*** june typhoon tokyo ***

横浜FC vs FC東京【J1リーグ】


 ブラジリアントリオの連係で得た1点を死守し、約1ヵ月ぶりにリーグで勝利。

31分 アダイウトンのゴール

 5月22日の第15節G大阪戦で勝利して以来、リーグでは2戦して未勝利、その間に行なわれたルヴァンカップ・プレーオフステージは2ndレグで湘南に快勝したものの、1stレグでは零封負け。加えて、天皇杯2回戦では順天堂大学に延長の末敗れるなど、公式戦1勝1分3敗と苦しんでいるFC東京。一方、5月15日の第14節で湘南に勝利し、ようやく今季リーグ初勝利したものの、その後公式戦6試合で1分5敗。直前の天皇杯2回戦ではJ3の八戸に敗れ、中2日でホームゲームを迎える横浜FC。勝ち点3という“結果”を強く欲している両者の一戦は、FC東京がアダイウトンのゴールによる虎の子の1点を守り切り、リーグ戦で約1ヵ月ぶりの勝利を挙げた。

 雨が降り風も吹くというコンディションではあったとはいえ、序盤のFC東京はなかなか足元に上手く収まらず、パスもズレるなど、中盤でのボールロストが散見。また、左サイドの高木や武田から前線のクレーベやジャーメインへと展開する横浜FCの攻撃にややもたつき、バタバタとする場面も。
 19分にクレーベの落としを受けた松浦からのパスをジャーメインがシュートするも、GK・波多野が弾く。28分には左サイドからの武田のクロスにゴール前でGK波多野に競り勝ったクレーベが押し込もうとするも、ゴール前に身体を投げ出してカヴァーした森重が右ポストにボールを当てながらもクリアと、横浜FCの決定機が続く。

 FC東京は横浜FCのパスワークに守備ブロックを作って対応してはいるが、攻め上がりの際に不用意なボールロストが見られるなど、主導権を引き寄せそうでなかなか引き寄せき切れない一進一退の状況から抜け出せない。
 それでも、31分、クレーベのミドルシュートをブロックしてマイボールにしたFC東京は、自陣左サイドからアダイウトン、レアンドロとボールが渡ると、ドリブルで持ち上がったレアンドロがペナルティエリア左へスルーパス。これに反応したディエゴ・オリヴェイラがダイアゴナルにエリア内へ侵入、走り込んできたアダイウトンへラストパスを出すと、アダイウトンは爪先でGK六反の股を抜くシュートを決めて、FC東京が先制に成功する。

 先制後に主導権を握ったFC東京だが、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンのブラジリアントリオを中心に横浜FCゴールへの迫り、得点機を作っていったものの、横浜FCのディフェンス陣を中心とした必死の守りを崩しきれないまま、前半が終了。

 後半開始早々、FC東京は、自陣での対応や攻め上がり時のボールロストなどが散見された中村拓海を代表帰りの小川にスイッチ。通常の左SBではなく、右SBで起用し、アダイウトンとの連係など攻守において調子の良さを見せている先発のバングーナガンデをそのまま左SBに残すという選択。横浜FCは田代に代えて袴田をピッチに送る。
 後半序盤からFC東京が攻勢を続け、51分には左サイド奥からディエゴ・オリヴェイラの浮き球にフリーの青木が頭で合わせるも、僅かに枠の上で追加点ならず。

 決定機を逃すと、今度は横浜FCにチャンス。東が後ろ向きで受けるボールを狙っていた武田がインターセプトに成功すると、そのままドリブルでFC東京陣内へ進入。エリア左から左脚を振り抜くと、GK波多野が伸ばす手をすり抜けてゴール右のポストに跳ね返る。そのボールをジャーメインがシュートを放つと、東がエリア内で身体を投げ出してクリア。一旦は東のハンドでPKという判定が下されるも、VARの結果、手には当たらず、足にボールが当たっていることが確認されたため、CKに。
 
 その後、横浜FCは立て続けに4度もCKのチャンスを得たが、活かせず。一方、守備に時間を割かれ、前への推進力が停滞していたFC東京は、アダイウトンを永井に、東を田川に代えて、攻めに傾いて最終ラインが高めの横浜FCの背後のスペースへ走らせて得点を奪いにいく。それでも、しばらくは横浜FCの時間帯が続き、フリーとなった瀬古がコントロールシュートを放つも、GK波多野の好セーヴでネットを揺らせないまま。
 86分に横浜FCは松浦に代えて、セットプレーの切り札の中村俊輔を投入。90分にはジャーメインを渡邉へスイッチし、攻勢を強めていく。FC東京も88分にディエゴ・オリヴェイラを下げて高萩をピッチに送り、永井と田川の両俊足によるカウンターで試合を決めに行く。

 先に決定機を迎えたのは横浜FC。90分に中村俊輔の右CKをフリーとなった渡邉が頭で合わせるも、枠左に外してしまう。命拾いをしたFC東京は、91分に自陣から安部が永井へ繋ぎ、永井が横浜FC陣内左コーナーへ持ち込む流れから安部柊斗、レアンドロ、安部柊斗と繋いで、横浜FCのディフェンスをかわした田川がGK六反と1対1となり、左脚を振り抜くもミスキック。93分にも横浜FC陣内左サイドでの浮き球でのボール争いから高萩、レアンドロ、安部柊斗、田川、レアンドロとパスを繋ぎ、レアンドロがペナルティアーク付近でヒールパス。駆け込んだ田川が抜け出してGK六反と1対1となるも、ややファーストタッチが流れてGK六反に阻まれ、得点機を逃してしまう。
 ただ、横浜FCに最後まで僅かな差を詰め寄らせず、FC東京が3試合ぶりに勝ち点3をゲットした。

 現在リーグ1勝、勝ち点7の最下位と低迷する横浜FCを相手に、得点も内容も僅差の勝利という意味では、本来なら諸手を挙げて喜ぶことは出来ないだろうが、FC東京の現状を考えれば、まずは結果“勝ち点3”を積み上げたということを良しとしないといけないだろう。ただ、ブラジル勢の連係、特にレアンドロの復調で試合を優勢に運べる部分も増えてきた。青木と安部柊斗の中盤のコンビも、この試合の前半は安部柊斗のパスミスやボールロストなども散見されたが、広く動き回ることで、リズムを掴めていた。
 かたや、横浜FCは無得点だったものの、攻撃の形をある程度形作れた部分も見受けられたのは、向上の兆しといっていい。決定機を確実に仕留めていれば、結果は逆になっていた可能性もあった。

 FC東京の懸念としては、東は前でボールを捌き、エリア内のクロスに内へ走り込んでくるなど攻撃時のパフォーマンスには良化が窺えたが、ゴールに背を向けてボールを奪われて横浜FCの得点のチャンスの端緒を作ってしまうなど、攻守における精度の差を縮める必要がある。中村拓海は守備というよりも、サイドの高い位置でボールを受けながらも判断に逡巡してボールロストしてしまうなど、いま一つ自信が持てないのか、軽いプレーが露見。このところSBで出場しながらも前半で交代させられることも少なくない状況は打破しなければならない。渡辺剛は警告を受けて、次節の徳島戦に出場不可となった。ようやく崩壊していたディフェンスも整い始めつつあるところで、守備の中心軸に不安要素が見られると、立て直しへ積み重ねていたものも、再び元の状態に陥りかねない。

 降格圏の17位柏までは勝ち点11とやや広がったが、それでも次節ミッドウィークの徳島、その週末のホームでの大分戦を終えると、8月28日の神戸戦までアウェイ7連戦というタフな日程が待ち構える。夏の暑い時期でもあり、思うように試合を運べないことも考えると、下位との対戦での取りこぼしは避けなければならない。その意味でもアウェイだが次節の徳島戦、その次のホーム大分戦、さらに7月11日の湘南戦は3連勝して停滞ムードを完全に払拭したいところだ。

◇◇◇

【明治安田生命J1リーグ 第18節】
2021年6月19日(土)18:01試合開始 ニッパツ三ツ沢球技場
入場者数 3,537人
天候 曇のち雨 / 気温 20.5℃ / 湿度 87%
主審 西村雄一 / 副審 平間 亮、木川田博信
第4の審判員 大坪博和
VAR 福島孝一郎 / AVAR 西尾英朗

 横浜FC 0(0-1 / 0-0)1 FC東京

得点:
(横)
(東)アダイウトン(31分)


【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 13 波多野豪
DF 22 中村拓海  → 小川諒也(46分*)
DF 04 渡辺 剛
DF 03 森重真人
DF 49 バングーナガンデ佳史扶 → 岡崎 慎(84分)
MF 10 東 慶悟  → 田川亨介(71分)
MF 21 青木拓矢
MF 31 安部柊斗
FW 15 アダイウトン → 永井謙佑(71分)
FW 20 レアンドロ
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ → 高萩洋次郎(88分)

≪サブスティテューション≫
GK 41 野澤大志ブランドン
DF 29 岡崎 慎
DF 06 小川諒也
MF 07 三田啓貴
MF 08 高萩洋次郎
FW 11 永井謙佑
FW 27 田川亨介

≪監督≫
長谷川健太

 




◇◇◇

【2021 明治安田生命J1リーグ FC東京 試合日程】
第01節 02月27日(土)14:00 △FC東京 1-1 浦 和(A・埼 玉)
第02節 03月06日(土)14:00 〇FC東京 3-2 C大阪(H・味スタ)
第03節 03月10日(水)19:00 ✕FC東京 2-3 神 戸(H・味スタ)
第04節 03月14日(日)15:00 △FC東京 1-1 大 分(A・昭和電ド)
第05節 03月17日(水)19:00 〇FC東京 3-2 湘 南(H・味スタ)
第06節 03月21日(日)13:00 〇FC東京 2-1 仙 台(H・味スタ)
第07節 04月03日(土)14:00 △FC東京 0-0 名古屋(A・豊田ス)
第08節 04月07日(水)19:00 〇FC東京 2-1 札 幌(H・味スタ)
第09節 04月11日(日)14:00 ✕FC東京 2-4 川 崎(H・味スタ)
第10節 04月17日(土)14:00 ✕FC東京 0-1 福 岡(A・ベススタ)
第11節 04月24日(土)14:00 ✕FC東京 1-2 鳥 栖(H・味スタ)
第12節 05月01日(土)14:00 ✕FC東京 0-3 横浜FM(H・味スタ)
第13節 05月09日(日)14:00 ✕FC東京 0-3 鹿 島(A・カシマ)
第14節 05月15日(土)16:00 〇FC東京 4-0  柏 (A・三協F柏)
第15節 05月22日(土)19:00 〇FC東京 1-0 G大阪(H・味スタ)
第16節 05月26日(水)19:00 ✕FC東京 0-3 清 水(A・アイスタ)
第17節 05月30日(日)14:00 △FC東京 0-0 広 島(H・味スタ)
第18節 06月19日(土)18:00 〇FC東京 1-0 横浜FC(A・ニッパツ)

第19節 06月23日(水)19:00 FC東京 vs 徳 島(A・鳴門大塚)
第20節 06月27日(日)19:00 FC東京 vs 大 分(H・味スタ)
第22節 07月11日(日)19:00 FC東京 vs 湘 南(A・レモンS)
第21節 07月21日(水)19:00 FC東京 vs C大阪(A・ヨドコウ)
第23節 08月09日(月)19:00 FC東京 vs 鳥 栖(A・駅スタ)

第24節 08月14日(土)14:00 FC東京 vs 札 幌(A・札幌ド)
第25節 08月21日(土)19:00 FC東京 vs G大阪(A・パナスタ)
第26節 08月25日(水)19:00 FC東京 vs 仙 台(A・ユアスタ)
第27節 08月28日(土)19:00 FC東京 vs 神 戸(A・ノエスタ)
第28節 09月11(土)・12(日) FC東京 vs  柏 (H・味スタ)
第29節 09月18(土)・19(日)・20(月) FC東京 vs 横浜FC(H・味スタ)
第30節 09月25(土)・26(日) FC東京 vs 浦 和(H・味スタ)
第31節 10月02(土)・03(日) FC東京 vs 川 崎(A・等々力)
第32節 10月16(土)・17(日) FC東京 vs 名古屋(H・味スタ)
第33節 10月23(土)・24(日) FC東京 vs 鹿 島(H・味スタ)
第34節 11月03日(水)     FC東京 vs 清 水(H・味スタ)
第35節 11月06(土)・07(日) FC東京 vs 横浜FM(A・日産ス)
第36節 11月20日(土)    FC東京 vs 徳 島(H・味スタ)
第37節 11月27日(土)    FC東京 vs 広 島(A・Eスタ)
第38節 12月04日(土)    FC東京 vs 福 岡(H・味スタ)
※第28節~第38節の日程詳細は、8月中旬に発表予定

◇◇◇


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