司法改革 & 法曹増員

留学中の弁護士です。ニュースやブログなどを読んでの雑感を記しておきます。

日本の法律事務所の規模拡大?

2009-01-06 00:44:21 | Weblog

http://globe.asahi.com/article/side/081117/04.html

「とにかく日本国内で弁護士の仕事はものすごく増えている。仕事の増え方に比べたら、まだまだ弁護士は足りない。」は、「日本法の企業法務の弁護士」の現状とは違うと思います。お立場ゆえそう言わざるを得ないという部分が入り混じっているのではないでしょうか。

ここしばらくの日本の大手法律事務所の拡大は金融法務を中心としてきました。リートや証券化・流動化などの不動産をメインに取り扱ってきた弁護士、ほんの2年くらい前までどこの事務所でも不夜城の部門として知られていた人たちの仕事量はいま激減していると思います・・・M&Aも日本の案件数推移をみれば今後の拡大を導くものではなさそうです。

「景気が悪くなればまたそれで仕事が増えるはずだ。」というのはそのとおりだと思いますが、これは日本でも大昔からそうでして、ここ数年、冬の時代をすごした倒産弁護士がようやくまた春を迎えるというだけのことのように思います。大手法律事務所が金融・不動産で失ったパイを倒産で回復できるとは思えません。そもそも、大手法律事務所の拡大は大手企業・金融機関・外資系企業・買収ファンド等のリーガルフィーが増えるかどうかに全面的に依存しているので、日本の大手法律事務所の弁護士であれば本音では拡大の時代、ある種のバブルの時代は終わったと思っている人が多いのではないでしょうか。


3000人時代の質の低下に対処する方法

2009-01-06 00:17:06 | Weblog
豪州や英国の場合、弁護士登録後すぐに法律事務所を開業することはできず、開業には法律事務所での勤務経験とその所属事務所の推薦状、法曹機関の実施する研修プログラム終了などの用件を満たす必要があるそうです。(Lawyer's Magazine創刊1周年号16頁Kanako Yano豪州弁護士のご発言より)

日本で3000人時代が質の低下をもたらすというのであれば、その解決策は直ちに人数を減らすということだけではなくて、他にも方法もあるのではないでしょうか?私は決して「3000人」に積極的に賛成する者ではないのですが、質の低下を防ぐために人数制限が必要だという弁護士会の論調ですと、社会の理解を得るのは難しいように思います…