純情短歌

純子の雑記帳

題詠blog2018

2018-08-20 06:26:05 | 題詠blog2018
2018-001:起 (ひじり純子)
人生の起承転結どのあたり明日もご飯が美味しくあれば

2018-002:覚 (ひじり純子)
わたくしのいまだ覚醒せぬところそのままにして冬は深まる

2018-003:作 (ひじり純子)
作文に限りない嘘を書き連ね書き連ねている卒業文集

2018-004:いいね (ひじり純子)
この味がいいねと君は言ったけど再現できない奇跡のサラダ

2018-005:恩(ひじり純子)
古ぼけた岩波文庫二冊あり恩師にもらった啄木歌集

2018-006:喜 (ひじり純子)
喜ぶという字並んだラーメンのおわんのフチに焼き海苔は要らない

2018-007:劣 (ひじり純子)
劣等感逆手に取ってと歌ってるミスチルの歌詞おだやかに聴く

2018-008:タイム (ひじり純子)
うかうかとタイムアップを告げられて途方にくれることのいくつか

2018-009:営 (ひじり純子)
「本日を持って営業終わります」一度も買わぬ店のシャッター

2018-010:場合 (ひじり純子)
わたくしの場合はですね・・・言いかけて説得力のないのに気づく

2018-011:黄 (ひじり純子)
おそらくは自覚をしない頼もしさ黄色のタンポポ黄色の菜の花

2018-012:いろは (ひじり純子)
紅葉の季節になればいろは坂タレントのようにテレビで遊ぶ

2018-013:枝(ひじり純子)
サクラ散ったその瞬間から枝の中サクラの花の命満ちてる

2018-014:淵 (ひじり純子)
青春のパーツの一つだったよね東田正義田淵幸一

2018-015:哀 (ひじり純子)
ちょうどこここの校門の前あたり父と会えないことが哀しい

2018-016:掘 (ひじり純子)
幼子は地球を深く掘ってゆく母さん「ご飯」と呼びにくるまで

2018-017:ジュニア (ひじり純子)
お隣のお姉さんから教わったジュニアそれいゆ中原淳一

2018-018:違 (ひじり純子)
違和感に甘えてしまう子羊が柱時計に隠れているのに

2018-019:究 (ひじり純子)
探究心日々に薄れて感情の波も荒ぶることなくなりて

2018-020:和歌山 (ひじり純子)
助手席にあり和歌山の山々の重なりを見てうとうととする

2018-021:貫 (ひじり純子)
指貫を新婦のようにはめてみる布縫う前の儀式みたいに

2018-022:桐 (ひじり純子)
桐の樹の冬のこずえは天を指すどこをどうして迷ってきたか

2018-023:現 (ひじり純子)
真っ先にページをめくり読みふける現代国語の新しい本

2018-024:湖 (ひじり純子)
白鳥の形のボート湖に行き交うものは幸せの形

2018-025:こちら(ひじり純子)
ゆきゆきて道なきこともあるものよ鬼さんこちら手のなるほうへ

2018-026:棄 (ひじり純子)
おとこひとり棄ててきました棄てられたわけではなくて棄ててきたのです

2018-027:鶴 (ひじり純子)
千羽鶴千まで折らず放置した鶴はそのまま朽ちて終わりぬ

2018-028:帰 (ひじり純子)
帰宅部の部長であったあの人はビーグル号航海記読みおり

2018-029:井 (ひじり純子)
井の中の蛙は四角い空を見て空は四角いものだと思う

2018-030:JR (ひじり純子)
JR新大阪に降ろされて泣きたい気持ちで食べる駅蕎麦

2018-031:算(ひじり純子)
価値観の重さの違い君と僕つるかめ算で計算をする

2018-032:庵 (ひじり純子)
野の花や風や空など愛でたくて心の中に庵をひとつ

2018-033:検 (ひじり純子)
探し物出てこないんです春の日に検索ワードを千も連ねて

2018-034:皿 (ひじり純子)
ジュズダマやウメモドキの実盛りましょうヤマザキ春のパン祭りの皿

2018-035:演 (ひじり純子)
後半を迎えてみれば凪なれど主演女優は私なのです

2018-036:あきらめ (ひじり純子)
あきらめと期待を交互に重ねては平坦になりゆくバイオリズム

2018-037:参 (ひじり純子)
中三の春にもらった参考書 先輩の字で赤の書き込み

2018-038:判断(ひじり純子)
判断の仕切れぬことが多すぎて今もふよふよ漂うくらげ

2018-039:民 (ひじり純子)
一時間待っていました春だから民族博物館の向かいに

2018-040:浦(ひじり純子)
立ち読みでついじっくりと読んでしまう浦沢直樹の漫画のあたり

2018-041:潔(ひじり純子)
清潔になれない若さ手を洗う何度も何度も洗い続ける

2018-042:辺 (ひじり純子)
天辺に登りついたら深呼吸あおいあおい空気吸い込む

2018-043:権 (ひじり純子)
黙秘権施行しますと思いつつ小さくなっていく鳥を見る

2018-044:ゴールド (ひじり純子)
ゴールドの細いリングを薬指リングが似合う指なら良いのに

2018-045:承 (ひじり純子)
ゆるぎなき自信に満ちた若い樹は空条承太郎の立ち方

2018-046:沖(ひじり純子)
朝早く遥かな沖を眺むれば凪てらす陽のまばゆきばかり

2018-047:審(ひじり純子)
球審は汗もぬぐわず見つめいる高校球児の プレーいかにと

2018-048:凡 (ひじり純子)
世の中に一番多い凡人の中に含まれるだろう私

2018-049:順(ひじり純子)
順調に生きております時々は悩みで眠れぬ夜もあります

2018-050:痴(ひじり純子)
愚痴一つこぼれこぼれて二つ三つ酒の肴にするには不味い

2018-051:適当 (ひじり純子)
適当に選び選ばれ添い遂げる三十五億のうちの一人を

2018-052:誠 (ひじり純子)
手を振れば誠意を持って鳴く小鳥あおい色したセキセイインコ

2018-053:仙 (ひじり純子)
テレビ観ればまたかと思う特集で見入ってしまう星野仙一

2018-054:辛 (ひじり純子)
ポケットにあったわ七味唐辛子みじかい春に刺激を少し

2018-055:綱 (ひじり純子)
鶺鴒の連絡網はどうしても途中で止まることは必定

2018-056:ドーナツ(ひじり純子)
国鉄の駅の近くに店があるドーナツ食べつつ電車眺めた

2018-057:純 (ひじり純子)
記憶する人あらば嬉しけりひじり純子という名の歌人

2018-058:門 (ひじり純子)
幼犬の頃から出入りしていたね門扉の横の狭い隙間を

2018-059:州 (ひじり純子)
九州と獏と思いき長崎も博多もどこも私を誘う

2018-060:土産(ひじり純子)
お土産は蕎麦二人前どうするの五人家族でどうして食べる

2018-061:懇(ひじり純子)
昵懇になればなるほどお互いの見たくもない欠点が見えるね

2018-062:々 (ひじり純子)
我々は正々堂々と戦うことを誓います青空の下

2018-063:憲 (ひじり純子)
僕たちはスタバで珈琲飲んでいる連休さなか憲法記念日

2018-064:果実 (ひじり純子)
果実酒の入ったガラスの保存ビン階段一段ずつに並べる

2018-065:狩 (ひじり純子)
逃げ惑うイチゴを追ってイチゴ狩り嘘です笑えないね冗談

2018-066:役(ひじり純子)
今日もまた母親役に妻役に娘と姉の役をやりきる

2018-067:みんな (ひじり純子)
もうみんな持っているんだみんなとは僕の心の中のみんなだ

2018-068:漬 (ひじり純子)
はつなつの茄子の浅漬け二つ買い私と夫の切り方は違う

2018-069:霜 (ひじり純子)
髪の毛に霜降る歳となりたれど未だ成熟してない心よ

2018-070:宅 (ひじり純子)
夢あふれるモデルハウスは遠くあり分相応の分譲住宅

2018-071:封 (ひじり純子)
封筒は長形三号三つ折にした歌たちが運ばれていく

2018-072:レンタル (ひじり純子)
この頃はレンタルビデオ借りにいく気力もなくてああねむいねむい

2018-073:羅 (ひじり純子)
約款に羅列されたる日本語は異国語のよう砂粒のよう

2018-074:這 (ひじり純子)
腹這いになって本読む縁側にまどろむ吾子の空は葉桜

2018-075:辻 (ひじり純子)
四辻でどこを行ったら良いのかと狐がだます話する母

2018-076:犯 (ひじり純子)
犯歴は数限りなし還暦をすぎれば綺麗なままではおれぬ

2018-077:忠 (ひじり純子)
待ち合わせするなら忠犬ハチ公の前と決めてたハタチの私

2018-078:多少(ひじり純子)
金額の多少ではなく参加する意思があるならクラウドファンディング

2018-079:悦 (ひじり純子)
悦に入ることは少なくなってきた感情の揺れまだまだ多し

2018-080:漁 (ひじり純子)
大きなる大漁旗を手に振りて陽の色をした女の手足

2018-081:潰 (ひじり純子)
ごみの日にまとめて潰すアルミ缶初夏の日差しにきらきら光る

2018-082:にわか (ひじり純子)
雨宿りしてりゃすぐ止むにわか雨西の空から来る青い空

2018-083:課 (ひじり純子)
課金したら終わりとつぶやくばあちゃんはネット廃人にはなりません

2018-084:郡 (ひじり純子)
市の前はここらあたりも郡だった田んぼも昔はたくさんあった

2018-085:名詞 (ひじり純子)
好きなものみんな並べるどれもこれも文法的にはすべて名詞だ

2018-086:穀 (ひじり純子)
ふわふわのセキセイインコ近づけばほんのわずかに穀物の匂い

2018-087:湾 (ひじり純子)
湾内に集める色とりどりの船 波は光を集めているよ

2018-088:省 (ひじり純子)
反省はサルでも出来る反省のポーズだけだとしてもサルでも

2018-089:巌 (ひじり純子)
けわしくも巌のかさなる山々を目指すのだろう山男として

2018-090:トップ (ひじり純子)
雨ばかり続くこれから洗濯は部屋干しトップで満艦飾に

2018-091:勘 (ひじり純子)
土地勘もずいぶん怪しくなっている子供の頃に歩いた場所の

2018-092:醤 (ひじり純子)
邪魔をせず素材の色を生かしてるはずの淡口醤油が辛い

2018-093:健 (ひじり純子)
健康をまず祈ります初詣みんな元気で生きててほしい

2018-094:報告 (ひじり純子)
報告とええとそれから何だっけほうれん草を茹でつつ思う

2018-095:廃 (ひじり純子)
廃屋の中には元の住人が残していった鍋や皿など

2018-096:協 (ひじり純子)
協力は惜しみませんとも私の生活趣味に支障なければ

2018-097:川 (ひじり純子)
川べりに続く松の木五十年以上前から続く松の木

2018-098:執 (ひじり純子)
執着はおろかなことよみんなみんな離れていくか私が離れる

2018-099:致 (ひじり純子)
致死量の愛を飲み干し生きていく飲み干したこと気づかぬままで

2018-100:了(ひじり純子)
「了解」も「りょ」さえなくて子のメールあ〜あ親とはつまらぬものだ
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mixi

2018-06-26 08:46:36 | 短歌
6月26日
水筒とタオルは忘れることなかれヨガ教室の庭の陽だまり

千代紙を貼った小箱に入れるもの褪せてしまった昔の憧れ

前の世が何であっても我は我同じ魂抱えて生きる

夜が明ける雀囀ずる朝刊がまだ知らぬ事載せて運ばる
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2018-06-03 07:49:11 | 短歌
6月3日
りんごならぬアップルパンチ交流戦ならではこその知りえぬ言葉

6月10日
薬指リングの代わりに巻きつけてみてるシロツメクサの満開

リタイアをした後こそがその人の新の値打ちが現れるとき

6月11日
九時すぎて妻は夫の帰り待つよもや命を奪われてるとは

6月13日
料理本すべて売りたり知りたきはネットで間に合う昨今であれば

6月16日
布ほんの端切れを集め縫い合わせ大風呂敷でも作ってみようか

忙しい君に花火を見せたくて打ち上げ花火のTシャツを着た  (題詠)

6月17日
人間が一番怖いといい終わり怖い話の時間はおしまい

6月19日
うろたえて何も出来ないただじっと揺れの収まり待っているだけ

6月26日
ルイボスティー沈んだ赤はティーカップ恋の気配が漂う夜に

6月27日
理由など思いつかない反抗の理由はないと気づいた夜明け

7月2日
繰り返す繰言苦言悔しさに苦労したよと九年の月日

7月6日
凝固する歳月を経て感性は私の思うままにならない

クレマチス描いたステンドグラスから陽が注ぎ込む夏の日の午後

7月7日
悔いのない人生などはあるものか大水に消ゆ数多の命

語らずに落ちる命よ残された遺族の心に残す疑問符

7月8日
いやまさに想像できぬことばかり一寸先の未来はいかに

8月11日
シロナガスクジラは潮を噴き上げて見た事もない世界を思う

涙腺が緩んでしまう炎天下高校球児の入場行進

8月16日
根っからのシャイな人間父親は思ったことを言わず生きたり

8月19日
ニラレバのレバーが嫌いという家人仕方がないとにら玉にする

冷蔵庫の在庫で料理をするのだと決めた晩餐割と豪華に

バランスは非常に大事人と人好きが嫌いにならないように

稲の穂が開き行く田に鳥よけのネット張られてやはりもう秋
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題詠blog2017 001~100

2017-10-26 16:08:37 | 題詠blog2017

001:入 (ひじり純子)
結婚式済ませたばかり頼りなく季節が春に入った朝に

002:普 (ひじり純子)
少しだけ愚痴や言い訳飲み込んで普通に暮らすことの尊さ

003:共(ひじり純子)
共有の私道を囲む八軒の私は最も新米の主婦

004:のどか (ひじり純子)
押しボタン式と気付かず信号の変わるのを待つのどかな私

005:壊 (ひじり純子)
潮時を節目をいつと決められず形を残し壊れゆくもの

006:統 (ひじり純子)
統合は誰の都合かふるさとも母校も消えてコンビニおでん

007:アウト(ひじり純子)
輪郭のぼんやりとした君だからアウトラインステッチで刺す

008:噂 (ひじり純子)
ここだけの噂話はここだけにとどめて梅の枝に鶯

009:伊 (ひじり純子)
伊藤博文の千円札三枚若きスーツのポケットの中

010:三角 (ひじり純子)
三角の赤い積み木は家の屋根幼子は住む熊と一緒に

011:億 (ひじり純子)
百億の乳酸菌は生きたまま腸まで届くなんだか怖い

012:デマ (ひじり純子)
ほんとうとデマの違いがわからない遠くに始まる宇宙戦争

013:創(ひじり純子)
平日の匂いに満ちたショッピングモールにひとり創立記念日

014:膝 (ひじり純子)
膝小僧これはいくつのときの傷私はそのとき泣いたのだろか

015:挨拶 (ひじり純子)
東大寺鹿の挨拶そこかしこほんの小さな仔鹿でさえも

016:捨 (ひじり純子)
苦手です取捨選択ができなくてシュシャセンタクもうまく言えない

017:かつて(ひじり純子)
母さんもかつて子どもであったのだ背中に羽根が生えていたのだ

018:苛 (ひじり純子)
苛々の苦さブラック珈琲で飲み干したなら歩き出そうか

019:駒 (ひじり純子)
また少し離れてしまった気がしたよ君は駒澤大学に行く

020:潜(ひじり純子)
諦めた恋まだ諦めちゃいなかった潜在意識の波のまにまに

021:祭り (ひじり純子)
後手後手で後の祭りでありました気づかなかった赤い糸端

022:往 (ひじり純子)
在宅の緩和ケアには微笑みと往診かばんに春の風詰め

023:感 (ひじり純子)
感受性守れと叱咤激励をする人あれど冬は厳しい

024:渦 (ひじり純子)
洗濯の渦に紛れてあれこれと世迷言など浮かんで消える

025:いささか (ひじり純子)
いささかのたくわえもなく天命を全うすれば言うこともなし

026:干 (ひじり純子)
お向かいの夫が洗濯物を干す君に言おうか止めよか悩む

027:椿 (ひじり純子)
椿墜ちて死にゆく椿の紅色はあっという間に朽ちてしまえり

028:加 (ひじり純子)
加湿器を兼ねたケトルは湯気立ててお茶の時間に誘ってくれる

029:股 (ひじり純子)
驚くほど股開きたる野の鳥は風に吹かれてついと飛び立つ

030:茄子(ひじり純子)
小鍋には茄子のみぞれ煮火のそばに針箱置いて布と戯る

031:知 (ひじり純子)
すべて知ることはできないすべて知る必要もないサクラの咲く日

032:遮 (ひじり純子)
遮断機のゆっくり降りる不規則な音重なって交差の軋み

033:柱 (ひじり純子)
貝柱上手くはずせた呆気なく抗う意思をなくした貝殻

034:姑 (ひじり純子)
産みたての卵は十個包まれて姑は私に渡してくれる

035:厚 (ひじり純子)
厚き雲より降りかかる陽の光 天使の梯子と謂うにふさわし

036:甲斐 (ひじり純子)
甲斐なくて甲斐なきことに気づかない振りしてることに錠前をかけ

037:難 (ひじり純子)
編み物をしない娘に編み物の説明をする難しくする

038:市 (ひじり純子)
シャッターで閉まった市場の思い出を語れば今もいきいきと在る

039:ケチャップ (ひじり純子)
ケチャップでメッセージかよオムレツは紅い色には飽きてしまった

040敬 (ひじり純子)
敬遠の四球で歩かされるように見放された感の春です

041:症 (ひじり純子)
症状は軽いものです境目を越えてしまえば あ、季節のです

042:うたかた (ひじり純子)
猫の目の光一瞬きらめいてたちまち閉じるうたかたの夢

043:定 (ひじり純子)
定番は時に変化を帯びながら私というものをかたちづくる

044:消しゴム (ひじり純子)
いい匂いや可愛い色の消しゴムを集めた缶のありかは不明

045:蛸 (ひじり純子)
蛸壺のようなカプセルホテルには夢見る少女は住めないだろう

046:比 (ひじり純子)
比較的いいんじゃないかと決めるとこ就職活動と変わらないかも

047:覇 (ひじり純子)
WBCの覇者のことなど語り行くスポーツニュースのアナウンサーの声

048:透 (ひじり純子)
感情の恨み悲しみ喜びも浸透圧によって傾く

049:スマホ (ひじり純子)
手のひらと同じサイズのスマホには君のすべてが捕らえられてる

050:革 (ひじり純子)
牛革の匂いだったんだランドセル高校時代のペンケースも

051:曇 (ひじり純子)
一面の菜の花畑の中にいて曇り空さえ菜の花の色

052:路 (ひじり純子)
来し方のあそこあの辻曲がり角で路線変更すればよかった

053:隊 (ひじり純子)
暖かくなればお山の向こうから足音鼓笛隊の行進

054:本音 (ひじり純子)
「カワイー」や「ヤバイ」「ムカツク」その語彙に本音を語る言葉育つか

055:様 (ひじり純子)
封筒の宛名使って表札にする家のあり「様」付きのまま

056:釣 (ひじり純子)
連れ合いは釣果を語るあれこれと逃がした魚の大きさなども

057:おかえり (ひじり純子)
おかえりと尾を振るコロよおかえりと尾を振るコロよコロよ尾を振れ

058:核 (ひじり純子)
核心を突いてはならぬしなやかに夫婦で永くありたいならば

059:埃 (ひじり純子)
家中のいたるところに土埃子供のころの息子の足跡

060:レース (ひじり純子)
真っ白き小手毬の花咲きおればレース編みなどしてみたくあり

061:虎 (ひじり純子)
虎の人三人広いグラウンドにジェット風船浴びて立ちたり

062:試合(ひじり純子)
一陣の風大会旗はためかせ試合開始のサイレンが鳴る

063:両 (ひじり純子)
雨の日は黄緑色の傘さして両生類の仲間になろう

064:漢 (ひじり純子)
ひらがなで話すおとこと漢文で語る女の恋は貴し

065:皺 (ひじり純子)
皺加工ほどこした君の青いシャツきれいにアイロンかけてやろうか

066:郷 (ひじり純子)
故郷のまがい物見て舌打ちをするほど語る言葉はなくて

067:きわめて (ひじり純子)
炭酸はきわめて強くふた開ける数重ねてもひりりと迫る

068:索 (ひじり純子)
索引で君の名前を探してみる載ってないとは限らないから

069:倫(ひじり純子)
不倫という浮ついたもの否定する倫理観というあいまいなもの

070:徹 (ひじり純子)
世の中に我ひとりだけ呼吸して夜を徹して生きがい探す

071:バッハ (ひじり純子)
いま少し微笑んだよねバッハさん音楽室はあまりに退屈

072:旬 (ひじり純子)
かっこつけた君からキネマ旬報を教えてもらいバイブルとなる

073:拗 (ひじり純子)
拗ねている子のくびすじに降るものは理不尽不条理我慢すること

074:副 (ひじり純子)
君のこえ副音声で聴いてみればただ砂嵐すなあらしのみ

075:ひたむき (ひじり純子)
ひたむきに生きていますね木や鳥も空の星など人以外のもの

076:殿 (ひじり純子)
そこもまた重ねた刻(とき)のしずもりぬ大仏殿のほの暗さゆえ

077:縛 (ひじり純子)
束縛はゆるく結んだ割烹着自分の意思でその中にいる

078:邪魔 (ひじり純子)
邪魔者と言い切る根拠特になくただ目障りな少し出た杭

079:冒 (ひじり純子)
冒頭の注意事項をよく読んで丁寧に扱うべしこころ

080:ラジオ (ひじり純子)
イヤホンでラジオと耳を繋いだら流れ込むのはひとりの時間

081:徐 (ひじり純子)
さくらばな徐々に前線通過して北海道を満開にする

082:派 (ひじり純子)
タカ派もどき上手く論破をできずいてハト派の群れの中に立ちたり

083:ゆらゆら (ひじり純子)
ゆらゆらと光合成を重ねつつ公衆電話の箱に咲く花

084:盟 (ひじり純子)
マスキングテープ。付箋紙。一筆箋。花色目玉クリップ同盟。

085:ボール (ひじり純子)
ボールペン付きのメモ帳持ち歩く降り来る言葉を受け止めるために

086:火 (ひじり純子)
火曜日は卵サービスデーにつき、メンドリの眼はかすかに潤む

087:妄 (ひじり純子)
妄想と夢の狭間でたゆたいぬ君を誰にも渡したくない

088:聖 (ひじり純子)
感動は独りっきりで浸るもの誰にも言わぬ聖地巡礼


089:切符 (ひじり純子)
手の中の硬い切符に忠実にパンチを入れる駅員は今

090:踏 (ひじり純子)
踏切がいつまでたっても開かなくてもう何年も立ち尽くしている

091:厄 (ひじり純子)
厄年を意識するのも面倒でゴールがうっすら見えそうな道

092:モデル(ひじり純子)
梅雨入りのモデルルームの明り取りの窓にも繁く雨降り注ぐ

093:癖 (ひじり純子)
難癖を付けて荒げる声響く定年過ぎたらしきおとこの

094:訳 (ひじり純子)
言い訳にならぬ言い訳ああもっと潔い風吹かせたかった

095:養 (ひじり純子)
鉄筋の社宅壊されできるのは特養老人施設ということ

096:まこと(ひじり純子)
ごわごわの茶色の毛を持つ犬だった まことに愛すべき目をしてた

097:枠 (ひじり純子)
手の指で作った枠にはめるのは過ぎ去る夏と訪れる秋

098:粒 (ひじり純子)
一粒で三百メートル走れます きっとあなたの街に行きます

099:誉 (ひじり純子)
誉められることも少なくなってきた出来て当然そんな年齢

100:尽(ひじり純子)
携帯の電池が尽きて秋の町ほんのわずかに持て余しいる
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題詠blog2016 俳句編  001~100

2016-04-03 08:51:50 | 題詠blog2016
「春」

001:地
植物は大地の中で春になる

002:欠
まだ少し何かが欠けたような春

003:超
春の日に北海道の超特急

004:相当
誰にでもそれ相当の春が来る

005:移
移植ごて三月の土みずみずし

006:及
枝先に及ぶ三月たる息吹

007:厳
厳しさを甘さに変えて猫柳

008:製
製茶の香ならまちの辻入りにけり

009:たまたま
道迷いたまたま出会う紫木蓮

010:容
名を問うな容姿端麗木瓜の花

011:平
長崎の平和の像に春の鳥

012:卑
山つつじ卑下することもなかりけり

013:伏
春の夢伏見の酒に酔わされて

014:タワー
遠足のポートタワーに集いし子

015:盲
三月のバス盲導犬も従いて

016:察
片栗の花の観察 摘み取らず

017:誤解
お水取り小さき誤解も薄らいで

018:荷
引越しの荷造りせわし冴え返る

019:幅
幅を取り春眠深し 男の子

020:含
佳く咲けと言い含められチューリップ

021:ハート
ハート型の葉をひろげけり菫草

022:御
御入学祝と書いて息をつく

023:肘
長袖を肘までたくし上げて春

024:田舎
売るほどに土筆の生える田舎かな

025:膨
石鹸玉膨らんで子の目を見張る


「夏」

026:向
向日葵の中ひまわりの中を行く

027:どうして
どうしても未練が残る花は葉に

028:脈
葉脈も強く打ちたり夏繁る

029:公
風薫る公民館の駐車場

030:失恋
失恋も飛ばしてしまえ青嵐

031:防
蚊を見つけ慌て買い行く防虫剤

032:村
麦の秋村のはずれの地蔵様

033:イスラム
イスラムの寺院影絵にして西日

034:召
茄子漬を召しませ食がすすまねば

035:貰
茄子漬を貰うとするかありがとう

036:味噌
鴫焼きや切らした味噌を買いにいく

037:飽
五月雨に飽いて観にいくロードショー

038:宇
夏の星宇宙の果てを見たくなる

039:迎
夕立の中傘もってお迎えに

040:咳
梅雨寒の台所から咳一つ

041:ものさし
ものさしを柱に当てるこどもの日

042:臨
夏休み臨時列車も満員で

043:麦
向日葵と見まがう麦藁帽子かな

044:欺
炎天や我を欺く我自身

045:フィギュア
夏休みコミケで購いしフィギュア

046:才
才のあるグラジオラスやすいと立つ

047:軍
酷暑の日いっそ海軍カレーにしよ

048:事情
それぞれに事情が違うアマリリス

049:振
熱帯夜振り子時計もゆれ渋る

050:凸
凸レンズ蟻の背に陽を集めたり


「秋」

051:旨
何もかも旨しと思う秋の膳

052:せんべい
歯ざわりがよろし鰯の骨せんべい

053:波
波高し台風を待つ友ありて

054:暴
暴力に近し野分の去りあとは

055:心臓
蓑虫も心臓一つ持ちて揺れ

056:蓄
団栗を貯蓄して栗鼠備えにす

057:狼
狼は紅葉も見ずやなで肩で

058:囚
囚われて逆さづりなる猪は

059:ケース
ケースバイケースと答う秋の暮れ

060:菊
着飾れる菊人形の胸のうち

061:版
版画展出でし空には鰯雲

062:歴
秋の夜歴史小説読み過ごす

063:律
秋高し旋律深しヴァイオリン

064:あんな
見上げればあんな高くを渡り鳥

065:均
夜なべして縫い目均しくありぬべし

066:瓦
お隣の瓦越しなる秋の山

067:挫
挫折することを運動会で知る

068:国歌
九月場所国歌斉唱まわしの色

069:枕
寝待月かたわらにおく草枕

070:凝
魚炊いた汁凝固する夜長かな

071:尻
尻餅をついてもおかし運動会

072:還
還暦とて変わることなし青蜜柑

073:なるほど
新蕎麦はなるほど美味し香りする

074:弦
上弦の月に糸張り奏でたい

075:肝
焼き秋刀魚肝は嫌いという子かな


「冬」

076:虜
冬座敷虜となりぬ七並べ

077:フリー
フリースを着て除夜の鐘聞いている

078:旗
初詣電車の中に小さき旗

079:釈
解釈は人それぞれに冬終わる

080:大根
遠近法大根畑に思いたり

081:臍
臍の緒や師走生まれの娘が初子

082:棺
棺桶も通販があり冬の夜

083:笠
笠地蔵雪かぶりたる翁かな

084:剃
青々と剃髪寒し修行僧

085:つまり
あれもこれもとどのつまりは着膨れに

086:坊
宿坊に雪降り積もり静もれり

087:監
監督が火の番をせりグラウンド

088:宿
雪の宿背中丸めて鍋つつく

089:潮
潮引いて現れるのは波の花

090:マジック
日記買いマジックで記す書き始め

091:盤
冬の夜空飛ぶ円盤見たような

092:非
冬ざるる非日常なる中にいる

093:拍
柿おちば拍動はすでに途絶えたり

094:操
木枯らしの吹く日のバスの操車場

095:生涯
生涯の今どのあたり冬の虹

096:樽
樽の中ワイン眠りて年の暮れ

097:停
バス停で待てば耳切る虎落笛

098:覆
転覆をせぬか時雨れる海の上

099:品
品薄になりしスーパー大晦日

100:扉
煩悩の扉を閉じよ除夜の鐘
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題詠blog2016 091~100

2016-03-04 15:41:15 | 題詠blog2016

091:盤 (ひじり純子)
春近い女性専用車両では岩盤浴の話沸き立つ

092:非 (ひじり純子)
無能には非ずと我を鼓舞しても独り芝居の猿回しの猿

093:拍 (ひじり純子)
クシャミした拍子にハクション大魔王現れ出でる壷さえ持たず

094:操 (ひじり純子)
明らかに遠隔操作されている流行りも歌も人の気持ちも

095:生涯 (ひじり純子)
生涯をかけてなし得たものも無く中国産の干し芋食べる

096:樽 (ひじり純子)
たまらなく睡魔が襲う仕方ない私を樽の中で寝かそう

097:停 (ひじり純子)
雨の日は大きな傘を用意してトトロの影をバス停で待つ

098:覆 (ひじり純子)
覆面をかぶったままで生きる人ほんとの顔は誰も知らない

099:品 (ひじり純子)
お品書き無しです一汁一菜のシュフのおすすめ晩御飯です

100:扉 (ひじり純子)
あの世への扉を開けて逝く父は見送る者の後悔は知らず
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題詠blog2016 081~090

2016-02-27 15:58:06 | 題詠blog2016

081:臍 (ひじり純子)
因縁は臍の緒により繋がって流れるように親子となりぬ

082:棺 (ひじり純子)
ドラキュラの棺の中の未来には怪物ランドの王子が絡む

083:笠 (ひじり純子)
白黒のスクリーンの中の笠智衆同じほほえみ絶やさず今も

084:剃 (ひじり純子)
「弟がひげの剃り方訊いてくる」七歳上の姉は困りき

085:つまり (ひじり純子)
唐突に空の蒼さに涙ぐむつまりあなたを好きということ

086:坊 (ひじり純子)
初めての孤独を知りし坊ちゃんの母はいずこに迷子案内

087:監 (ひじり純子)
胴上げを見たき熱狂するファンの圧に負けるな金本監督

088:宿 (ひじり純子)
行くあての決まらぬふたり丸くなり一夜の宿を住処としたり

089:潮 (ひじり純子)
満潮の海に漕ぎいで満月の光を浴びて脱皮をするの

090:マジック (ひじり純子)
アーケードはずせば市場だったこと忘れてしまうマジックですか
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題詠blog2016 071~080

2016-02-23 14:49:16 | 題詠blog2016

071:尻 (ひじり純子)
いつだって尻切れとんぼ結論は明日へ持ち越し千夜一夜か

072:還 (ひじり純子)
優しさの記憶還元できるほど量的に乏しい今のところは

073:なるほど(ひじり純子)
物分りよい振りしてる若者は大人になるほどわがままになる

074:弦 (ひじり純子)
上弦の月だったねと拓郎が歌う歌をあなたが歌う  

075:肝 (ひじり純子)
数値にてその存在を知らしめるどこにあるのか私の肝臓

076:虜 (ひじり純子)
親しげに仲間外れにされること虜となればずんずん沁みる

077:フリー (ひじり純子)
優しさはバリアフリーの頼りなさほったらかしで気にされぬまま

078:旗 (ひじり純子)
万国旗軽く纏った帆船が神戸の港を静かに離れる

079:釈 (ひじり純子)
解釈はなされぬままに計算式ひたすら解いて鳥渡りゆく

080:大根 (ひじり純子)
B型の青くび大根O型の鰤と炊いたら美味しくなります
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題詠blog2016 061~070

2016-02-19 17:31:23 | 題詠blog2016

061:版 (ひじり純子)
ガリ版の鉄筆のあと清々しインクのかすれも趣き深し

062:歴 (ひじり純子)
雲ひとつ無い空放射冷却で寒いよ寒い着信履歴

063:律 (ひじり純子)
時々は調律をして貰わねば私の中の弦の乱れの

064:あんな (ひじり純子)
もし過去に戻れたならばどうしたかあんなこととかこんなこととか

065:均 (ひじり純子)
百均で購いし物とは言えず夫が誉める器であれば

066:瓦 (ひじり純子)
瓦斯燈に火をともす人今はなく二月は逃げる全速力で

067:挫 (ひじり純子)
思いがけず心が捻挫したようなそんな気がする望まぬランチ

068:国歌 (ひじり純子)
ゆっくりと皆立ち上がり口閉じたままの人もいて国歌斉唱

069:枕 (ひじり純子)
オリオンの囁き昴の呟きを聴いてたゆたう腕枕の舟

070:凝 (ひじり純子)
年をとり凝固していくさまざまな痛みと熱を伴ったもの
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題詠blog2016 051~060

2016-02-14 09:02:10 | 題詠blog2016

051:旨 (ひじり純子)
旨かったとヒゲをくるりと撫で上げて猫はまあるくなってしまった

052:せんべい (ひじり純子)
ポケットの中にはせんべいひとつきりポケット叩くとせんべい割れる

053:波 (ひじり純子)
鴎飛ぶ彼らのルールに則って青い海には波除ブロック

054:暴 (ひじり純子)
その刹那暴風により通じ合う上りの電車下りの電車

055:心臓 (ひじり純子)
心臓の病で死んだ女の子水色だった透明だった

056:蓄 (ひじり純子)
マスターの声がするのか蓄音機日本テリヤは耳傾けぬ

057:狼 (ひじり純子)
狼の血を受けた犬と疑わずふさふさの尻尾銀色の尻尾

058:囚 (ひじり純子)
囚われているかも知れずキリンたち海の向こうをじっと見つめる

059:ケース (ひじり純子)
菜の花を両手いっぱい摘んできてハードカバーのケースに隠す

060:菊 (ひじり純子)
様々な種類の菊を等分に分けて二軒の墓に供えん
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題詠blog2016 041~050

2016-02-11 13:53:51 | 題詠blog2016

041:ものさし (ひじり純子)
迷うものさし示すものそれぞれに得るものはある今日より明日

042:臨 (ひじり純子)
今までの破顔なんとか整えて臨時ニュースをおつたえします

043:麦 (ひじり純子)
黒麦酒グラスに注ぐこれからの私のことは問うてくれるな

044:欺 (ひじり純子)
約束をあなたずいぶん反故にした結婚詐欺の容疑者とする

045:フィギュア (ひじり純子)
内容は記入されない宅配便なるほど中身は美少女フィギュアか

046:才 (ひじり純子)
男同士ほほえみ交わす死期迫る八十五才と十九才は

047:軍 (ひじり純子)
右手だけ等間隔に落ちている軍手はずっと左手を待つ

048:事情 (ひじり純子)
かなたから順番に点く青信号いかなる事情があるのだとしても

049:振 (ひじり純子)
振ってみるスノードームに降る雪はキラキラ光る永遠に光る

050:凸 (ひじり純子)
凸凹のジャガイモを剥くソラニンのことをちょっぴり考えながら
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題詠blog2016 031~040

2016-02-10 15:09:09 | 題詠blog2016

031:防 (ひじり純子)
円卓に次々運ばれる料理を防風林のように囲みぬ

032:村 (ひじり純子)
久しぶり誰だったっけああそうねピアノ上手な西村さんね

033:イスラム (ひじり純子)
神戸の町イスラム寺院を行き過ぎて生田神社に出会う道のり

034:召 (ひじり純子)
お召し物はお脱ぎください良いにおいのクリームもしっかり塗ってください

035:貰 (ひじり純子)
犬の仔を貰うたいへんよく肥えた背中の黒い健やかな仔

036:味噌 (ひじり純子)
アゲ豆腐シメジ大根サツマイモ味噌を溶かせばみんな味噌汁

037:飽 (ひじり純子)
飽きる日は突然に来る決してあなたが悪いのでない

038:宇 (ひじり純子)
幾回もぬばたまの夜繰り返し宇宙の果てに星座のできる

039:迎 (ひじり純子)
welcomeは歓迎の意味welcomeboadはただの装飾

040:咳 (ひじり純子)
いつまでも素直であればそれもまた家のどこかで子が咳をする
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題詠blog2016 021~030

2016-02-09 16:19:32 | 題詠blog2016

021:ハート(ひじり純子)
好きなのは不二家のハートチョコレート大正生まれの父は言いき

022:御 (ひじり純子)
崩御という大見出し見た驚きは昭和最後の日のことでした

023:肘 (ひじり純子)
肘までの手の洗い方が書いてある洗面所には緑の液だれ

024:田舎(ひじり純子)
三代の前より地元に住みし我田舎へ帰る楽しみは無し

025:膨 (ひじり純子)
少しずつつぼみ膨らむ樹の枝の中で作られゆく桜色

026:向 (ひじり純子)
必ずしも同じ方向見ていない項垂れてるのもあって向日葵

027:どうして (ひじり純子)
どうしても諦められぬ恋ひとつ赤いリボンで結んで捨てる

028:脈 (ひじり純子)
葉脈は薄し二月の陽光にすかしてみれば血の流れたる

029:公 (ひじり純子)
所々余白のありて静かなる公民館の部屋の割り当て

030:失恋 (ひじり純子)
クリーミーチーズをパンに厚く塗り今日の日記に失恋と書く
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題詠blog2016 011~020

2016-02-05 16:24:24 | 題詠blog2016

011:平 (ひじり純子)
鬼平を真似て蕎麦屋で酒を呑む未だ叶わず還暦を過ぐ

012:卑 (ひじり純子)
卑下もせず慢心もせず生きていこうか靴紐結ぶ

013:伏 (ひじり純子)
伏線に気づかなかったあの人もそうだったからわざとそうした

014:タワー (ひじり純子)
帆船の帆のひろがりをただ見てたランドマークタワーのふもとで

015:盲 (ひじり純子)
ご主人の座席の下に控えてる盲導犬の静かな瞳

016:察 (ひじり純子)
午前九時過ぎたばかりの診察を椅子いっぱいの病持つ人

017:誤解 (ひじり純子)
美しき誤解重ねて連れ添えばそれでひとつの歴史ができる

018:荷 (ひじり純子)
ポケットにひとつ残った薄荷飴想像以上の薄荷の味する

019:幅 (ひじり純子)
振幅はやがて小さくなってゆく私の中のメトロノームの

020:含 (ひじり純子)
致し方なしの気持ちをじっくりと煮含めており夕飯のため
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題詠blog2016 001~010

2016-02-03 14:41:20 | 題詠blog2016

001:地 (ひじり純子)
地の底のような真夜中眠られぬ魂ありて寝返りを打つ

002:欠 (ひじり純子)
欠けていく月のひとひら猫たちが舐めて朝には知らん振りする

003:超 (ひじり純子)
子の心見える超能力を持つ(いつもではないのがちょうど良い)

004:相当(ひじり純子)
「相当な厚かましさね」車内にて声を荒げる厚化粧して

005:移 (ひじり純子)
色移りしてしまったら仕方ない生きていくとはそういうことか

006:及 (ひじり純子)
何色の魂持てばよいのやら及第点は推し量るべし

007:厳 (ひじり純子)
ペンを取り「厳寒の候」と書き始めそこで言葉に逃げられてゆく

008:製 (ひじり純子)
鳩居堂謹製とある便箋に向かいて少し姿勢を直す

009:たまたま (ひじり純子)
よくあることたまたまミスで縁ができウェディングとはマンガのような

010:容 (ひじり純子)
許容する器を求めAmazonに検索かけるもう二月です
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