W杯予選による中断期を経ての再開戦は、アウェイでの横浜F・マリノス戦。先発には渡邉と長谷川が入り、古巣に“恩返し”弾を披露出来るかといった期待もあったが、試合開始後は、それどころか溜息と苛立ちだけが残るものとなってしまった。
シュートは横浜12本に対して、東京は僅か3本。コーナーキックは横浜が14、東京が3と、この数字だけをみても、東京の攻撃の停滞していたことが容易に想像出来る。ただ、横浜が圧倒的に強かったというより、むしろ、よく1失点で終わったというか、攻勢を占めながらも横浜が1点しか獲れずに終わったという印象の方が強かった。
それにしても、何度同じ光景を見せ付けられるのだろうか。動きのない前線へはボールが供給出来ず、パスも足元ばかり。最終ラインから組み立てようとサイドから前線進出を図るもシュート・エリアまでは持ち込めず、ボールを後方へ戻すことの繰り返しだ。
羽生や石川、特に羽生のようなフリー・ランニングをしてスペースを生み出そうとする選手は皆無で、トップの渡邉は孤立。サイドバックも前へ持ち上がろうとするが、特に徳永などは、チャレンジして突破するでもなく、素早いパスワークをするでもなく、結局スロー・ダウンして、パスコースやドリブルコースを失い、バックパス。それならまだしも、プレスをかけてきた選手をかわそうと横へボールを持ち出そうとしたところ、そのフィードが大きいため相手に奪われて、逆襲を食らう始末。ディフェンスが前がかりとなってボールを獲られれば、ディフェンスへの戻りも遅れてピンチを招いてばかりとなる。
どうしてもパスワークだけで崩したいという信念を貫くと言うのなら、100歩譲ってそれもいいだろう。だが、それならば、パスの精度は限りなくノーミスでなければならない。足元へのパスばかりでは相手の堅固な守備を崩すことは困難だが、ミスパスがなければ、相手にボールを奪われることはない。つまり、失点は防げる訳だ。とてもつまらない試合にはなるが、スコアレスドローは可能になる。
しかしながら、そのパスでさえ中盤でミスを露呈させるばかり。チャレンジした結果ボールを失うことはある程度仕方のないことであるが、まともなパス交換さえ不安定となれば、試合の主導権を相手に渡してしまうのは当然のことだ。
全く持ち味を発揮出来ないままの完敗。というよりも、自滅した試合だった。が、終わったことは致し方ない。大切なのは、この何の実りのない試合を内容の詰まった質の高い試合への契機として位置づけられるよう、今自分たちがすべきことや何が足りないのかをしっかりと意識付けることだ。
ACLが終了し、スケジュールもこれまでほど厳しくなくなる。もう言い訳は許されない。ガタガタと崩れ落ちる前に、自分たちがすべきサッカーを90分間貫けるよう、意識を持って練習し、試合で実践していくことが肝要だ。
◇◇◇
<J1 第14節>
2012/06/16 日産スタジアム
横浜F・M 1(1-0、0-0)0 FC東京
【得点】
(横):兵藤(31分)
観衆:23,273人
天候:曇時々雨
気温:21.9度
≪MEMBER≫
GK 20 権田修一
DF 33 椋原健太 → DF 05 加賀健一(37分)
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 06 太田宏介 → DF 14 中村北斗(46*分)
MF 04 高橋秀人
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 39 谷澤達也
MF 10 梶山陽平
MF 49 ルーカス
FW 11 渡邉千真 → MF 17 河野広貴(64分)
GK 01 塩田仁史
MF 07 米本拓司
MF 27 田邉草民
FW 23 林容平
監督 ランコ・ポポヴィッチ
◇◇◇
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