純情短歌

純子の雑記帳

題詠blog2016 061~070

2016-02-19 17:31:23 | 題詠blog2016

061:版 (ひじり純子)
ガリ版の鉄筆のあと清々しインクのかすれも趣き深し

062:歴 (ひじり純子)
雲ひとつ無い空放射冷却で寒いよ寒い着信履歴

063:律 (ひじり純子)
時々は調律をして貰わねば私の中の弦の乱れの

064:あんな (ひじり純子)
もし過去に戻れたならばどうしたかあんなこととかこんなこととか

065:均 (ひじり純子)
百均で購いし物とは言えず夫が誉める器であれば

066:瓦 (ひじり純子)
瓦斯燈に火をともす人今はなく二月は逃げる全速力で

067:挫 (ひじり純子)
思いがけず心が捻挫したようなそんな気がする望まぬランチ

068:国歌 (ひじり純子)
ゆっくりと皆立ち上がり口閉じたままの人もいて国歌斉唱

069:枕 (ひじり純子)
オリオンの囁き昴の呟きを聴いてたゆたう腕枕の舟

070:凝 (ひじり純子)
年をとり凝固していくさまざまな痛みと熱を伴ったもの

題詠blog2016 051~060

2016-02-14 09:02:10 | 題詠blog2016

051:旨 (ひじり純子)
旨かったとヒゲをくるりと撫で上げて猫はまあるくなってしまった

052:せんべい (ひじり純子)
ポケットの中にはせんべいひとつきりポケット叩くとせんべい割れる

053:波 (ひじり純子)
鴎飛ぶ彼らのルールに則って青い海には波除ブロック

054:暴 (ひじり純子)
その刹那暴風により通じ合う上りの電車下りの電車

055:心臓 (ひじり純子)
心臓の病で死んだ女の子水色だった透明だった

056:蓄 (ひじり純子)
マスターの声がするのか蓄音機日本テリヤは耳傾けぬ

057:狼 (ひじり純子)
狼の血を受けた犬と疑わずふさふさの尻尾銀色の尻尾

058:囚 (ひじり純子)
囚われているかも知れずキリンたち海の向こうをじっと見つめる

059:ケース (ひじり純子)
菜の花を両手いっぱい摘んできてハードカバーのケースに隠す

060:菊 (ひじり純子)
様々な種類の菊を等分に分けて二軒の墓に供えん

題詠blog2016 041~050

2016-02-11 13:53:51 | 題詠blog2016

041:ものさし (ひじり純子)
迷うものさし示すものそれぞれに得るものはある今日より明日

042:臨 (ひじり純子)
今までの破顔なんとか整えて臨時ニュースをおつたえします

043:麦 (ひじり純子)
黒麦酒グラスに注ぐこれからの私のことは問うてくれるな

044:欺 (ひじり純子)
約束をあなたずいぶん反故にした結婚詐欺の容疑者とする

045:フィギュア (ひじり純子)
内容は記入されない宅配便なるほど中身は美少女フィギュアか

046:才 (ひじり純子)
男同士ほほえみ交わす死期迫る八十五才と十九才は

047:軍 (ひじり純子)
右手だけ等間隔に落ちている軍手はずっと左手を待つ

048:事情 (ひじり純子)
かなたから順番に点く青信号いかなる事情があるのだとしても

049:振 (ひじり純子)
振ってみるスノードームに降る雪はキラキラ光る永遠に光る

050:凸 (ひじり純子)
凸凹のジャガイモを剥くソラニンのことをちょっぴり考えながら

題詠blog2016 031~040

2016-02-10 15:09:09 | 題詠blog2016

031:防 (ひじり純子)
円卓に次々運ばれる料理を防風林のように囲みぬ

032:村 (ひじり純子)
久しぶり誰だったっけああそうねピアノ上手な西村さんね

033:イスラム (ひじり純子)
神戸の町イスラム寺院を行き過ぎて生田神社に出会う道のり

034:召 (ひじり純子)
お召し物はお脱ぎください良いにおいのクリームもしっかり塗ってください

035:貰 (ひじり純子)
犬の仔を貰うたいへんよく肥えた背中の黒い健やかな仔

036:味噌 (ひじり純子)
アゲ豆腐シメジ大根サツマイモ味噌を溶かせばみんな味噌汁

037:飽 (ひじり純子)
飽きる日は突然に来る決してあなたが悪いのでない

038:宇 (ひじり純子)
幾回もぬばたまの夜繰り返し宇宙の果てに星座のできる

039:迎 (ひじり純子)
welcomeは歓迎の意味welcomeboadはただの装飾

040:咳 (ひじり純子)
いつまでも素直であればそれもまた家のどこかで子が咳をする

題詠blog2016 021~030

2016-02-09 16:19:32 | 題詠blog2016

021:ハート(ひじり純子)
好きなのは不二家のハートチョコレート大正生まれの父は言いき

022:御 (ひじり純子)
崩御という大見出し見た驚きは昭和最後の日のことでした

023:肘 (ひじり純子)
肘までの手の洗い方が書いてある洗面所には緑の液だれ

024:田舎(ひじり純子)
三代の前より地元に住みし我田舎へ帰る楽しみは無し

025:膨 (ひじり純子)
少しずつつぼみ膨らむ樹の枝の中で作られゆく桜色

026:向 (ひじり純子)
必ずしも同じ方向見ていない項垂れてるのもあって向日葵

027:どうして (ひじり純子)
どうしても諦められぬ恋ひとつ赤いリボンで結んで捨てる

028:脈 (ひじり純子)
葉脈は薄し二月の陽光にすかしてみれば血の流れたる

029:公 (ひじり純子)
所々余白のありて静かなる公民館の部屋の割り当て

030:失恋 (ひじり純子)
クリーミーチーズをパンに厚く塗り今日の日記に失恋と書く

題詠blog2016 011~020

2016-02-05 16:24:24 | 題詠blog2016

011:平 (ひじり純子)
鬼平を真似て蕎麦屋で酒を呑む未だ叶わず還暦を過ぐ

012:卑 (ひじり純子)
卑下もせず慢心もせず生きていこうか靴紐結ぶ

013:伏 (ひじり純子)
伏線に気づかなかったあの人もそうだったからわざとそうした

014:タワー (ひじり純子)
帆船の帆のひろがりをただ見てたランドマークタワーのふもとで

015:盲 (ひじり純子)
ご主人の座席の下に控えてる盲導犬の静かな瞳

016:察 (ひじり純子)
午前九時過ぎたばかりの診察を椅子いっぱいの病持つ人

017:誤解 (ひじり純子)
美しき誤解重ねて連れ添えばそれでひとつの歴史ができる

018:荷 (ひじり純子)
ポケットにひとつ残った薄荷飴想像以上の薄荷の味する

019:幅 (ひじり純子)
振幅はやがて小さくなってゆく私の中のメトロノームの

020:含 (ひじり純子)
致し方なしの気持ちをじっくりと煮含めており夕飯のため

題詠blog2016 001~010

2016-02-03 14:41:20 | 題詠blog2016

001:地 (ひじり純子)
地の底のような真夜中眠られぬ魂ありて寝返りを打つ

002:欠 (ひじり純子)
欠けていく月のひとひら猫たちが舐めて朝には知らん振りする

003:超 (ひじり純子)
子の心見える超能力を持つ(いつもではないのがちょうど良い)

004:相当(ひじり純子)
「相当な厚かましさね」車内にて声を荒げる厚化粧して

005:移 (ひじり純子)
色移りしてしまったら仕方ない生きていくとはそういうことか

006:及 (ひじり純子)
何色の魂持てばよいのやら及第点は推し量るべし

007:厳 (ひじり純子)
ペンを取り「厳寒の候」と書き始めそこで言葉に逃げられてゆく

008:製 (ひじり純子)
鳩居堂謹製とある便箋に向かいて少し姿勢を直す

009:たまたま (ひじり純子)
よくあることたまたまミスで縁ができウェディングとはマンガのような

010:容 (ひじり純子)
許容する器を求めAmazonに検索かけるもう二月です

完走報告(ひじり純子)

2015-02-20 16:03:21 | 題詠blog2015
勢いついて、2月中に走り抜けました。

楽しかったです。
ありがとうございました。

100:願(ひじり純子)

2015-02-20 16:00:42 | 題詠blog2015
満天の星に願いを掛けること何十年も忘れておった

099:聴(ひじり純子)

2015-02-20 15:58:31 | 題詠blog2015
夕暮れの視聴覚室ポツポツと小さな壁の穴も暮れ行く

098:独(ひじり純子)

2015-02-20 15:56:46 | 題詠blog2015
独特な味ってあなたユニークって好きな人にはたまらない味

097:騙(ひじり純子)

2015-02-20 15:54:25 | 題詠blog2015
目を閉じて帆の先を持つ騙し舟舳先に変わるまでの長旅

096:賢(ひじり純子)

2015-02-20 15:52:30 | 題詠blog2015
賢明なお考えです誰だって自分が可愛いそういうことです

095:申(ひじり純子)

2015-02-20 15:50:26 | 題詠blog2015
税務署の建物囲む自動車の列はいらだつ確定申告

094:腹(ひじり純子)

2015-02-20 15:48:27 | 題詠blog2015
腹の立つ夢を見たのでしばらくは夫と口をききたくはない