今夏に国立競技場が改修されるということで、改修前最後の国立競技場での天皇杯・決勝が元日に行なわれた。ホーム側には第72回大会以来21年ぶりの優勝を目指す横浜F・マリノス、アウェイ側にはJリーグ連覇に続いて今季二冠を狙うサンフレッチェ広島。Jリーグ最終節で優勝を逃し涙を呑んだ横浜と逆転でJリーグ2連覇を達成した広島。奇しくも、今季Jリーグの1位と2位が対戦する組み合わせとなった。
【横浜F・マリノス】
2回戦 ○5-1 ヴァンラーレ八戸(青森)
3回戦 ○3-1 栃木SC(J2)
4回戦 ○2-1EX AC長野パルセイロ(長野)
準々決勝 ○2-1EX 大分トリニータ(J1)
準決勝 ○2-0 サガン鳥栖(J1)
【サンフレッチェ広島】
2回戦 ○1-0 福岡大学(福岡)
3回戦 ○2-0 ロアッソ熊本(J2)
4回戦 ○3-1 鹿島アントラーズ(J1)
準々決勝 ○1-1PK(3-2) ヴァンフォーレ甲府(J2)
準決勝 ○0-0PK(5-4) FC東京(J1)
試合は、横浜の貫録勝ちといった感じ。多くの時間で主導権を握った横浜が、前半17分に齋藤がゴールを決めて先制。続く21分には、一度広島GK西川がシュートを弾くも、それにいち早く反応した中澤がヘディングで押し込み追加点。広島は得意のミキッチ側からのサイド攻撃も活きず、攻めあぐねたまま時間を使われていった。中村俊輔へのプレッシャーもそれほどタイトなものではなく、スペースを与えてしまったこともボールと時間を支配出来なかった要因の一つだったかもしれない。
仮にFC東京が決勝へ行っていたら……、中村俊輔へのマークをタイトに、1トップの端戸と齋藤学の動き出しを抑えながら、失点をしない戦術で後半勝負といったところになろうか。ただ、今季の横浜は、平均年齢が高いチームではあるが、思ったほど運動量が落ちない。落ちないというよりも、ところどころでの力の出し入れが巧みなんだろう。中村俊輔を中心に攻撃も守備も緩急をつけているから、運動量も持続する。そのあたりの老獪さが、今季の横浜の躍進を生んだのだろう。東京はルーカスという大黒柱を失っていたところを最後までケア出来ずにいたから、国立に強い平山や、石川、ヴチチェヴィッチらが投入されるであろう後半まではイーブンで、その後集中力と体力が落ちる終盤に決定機を数多く作り、そこできっちりと決められるか……が勝負のポイントになるような気がする。まあ、あくまで仮の話だが。
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≪天皇杯 決勝≫
【日時】2014/01/01 14:04
【会場】国立競技場
【観衆】46,599人
【天候】晴
【気温】14.0度
【湿度】37%
【審判】(主審)西村雄一(副審)相樂亨、名木利幸
【結果】
横浜FM 2(2-0、0-0)0 広島
【得点】
(横):齋藤学(17分)、中澤(21分)
(広):
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さて、今年の第94回の天皇杯の決勝は、日産スタジアムで行なわれることが決定した。果たして、FC東京はその場に進めているだろうか。イタリア人新監督マッシモ・フィッカデンティの指揮のもと、躍動するシーズンが送れることを願うばかりだ。
【FC東京 天皇杯 過去5年の戦績】
2009年 4回戦(○カマタマーレ讃岐、○草津、×仙台)
2010年 準決勝(○駒沢大学、○北九州、○千葉、○福岡、×鹿島)
2011年 優勝 (○FC KAGOSHIMA、○神戸、○水戸、○浦和、○C大阪、○京都)
2012年 2回戦(×横河武蔵野)
2013年 準決勝(○横河武蔵野、○千葉、○大宮、○清水、×広島)
こうやってみると、リーグでは中位を抜け出せないFC東京だが、天皇杯はこの5年で優勝1回、準決勝(ベスト4)2回となかなかの戦績ではあるんだな。その一発勝負での勝ち運を、少しはリーグの方に回せないものか。(笑)
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