生誕200年記念
狩野一信の五百羅漢図展
前期:第21幅~第40幅展示
2015年10月7日~12月27日
後期:第41幅~第60幅展示
2016年1月1日~3月13日
増上寺宝物展示室
ミャンマー祭りで満腹となった私は、次に向ったのは。
大殿の地下1階にある増上寺宝物展示室。
初訪問である。
狩野一信の五百羅漢図展。
訪問日の前期は、全100幅中、第21幅~第40幅が展示される。
狩野一信の五百羅漢図は、2011年の江戸東京博物館での全100幅の初公開時に見ている。
その時は、狩野一信の作品を見るのはほぼ初めて。五百羅漢図というモティーフにも馴染みがない。
そういう私に、全100幅+他作品とボリューミー、かつ、1点1点が濃密な絵。しかも、悪人はこっちの方ではないかと思ってしまいそうな面構えの、濃いおっさんが500人(1幅5人×100幅)。濃いおっさんだらけに、気詰まりすら感じるほど。
濃いおっさんに囲まれるなか、館内に不協和音のチャイムが鳴り響き、身構えたことが記憶に残っている。
さて今回。展示室は1室。
入口から見て、左右の壁画ガラスケースに10幅ずつ、計20幅が展示される。(奥のガラスケースには、本室開館時に一信の子孫である逸見家から寄贈された資料群の一部が展示。展示室中央には、英国ロイヤル・コレクションから長期貸与された「台徳院殿霊廟模型」が常設展示。)
20幅(濃いおっさん1幅5人×20幅=100人)は、鑑賞にちょうど良いボリューム。
しかも、一信が最も乗りに乗って描いたとされる地獄道(21~24幅)のほか、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道の「六道」が展開される。
自らの超人的な能力を駆使して、人々を救済しようと奮闘する羅漢たち。ただ、超人的な能力をもってしても及ばないほど、余りにも救済すべき人々の数が多い、あるいは、業が深い。羅漢の超人的な能力が与えることができる直接的な効果は微小、人々の日頃の準備次第。柄にもなくそんなことを考えさせられる。
見応え充分の20幅。
第30幅「畜生」から、鹿。
第31幅「修羅」から、諦め顔の羅漢。
後期も訪問したい。今回のように、何かイベント開催時にあわせられるとベスト。