「毎年演奏会やりたい会」による
年に一度の演奏会。
今年はピアノ独奏の名曲ばかりを約1時間、しっぽりと披露!
スカルラッティ/サティ/ショパン/ヘンデル/ハイドン/バッハ
2010年3月27日(土)
名曲喫茶ミニヨン
(JR・東京メトロ丸ノ内線荻窪駅徒歩3分)
【南口を出て南口仲通りを直進→ロイヤルホストを目印に左折、狭い道を直進→セブンイレブン前の横断歩道を渡った目の前マルイチビル2F】
☆地図はこちら
19時開場/19時30分開演
お一人様¥500(コーヒー付)
◇◇◇
クラシック、というと何だか身構えてしまうのですが、気楽なスタンスで触れ合えることが出来るのは嬉しい限り。静謐な空間に流れる凛とした音の滴に耳を傾けて、ささやかな音のデトックスを体験してみては?
個人的なお目当ては、香椎由宇“風”女史による鍵盤の“宴奏”。本当に香椎由宇っぽいのかどうかを知りたければ、当日会場まで。(笑)
◇◇◇
■ Great Piano Pieces RECITAL 2010
ピアノ名曲大会@名曲喫茶ミニヨン
<プログラム>
≪Mariko Nakamura≫
J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲 BWV1007 第1番より
プレリュード
メヌエット1~メヌエット2
ジーグ
F.シューベルト/即興曲 Op.90-3
≪Satoko Suka≫
F.ショパン/ポロネーズ Op.26-2
F.ショパン/ノクターン(遺作)
F.ショパン/ノクターン Op.62-2
≪Kyoko Nakazono≫
D.スカルラッティ/ソナタ K.380
E.グラナドス/スペイン舞曲集より アンダルーサ
E.サティ/ジュ・トゥ・ヴー
≪Yukiko Adachi≫
G.ヘンデル/サラバンド
F.ハイドン/主題と変奏
F.ショパン/ワルツ(遺作)
◇◇◇
会場に入ると、おそらく普段は寂しさを感じることのない、ガランともしなければ、他人の眼も気にならない心地よい狭さの空間が、この日はすでにギュウギュウ詰め。50人くらいはいたのではないか(立ち見もいたか)。ピアノの目前までオールドファッションの木の椅子が迫るなかで、ピアノ名曲大会は幕を切った。
クラシックには門外漢な自分だが、興味深いのは、おそらくテクニック以上に演奏者の魂というものが露見しやすい種の音楽だということか。そして、声楽曲でなければ詞はないのだが、鍵盤が奏でる旋律と演奏に込められる気持ちによって、詞以上に強烈な感情が浮かび上がってくること。さらに、演奏者によって聴き手にも脳内や眼前に描かれる色調がまったく異なって感じられることだ。素晴らしく流暢な演奏でも世界が見えづらい時もあれば、硬さがみられる演奏でも、手に取るようにその心境が見える時もある。ライヴとはよく言ったもので、そこで“生”というものの存在を感じられると、心が揺れ動かされる。それが大規模な会場であれ、50名ほどでギュウギュウになってしまう空間においてであれ。
この日に登場した4人は、それぞれのスタイルを持ってこの場に臨んだ。“名曲大会”の名のもとに選んだ楽曲の意味とはなんであったか。普遍的な意味での名曲が、今日は4人それぞれにとっての名曲になり得たのだろうか……そんなことを聴いてみたくなった。
クラシックは形式的、楽典的だという。そこが慣れない者にとっては敷居が高く感じられるところであり、高尚な印象を与えることは確かだし、個人的にもそう感じてきた。音楽の真の意味は、楽器で音を奏でる空間様式のアートということになるのだろうが、作り手や演奏者が旋律や楽曲に想いや息吹を込めるということについては、クラシックもポピュラー・ミュージックも同様。いかにその時の心象を音に込め響かせるか……。そこを怠っては、いい音楽が空間を伝って人の心を揺るがさないのだ、と改めて感じたのだった。
告知ポストカード(上記画像のもの)もいいのだが、当日配られたプログラムも素朴ながらもちょこっと凝っていたりして、こじゃれた感じでこの会場とマッチしていて良かった。演奏には直接関係ないかもしれないが、そういうアクセントというか、センスというのも、その空間を創り上げる一つの要因だ。やっぱり、センスがないのは、何をやってもダメなんだ、と。音楽的センスがない自分は改めてそう思った次第。トホホ。
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