前節の広島戦には勝利したものの、エジミウソンが故障。中村も怪我。さらには石川が偏頭痛でベンチ外と、怪我人や万全な体調でない選手が多く、頭を悩ませる。ただ、羽生が5月以来ベンチ入りという明るい話題も。羽生の存在はチームに劇的な効果をもたらすので、今後も期待したい。
前回の対戦では不甲斐ない敗戦で終えたが、ホームではそのリヴェンジを果たせるか……が問われていたが、結果は見事に勝点3を挙げての勝利となった。序盤は横浜に押し込まれる場面も少なくなかったが、しっかりと対応。攻め込まれるも最後を崩させなかったのは、米本の頑張りが大きかったか。
先制点は意外なところから。バックパスを受けた横浜FMのGKが中澤へパスすると、これを受けた中澤にルーカスがプレッシャーをかけてボールを奪取。GKと1対1になりシュートを放つも一旦は弾かれてしまったが、このこぼれ球をものにしようとルーカスが倒れながらも足元で粘ると、ここへ田邉が反応してシュート。横浜にややペースを握られていたなかでの、ラッキーな先制点を奪った。
得点の勢いのまま、その7分後、右エリアから徳永がゴール前へグラウンダーのパス、これにルーカスがダイレクトで合わせて追加点を奪った。2対0という理想的な形で前半を終えた。
リードして迎えた後半だが、やはり中村俊輔を投入した横浜がペースを握った。東京もカウンター気味に何度か攻撃をしかけるが、横浜のペースを変えるまでには到らず。それまで、エリア内への侵入も最後に何とか食い止めてきた東京だったが、後半も中盤の66分、兵藤からの裏へのパスを受けたドゥトラがゴール前へ折り返したところに、再び兵藤が走り込みダイレクトの綺麗なシュートを決められ失点。その直前まで、自陣で相手の攻撃を食い止めボールを奪うも、相手との距離がないにも関わらず、近い距離へのパスを選ぼうとしている間にプレッシャーをかけられ、苦し紛れのクリア。それが横浜へ渡り、再度攻撃を受ける……という悪循環が続いていたので、嫌な予感がしたが、その通りの結果となってしまった。
2-0というスコアはやはり難しいのかと思い始めたところで、東京は流れを変えるべく田邉と梶山に代えて、羽生と渡邉をピッチへ送る。すると、カウンターからの渡邉がドリブルで持ち込んでいく。ペナルティエリア直前でファールを受けFKを獲得すると、そのFKをルーカスが鮮やかにゴール右寄りへ突き刺して、3点目。再度2点差となったルーカスのこの日2点目のゴール。これが大きかった。
その後、ルーカスに代わって投入されたヴチチェヴィッチと渡邉が積極的に仕掛けて、ゴールチャンスを呼び込む。得点には到らなかったが、相手への攻撃的なプレッシャーをかけることに成功、そのままタイムアップとなり、広島戦に続く連勝となった。
カウンターが奏功しての得点が多かったことで、横浜側からみれば、相手のパスサッカーは封じていたというように捉えられるかもしれない。確かに、主導権を握った時間帯は横浜の方がやや多くあったかもしれない。だが、大切なのはゴールを奪うということ。その時々に出来る範囲のなかで、どう守りどのように攻撃へ繋げるか、シュートの機会を生み出して決定的な仕事をするか。そういう意味では、相手のつまらないミスからではあったが、チャンスを的確にものにする集中力や積極性が勝利を生んだ一つの要因だったと思う。是非、その意識は続けてもらいたい。
あと、失点の場面。最終ラインからでもパスで繋いでいくスタイルを貫こうとするのは解かる。ただ、それも臨機応変。悪い流れを切りたい時や判断に時間がない時はセイフティ・ファースト。思い切ってクリアするということも考えてもらいたい。相手に詰められ、もたついて危なっかしいパスを出して結局危険な位置でボールを与えてしまうのならば、遠くへ蹴り出してその間にマークを確認するなり、外へ蹴り出してその間に陣形を整えたりして対処する方が得策かと。
そのあたりの徹底が90分間続けられたら、少なくとも苦しくとも負けないチームにはなっていくはずだ。選手のやり繰りは以前厳しいが、若手や普段ベンチへの当落線上の選手たちにとっては、またとないチャンス。活性によって、いいムードを作り上げていってもらいたい。
◇◇◇
<J1 第24節>
2012/09/01 味の素スタジアム
FC東京 3(2-0、1-1)1 横浜FM
【得点】
(東):田邉(35分)、ルーカス(42分)、ルーカス(71分)
(横):兵藤(66分)
観衆:26,950人
天候:曇、無風
気温:25.0度
≪MEMBER≫
GK 20 権田修一
DF 05 加賀健一
DF 04 高橋秀人
DF 03 森重真人
MF 02 徳永悠平
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 07 米本拓司
MF 33 椋原健太
FW 10 梶山陽平 → FW 11 渡邉千真(69分)
FW 27 田邉草民 → MF 22 羽生直剛(69分)
FW 49 ルーカス → MF 32 ネマニャ・ヴチチェヴィッチ(80分)
GK 01 塩田仁史
DF 16 丸山祐市
MF 37 橋本拳人
FW 23 林容平
監督 ランコ・ポポヴィッチ
◇◇◇
≪後半戦≫
07/14 ×FC東京 0-1 鳥栖(A)
07/28 ×FC東京 0-2 新潟(H)
08/04 △FC東京 2-2 浦和(A)
08/11 △FC東京 1-1 柏 (A)
08/18 ×FC東京 0-1 大宮(H)
08/25 ○FC東京 1-0 広島(A)
09/01 ○FC東京 3-1 横浜FM(H)
≪今後の日程≫
09/15 FC東京×清水(A)
09/22 FC東京×川崎(H)
09/29 FC東京×磐田(H)
10/06 FC東京×鹿島(A)
10/20 FC東京×C大阪(A)
10/27 FC東京×札幌(H)
11/07 FC東京×名古屋(A)
11/17 FC東京×神戸(H)
11/24 FC東京×G大阪(A)
12/01 FC東京×仙台(H)
◇◇◇
“ユルネヴァ”中。
マリノス側ゴール裏。
選手整列。
マリノス側も活気付いていたが……。
田邉草民ゴール!
ゴール直後に沸くスタジアム。
味スタの芝はなかなか回復していた。
ルーカスゴール!
ルカルカルカ……ルーカスゴール!
東京が3-1で勝利。
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