円山応挙から近代京都画壇へ
2019年8月3日〜9月29日
前期:〜9/1、後期:9/3〜
東京藝術大学大学美術館
半分近くは応挙の作品という円山応挙展かと勝手に想像していたが、全く違った。
応挙を祖とする「円山派」および応挙の「莫逆の友」呉春を祖とする「四条派」。この「円山・四条派」に連なる近代までの京都画壇の絵師たちの作品が並んだ展覧会である。
なので、応挙作品は、前後期あわせ13点。
【構成】
1 すべては応挙にはじまる。
2 孔雀、虎、犬。命を描く。
3 山、川、滝。自然を写す。
4 美人、仙人。物語を紡ぐ。
本展の目玉で通期展示、大乗寺の客殿の障壁画は、3階の第1会場に入るといきなり登場する。
兵庫県美方郡香美町に所在する大乗寺は、13部屋ある客殿(1階11室、2階2室)に、応挙やその一門の絵師たちによる障壁画が165面あって、それ故に「応挙寺」と呼ばれているとのこと。
本展(東京会場)への出品は、
応挙《松に孔雀図》8面
呉春《群山露頂図》8面
呉春《四季耕作図》8面
山本守礼《少年行図》4面
亀岡規礼《採蓮図》4面
ちなみに、次の巡回先、京都国立近代美術館では、
応挙《山水図》
応端《蓮池図》
応挙《郭子儀図》
応挙《松に孔雀図》
と4分の3が応挙作品となるようだ。
大乗寺の障壁画、今まで観たことあるかなあ、ブログ記事を確認すると、
2010年の三井記念美術館「円山応挙-空間の創造」展で、応挙《松に孔雀図》を見ている。本展の宣伝文句「大乗寺襖絵、東京で約10年ぶりに公開!!」はこの時以来ということか。全く覚えていない。
次に、2013年の愛知県美術館「円山応挙展-江戸時代絵画 真の実力者」。応挙《松に孔雀図襖》16面&《郭子儀図襖》8面を「襖24面分のガラスケースなしの障壁画空間の再現展示」で見ている。すっかり忘れている。
最近では、今年の東京都美術館「奇想の系譜展」で、猿の戯れが魅力的な長沢芦雪《群猿図襖》も、大乗寺所蔵であった。
結構見ているのに驚き。
あと気になったのが、応挙の《写生図巻(甲巻)(乙巻)》や芦雪《花鳥図》など本展出品作の所蔵者としてしばしば登場する「株式会社 千總」。1555年創業の京友禅着物の老舗であるらしい。なるほど。
私にはちょっと専門的な展示だったかなあ。
大乗寺客殿障壁画を除き、前後期で総入替えとなる(一部作品は入替時期が異なる)。
半分が空いているのは、別の展覧会が予定されているからかなあ。
それとも、横長のレイアウトが難しかったのか。