

「もう1つのアクションは、2020年2月5日に森岡氏が鈴木氏ら3人の取締役に対し、名誉毀損で11億3293万円の損害賠償を求めた通知だ。第三者委員会の調査報告書が公開されたことで、森岡氏は名誉を著しく毀損されたとしている。」

第三者委員会に3億円も支払ったとは...。金額的には、それほど大きな不正ではなかったような...。

監査法人も登場します。

「森岡氏とSVHの対立原因である第三者委員会が設立されたのは2019年3月11日。翌4月10日、森岡氏を含む全取締役は、第三者委員会に関わった法律事務所に呼び出され、4月12日に受領する調査報告書に関する説明を受けた。

さらにその場で臨時取締役会が開かれ、「代表取締役を辞任しないと監査意見を出さないと監査法人が言っている」という話が出たという。そこで森岡氏は代表取締役会長兼社長CEOを辞任(取締役は継続)。いとこである森岡直樹取締役が新たに代表取締役社長CEOに就くことが決まった。」

本当に監査法人がそんなことをいったのでしょうか。たしかに、経営者不正に対しては、厳しく対応すべきということにはなっていますが...。

当サイトの関連記事(第三者委員会の調査結果公表時)
その2(その後の監査人交代(あずさ→京都)について)
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