純情短歌

純子の雑記帳

2012年12月17日~2013年01月08日

2013-10-14 17:27:51 | 既発表短歌
山歩き濃い青空を見るためにまずは足元好日山荘
焼き鮭の身をせせりつつ家族皆出かけたあとの余韻楽しむ(2012年12月17日 09:51)

集団の中にあってはみずからの無力を嫌というほど知れり(2012年12月18日 12:11)

診療に滞りなし老医者の死は公にするまでもなし
推敲を重ねるうちに講評にがんじがらめにされてはいけない(2012年12月19日 09:12)

四面の鏡の部屋に入りたれば蝦蟇の油が絞れるだろうか
沈みたる心の澱を感じたら空を見上げてひたすら歩く(2012年12月20日 21:07)

まず自信嘘でもいいから自負を持てそれがダメなら空元気でも
慎重に落とし穴には気をつけて進む時ほど墓穴(はかあな)を掘る(2012年12月21日 10:34)


頭蓋骨触れて感じる頼り無さ雑穀の香りセキセイインコ(2012年12月22日 10:02)

あれこれと難癖を付け不機嫌になるも甘え、と甘えてみせる
ひと一人幸せにするエネルギー私も持つということの不思議(2012年12月24日 16:17)

クリスマス寒波到来物干しのトタンの屋根のふっくら雀(2012年12月25日 18:05)

図書館は明日で今年も終わりです 司書の説明丁寧であり
買い物が増えて畳んだエコバッグ取り出し借りた本落とし込む(2012年12月26日 18:20)

裏白の折込チラシを切りそろえ拙い歌を殴り書きする(2012年12月27日 18:19)

背中から君の体に抱きついてぬくもり感じる幸せを持つ(2012年12月29日 11:54)

三秒前言った言葉を聞いてない人と連れ添う三十余年(2013年01月01日 15:09)

伝わらぬ言葉を吐いて立ち止まる足下割れて沖へ流さる(2013年01月03日 03:24)

信楽の狸の焼き物それぞれに呑気そうだが悩みもあるだろ(2013年01月04日 06:50)

パソコンでチェック貸し出し取り置きの2冊の本が待ちくたびれてる(2013年01月05日 08:24)

五文字やら七文字の言葉宙に浮き我を翻弄形にならず(2013年01月06日 15:48)

辛抱はしても我慢はしたくない臆病なのか慎重なのか(2013年01月07日 13:25)

友情にも旬があるなんて言われたな 考えてみればそうかもしれない(2013年01月08日 08:09)