KARTE:5 「バチスタ手術開始」
藤吉「加藤先生、先生はご自身の論文データのためにあえて症例のいい患者だけを選び、症例の悪い患者は切り捨ててきた。という点噂があります。
加藤「何が言いたいの。」
藤吉「私はその噂はウソだと信じてます、医者の都合で患者を死なすなんてあるわけがない。」
加藤「当たり前よ。」
加藤、切り捨てる予定の患者を見つめながら
「患者の都合で、バチスタを失敗させるわけにはいかないの・・」
◇ ◇ ◇
加藤「さっき野口教授に告げてきた、伊集院くんを入れる件。
朝田「やつなら毎日切らせまくってる、オペ経験の少な医局員に比べて、格段に技術は伸びてる。」
加藤「そんなことがどこまで役にたつの?、野口教授にははったりで押し切ったけど、私も彼なんか全く信じてない。」
●“はったり”ですかぁ~これはもう死語ではないのかな。。でも面白いですね、今度使おうかな~
◇ ◇ ◇
奈良橋「そうそう、助教授になったんですってぇ。---あなたならなれると思ったわ。人1倍努力家で患者思いで、加藤先生に任せればあたしも大丈夫ね。」
加藤「あの、治療方針なんですが・・」
奈良橋「バチスタ手術、よろしくお願いします。」
「先生に任せてためなら、あたしも・あきらめがつく・・」
藤吉に言われたことを思い出す、加藤。
<奈良橋さんは、何も知らない。この8年間あたしがどうやって医局で生きてきたか・・>
<論文データの成績をあげるために見込みの無い患者は、犠牲にするしかなかった・・>
●本当の大学病院は、こんなもんなんだろうか・・まさに知らぬが仏・・
◇ ◇ ◇
伊集院くんのテスト、手術が始まる
朝田「助手はお前ひとりだ」
伊集院「誰も助けてくれない・・」
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.
グラフト(バイパス手術のための」採取をまかされる伊集院
藤吉「大丈夫なのか、伊集院、いざとなったら手助けしてやるんだぞ。」
朝田「いや、しない。みんなで甘えあうのがチームじゃない。死にもの狂いで仲間のために力を尽くす、それがチームだ。」
●_〆(。。) メモメモ
そして、
伊集院「準備できました。」
●徹平くんのこの時の目の表情がなかなかいいです。
加藤「これあなたが・・?」
鬼頭「気が利くはね、あのボクちゃん」
.
鬼頭「それにあの機械出しの看護師、反射神経が抜群だわ」
医師「機械出しの技術はスポーツと同じ、反射神経です。執刀医によって微妙に間が違うものなのに、絶妙なタイミングでほしい器具を出してます。」
鬼頭「あの子をオペ看に呼んだ理由がわかるわ」
.
医師「内腔1.5ミリの血管に等間隔に12針、しかも寸分のブレもなく」
鬼頭「なかなかやるじゃない。あのお嬢ちゃんも・・」
しかし、トラブル発生
加藤「人工心肺離脱直後にはけっこう頻繁にトラブルが起こる。それが深刻なものか、そうでないものかを見分ける観察眼、それで心臓外科医の腕が図れる。覚えといて。」
伊集院「今のは一体・・?」
加藤「おそらく、左内胸動脈の攣縮によって血流が低下。。」
朝田「一時的に左冠動脈領域に虚血が出現した。」
伊集院「それで温生食をかけて、グラフトの攣縮を取り除いたのか。。:」
朝田「とうだ伊集院は?」
加藤「なかなか気が利くし、よくしこまれてる。それにあの丁寧に採取されたグラフト。。性格的にも細かい仕事に向いてるようね。」
「合格よ。」
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医師「なかなかのチームでしたね。」
鬼頭「ふたりを除いてね」
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鬼頭「臨床工学師と麻酔医。臨床工学師は周りが見えてないし、麻酔医は半拍ずつタイミングがずれてる」
「まっ、この程度の手術なら大丈夫だけど・・・」
.
◇ ◇ ◇
朝田、切り捨てる患者のことを知って
朝田「カルテを見せろ、オレならうまくやれるかも知れない。」
加藤「そうね、だけど、失敗するかもしれない。そんなあやふやな可能性にバチスタ論文をかけるわけにはいかないわ。」
朝田「論文と患者は関係ない!」
加藤「そうはいかないわ!!!」
「この手術が失敗したら次はない。バチスタ論文は終わり。私の医局でのキャリアも終わる。私は教授になる!!。ここで挫けるわけにはいかないのよ。この子は、待ちに待った患者なのよ。」
朝田「待ちに待った患者だとぉ。」
朝田、加藤に近づき
「勘違いするな。医者が患者を待ってるじゃない。患者が、医者を待ってるんだ。患者にお前の事情は関係ない!!。」
「奈良橋さんは、今手術しないと死ぬ。お前、奈良橋さんを殺す気か。」
◇ ◇ ◇
加藤、奈良橋の元へ
研修医の頃を思い出す
<奈良橋婦長は、なぜこんなあたしを信用してくれるのです?>
<初めて担当患者が死んだとき、朝までいてくれた・・>
<彼女に励まされ強くなり、私は泣くのを・やめた>
奈良橋「どうかしたの、加藤先生。泣きそうな顔して・・」
加藤「そうな顔してました?、あたし。」
奈良橋「あなたは本当にに泣き虫だから・・。」
「あたしが泣いたのは、あの時だけです。彼あれが最初で最後。」
奈良橋「そう」
加藤「はい」
奈良橋「あたしは、職業柄いろんなお医者さんを見てきました。どの人も自分が思い入れた患者さんが死んだときには、泣いたものでしたよ。そのうち死なれると辛くなるような患者さんには、なるべく心を移さないようにしたりして・・泣かなくなるの。人間ですもの、そうやって自分の心を守るすべを身につけるのね。私もそう。」
「でもあなたは違った。いつも患者さんには、ま正面に向き合って、患者さんが苦しんだり泣いたりした時には、瞳に涙をためて、こぼさないようにしてた。」
「あなたは、頭のいい人だから・・泣き方を変えたのね。」
「どう、少しは変わった?言ってたものねぇ、大学病院を変えるって・・」
--回想--
奈良橋「教授になる?」
加藤「はい、こんなこと告白するのは婦長だけだけど・・」
「あたしが担当して、亡くなった患者さんたちがいます。この大学病院というところでなかったら、あるいは助かったかもしれない患者さんたち・・私はこの人たちの死を無駄にしたくない。」
奈良橋「加藤さん。.」
加藤「あたしは大学病院を変えます。」
奈良橋「そのために教授に?」
加藤頷きながら
「組織のトップに立たなければ、この腐った医局は変えられません。“汚い、汚い”と言ってるだけでは、何も変わらないんです。」
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奈良橋「ほんっとにそんな細い体でひとり頑張っちゃって・・でもあなたならなれるわきっと・・教授に・・」
「ここに転院してきて、本・当によかった。。。あなたのようなお医者さんだったら、もし、あたしが死んでも、きっと、ずーっと覚えていてくれる。あたしはそう思っている。
。・゜ °・(><)・° ° ・。「失礼します」
奈良橋「ほんっとぉに、泣き虫なんだから・・」
●さあ、ここまで言われたら加藤ちゃん、どうするか
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加藤「改革のために教授になるつもりだった・・。でも、いつの間にか、ミイラとりがミイラになってた」
◆ ◆ ◆
野口「君は、論文と患者とどっちが大事なの?」
加藤「両方です。患者の命を救い論文も完成させてみせます。そして野口教授を総長の座に・・。」
「そのためには万全を期して、第一助手もより優秀な外科医をつけます。」
野口「優秀な外科医ぃ?、誰?」
加藤「私です。第一助手は、ワタクシ、加藤がつとめます。」
●きゃっこイイ、いずみちゃん!
◆ ◆ ◆
加藤「今更生き方を変えるつもりはないわ、私は患者のために論文をあきらめたりしない。あくまで魂を売ってでも教授のイスが欲しい女よ。」
「だけど、もう安売りはしない。あなたが、切り札がこの手の内にあるなら、勝負を降りる気はないから・・。」
◇ ◇ ◇
鬼頭「もしあさっての手術が失敗したら、朝田くんは追放、あなたもメインストリームから外される。」
加藤「なにが言いたいんです?」
鬼頭「そのときは、朝田くんを救命救急でもらうわ。野口先生には恩は売ってある。あの才能を埋もらせるのは惜しいでしょう、バチスタ1回の失敗ぐらいで・・」
加藤「さっきからなにが言いたいんです、バチスタがうまくいかないとでも?」
鬼頭「手術のチームは掛け算よ、どれだけ大きな数字が並んでても、ゼロが一つ入れば、ゼロになる」
「バチスタは失敗する。。」
◆ ◆ ◆
伊集院「どうして朝田先生はいつも難しい判断ばかりとるんですかね?」
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ミキ「優秀な外科医は簡単な処置と難しい処置、どちらをとるかと言われれば、難しい処置を選ぶわ。」
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「安全で簡単だけどとりあえずの処置でなく、手間がかかって難易度は高いけど、患者にとってベストな処置をとる。その方が患者にとって再手術の必要もなく状態も安定する。」
「患者の選択も同じじゃないかな。難しいことをやりたがるんじゃなく、妥協しないだけ。それが、朝田龍太郎。」
◇ ◇ ◇
藤吉「本当にこのタイミングで手術するのがベストなのか?もっといい状態で患者を渡せたんじゃないか?オレは手術の日はいつもそう思う・・。ま、誰がベストだと言ってもそう思うんだが・・」
朝田「今日がベストの日かどうかはわからない・・だけど、ベストにするのは俺たちだ。」
これより、バチスタ手術を開始する。
●しだいに医者の心を取り戻すいずみちゃん、
●しだいに医者の心を取り戻すいずみちゃん、きゃわいいなぁ、わしぁ、この子好きだわ!
●どうも、医龍#4へのアクセスが多いみたいで、5話も載せようと思いました。
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