リーグ戦3連敗、公式戦5連敗、2試合連続4失点以上。「AJINOMOTO Day」ということでホーム・味の素スタジアムへ多くの動員もかけたと思われるが、3万6千超の観客を前にしてFC東京は不甲斐ないパフォーマンスに終始。確かに、ピリピリとした空気のなかで余裕がなかったのか、前半11分に小川のディフェンスブロックの甘さを松田に突かれ、GK林との連係ミスとなった形で失点し、落胆する気持ちも出るだろう。ただ、試合はそれで終わりではないはずだ。前半終盤に柿谷に決められて2点のビハインドも効いただろう。だが、ピーター・ウタカを投入し、71分に1点を返した時には、追いつけるムードはあった。C大阪は柿谷やソウザのテクニック、山村の気の利いたプレーなど随所に高いパフォーマンスを見せていたが、チームとして完成度が高かったかというと、それほど圧倒的ではなかった。圧倒的に見えたとすれば、それはFC東京のパフォーマンスがあまりにも低すぎるからだ。
FC東京は追いつけるムードでありながら、やはり毎度のようにビハインドにも関わらず攻めのスピードが上がらない。パスをゆっくりと回し、サイドへ送る。サイドへ送るといっても、そこから縦に突破する訳でもなく、ハーフウェーまでGKを除くほとんどが相手陣内へ入りながらも、最終ラインへ戻してまたサイドへ回すの繰り返し。C大阪はそれを充分に予測していて、下手に飛び込まずに中を固めていれば脅威ではないとばかりの余裕の守備陣形。シュートやチャレンジする意識以上に、ミスを冒せないという負けるべくして敗者となるメンタリティが支配しているからか、誰もが人任せでボールを“譲る”ばかりだ。
パターンも同じで縦に攻めてスピーディな攻撃が可能にも関わらず、縦へのスピードを落としてサイドへ。途中から小川に代わって太田が入ったが、太田は前方からのプレッシャーがない場面では精度の高いクロスを上げるのかもしれないが、そのスペースが保たれなかったり自分で作れないとすぐに後ろへ戻す。それでもFC東京は攻撃パターンとしてサイドからのクロスという選択肢に固執しているのか、それが攻撃のラストピースだと思っているのか、後ろへ戻しながら太田へボールを渡すことが必須条件とばかりに、太田へボールを渡そうとするため、時間ばかりが過ぎていく。その太田が縦に勝負せず、安易に後方へパスしたところをC大阪に狙われて攻守が一転すると、流れがガラッと変わり、吉本のPK献上。追い上げムードをシャットアウトした3点目を奪われて、FC東京の選手たちの戦う気力は完全に絶えてしまった。
考えてみれば当然だが、相手選手のプレッシャーよりも遅く緩いスピードのパスをなぜ危険だと思わず続けるのか、相手が寄せていないフリーな場面でなく寄せられるまで球離れをせずにボールを奪われる、ミスパスに繋がることを理解しないのは何故なのか。挙げていったらキリがないが、攻守全てにおいて実戦を想定したプレーや選手間の約束事が決められてなく、練習のための練習となっているからか、自分たちがやれるシチュエーションでしかパフォーマンスを発揮出来ないのが実情だ。
結果については勝負事ゆえ一進一退もある。結果を出さなければならない状況を突き付けられているが、それで試合に負けても勝負した姿があれば納得出来る。だが、FC東京にはその姿が皆無だ。闘えない集団を誰が応援するのか。綺麗でファンタスティックなパフォーマンスが見せられたらそれに越したことはないが、今ファン、サポーターが欲しているのは、全力で相手に立ち向かい粉骨砕身するくらいのプレーを見せることだ。それを理解していてプレーした試合なのかどうか。結果以前にプロフェッショナルとしての姿勢を問われていることに気づかなければいけない。
チームは高萩が戻ってきたらある程度持ち直すとでも思っていたのだろうか。確かに高萩はボールを散らすことの出来るFC東京では数少ない選手の一人だが、リスクを負ったプレーもするため、成功したプレー以上にミスが出る。それは致し方のないところだが、そのミスの頻度も最近では多い。そこを踏まえて周囲がどれだけ連係出来るかがカギなのだが、橋本は相変わらず中途半端な位置取りで相手へのプレッシャーのタイミングが遅く、プレスを掛けに行くとボールを動かされるという悪循環。特に他の選手の1対1の状況でサポートに行こうとするも、そのタイミングが遅いから、サポートに入った時に交わされると、FC東京の選手が2枚剥がされることになり、一気にピンチとなる状況を生むばかりだ。
また、徳永、吉本をはじめとするDF陣、途中投入ながらも帰陣も遅く精彩に欠く太田はこのままの状態なら不要。若手に経験を踏ませた方が数段マシだ。東も自分のポジションと合わないのか、消えるばかりだ。
そもそもそれらのパフォーマンスの質を予測出来ないベンチに大きな問題がある。川崎戦で通用しなかったアンカーシステムに拘り続ける意味とは何か。梶山が高萩に代わっただけで一変すると考えていたのなら、それはあまりにもお粗末過ぎる。小川は懲罰的な意味なのか、試合途中で太田に交代したが、もちろん失点の場面はいただけないが、そこで責任を持って最後までプレーさせないと、今後の試合では萎縮していっそう消極的なプレーへ陥ってしまう。トップでの試合経験が浅く若い小川や柳などにはミスを恐れずどんどん勝負させる、そのためのサポートをヴェテランやチームがするというのが本来の連係なのではないか。今はミスした者が戦犯になるムードに覆われて、ミスをしないようにするために、他へその責任をかぶせているプレーばかりにしか見えない。闘う以前にチーム全体が逃げていることと同義だ。
このままこの状態が続けば、残留争いにも巻き込まれる。ブランドやらプライドやら見栄はもう結構。死に物狂いでひたむきに立ち向かう闘う気持ちを見せて欲しい。
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【明治安田生命J1リーグ戦 第25節】
2017年09月09日(土)19:03 試合開始 味の素スタジアム
入場者数 36,635人
天候 晴 ／ 気温 25.1℃ ／ 湿度 77％
主審 村上伸次 ／ 副審 中野卓、武田光晴 ／ ４審 蒲澤淳一
FC東京 1（0-2 / 1-2）4 Ｃ大阪
≪得点≫
（東）： ピーター・ウタカ（71分）
（Ｃ）： 松田陸（11分）、柿谷曜一朗（44分）、杉本健勇（79分、PK）、杉本健勇（85分）
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【FC東京 メンバー】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 22 徳永悠平
DF 04 吉本一謙
DF 05 丸山祐市
MF 08 高萩洋次郎
MF 26 柳 貴博
MF 37 橋本拳人
MF 38 東 慶悟 → ピーター・ウタカ（56分）
MF 25 小川諒也 → 太田宏介（56分）
FW 13 大久保嘉人
FW 15 永井謙佑 → 前田遼一（82分）
≪サブスティテューション≫
GK 01 大久保択生
DF 06 太田宏介
MF 10 梶山陽平
MF 21 ユ・インス
MF 07 米本拓司
FW 20 前田遼一
FW 09 ピーター・ウタカ
≪監督≫
篠田善之
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【2017明治安田生命J1リーグ FC東京 日程】
第01節 02/25(土)14:00〇FC東京 1-0 鹿 島（A・カシマ）
第02節 03/04(土)15:00〇FC東京 2-0 大 宮（H・味スタ）
第03節 03/11(土)19:00✕FC東京 0-3 Ｇ大阪（A・吹田Ｓ）
第04節 03/18(土)19:00〇FC東京 3-0 川 崎（H・味スタ）
第05節 04/01(土)16:00△FC東京 3-3 鳥 栖（H・味スタ）
第06節 04/08(土)19:00✕FC東京 1-2 札 幌（A・札幌ド）
第07節 04/16(日)14:00✕FC東京 0-1 浦 和（H・味スタ）
第08節 04/22(土)16:00〇FC東京 3-0 新 潟（A・デンカＳ）
第09節 04/30(日)15:00〇FC東京 1-0 広 島（H・味スタ）
第10節 05/07(日)14:00〇FC東京 2-0 仙 台（A・ユアスタ）
第11節 05/14(日)15:00✕FC東京 1-2 柏 （H・味スタ）
第12節 05/20(土)19:00△FC東京 1-1 神 戸（A・ノエスタ）
第13節 05/28(日)16:00△FC東京 1-1 甲 府（H・味スタ）
第14節 06/04(日)13:00〇FC東京 2-0 清 水（A・アイスタ）
第15節 06/18(日)18:00✕FC東京 0-1 横浜FM（H・味スタ）
第16節 06/25(日)18:00✕FC東京 0-2 磐 田（A・ヤマハ）
第17節 07/02(日)19:00✕FC東京 1-3 Ｃ大阪（A・金鳥スタ）
第18節 07/08(土)19:00△FC東京 2-2 鹿 島（H・味スタ）
第19節 07/30(日)19:00△FC東京 1-1 新 潟（H・味スタ）
第20節 08/05(土)19:00△FC東京 1-1 川 崎（A・等々力）
第21節 08/09(水)19:00〇FC東京 2-1 大 宮（A・NACK５）
第22節 08/13(日)19:00〇FC東京 1-0 神 戸（H・味スタ）
第23節 08/19(土)19:00✕FC東京 1-2 浦 和（A・埼 玉）
第24節 08/26(土)19:00✕FC東京 0-1 横浜FM（A・日産ス）
第25節 09/09(土)19:00✕FC東京 1-4 Ｃ大阪（H・味スタ）
第26節 09/16(土)19:00 FC東京 vs 仙 台（H・味スタ）
第27節 09/23(土)16:00 FC東京 vs 柏 （A・ 柏 ）
第28節 09/30(土)16:00 FC東京 vs 磐 田（H・味スタ）
第29節 10/15(日)14:00 FC東京 vs 甲 府（A・中銀スタ）
第30節 10/21(土)16:00 FC東京 vs 札 幌（H・味スタ）
第31節 10/29(日)17:00 FC東京 vs 清 水（H・味スタ）
第32節 11/18(土)14:00 FC東京 vs 鳥 栖（A・ベアスタ）
第33節 11/26(日)13:00 FC東京 vs 広 島（A・Ｅスタ）
第34節 12/02(土)14:00 FC東京 vs Ｇ大阪（H・味スタ）
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