FC東京×岡山＠味スタ

■ まだまだ成長途中

　
　岡山をホームの味スタに迎えての試合。J2としては徳島戦以来、天皇杯2回戦を挟んでの試合となる。

　先制は10分。セットプレイから森重が決めて、東京は好調な滑り出し。その後、ボールを支配し攻めるも、余裕を持ってやっているからか、詰めの意識や集中力が足りないのか、なかなかフィニッシュまで決まらない。
　岡山の攻撃は、途中でのパスミスか東京がボールを奪って、ほとんど不発に終わっていた。だが、28分頃、左サイドから駆け上がった岡山の選手がループ・シュート。これが権田の頭を越えてクロスバーに当たるピンチに。事なきを得るものの、追加点が取れない展開で……という嫌な雰囲気が脳裏を過ぎりそうになった35分、ゴール前での混戦からこぼれ球を高橋が相手との競り合いを身体をぶつけて制するとすぐさま反転、グラウンダーのシュートをゴール左隅へ振り抜いて追加点を奪う。これで嫌な空気も吹き飛んだ。さらに、41分には、梶山が上手く叩きつけてのゴールと、前半で3点を挙げる。これで今日の勝利はほぼ確信した。

　だが、後半はどうだ。もちろんほぼ試合が決している雰囲気ということもあるだろうが、羽生が交代し、さらに田邉が交代すると、ピンチが徐々に増えてくる。そのピンチというのも、岡山が最後まで諦めず走ってくるチームということを差し引いたとしても、自らの判断の甘さや集中力の欠如によって生まれているものがほとんどだった。自陣ゴール前で今野から徳永への緩いパスを奪われたり、クリアのはずがエリア内の岡山の選手へパスしてしまったり。ボールをキープ出来た前半の感覚のまま狭いエリアで抜け出そうとして細かいパスを繋げる途中でパスカットされてのカウンター……。狭い地域に密集した選手たちが取り残され、一気にゴール前へ攻め込まれるなど、結果的に幸運も手伝ってゴールを奪われずに済んだものの、ゲームの終わらせ方を含めて課題の残る後半となった。

　それにしても、交代のカードは有効に機能しているのだろうか。いつも同じようなタイミングで同じような選手を起用するが、得点へ繋がった効果的な交代があった……という印象があまりない。今日の試合のような前半で試合がほとんど決してしまう展開では、途中から出てくる選手は確かに難しいところだ。とはいえ、フレッシュな状態で投入されたにも関わらず、圧倒的な運動量で攻め立てる訳でもなく、違ったアプローチやアクセントでゴールを目指したり、ボールポゼッションしているというようにも明確には見て取れない。
　好調な陣容をわざわざ崩すこともないだろうが、不慮の時のリスクマネジメントとして、流れを変えるアクセントとして、また、選手たちのモチベーション維持として、さまざまな試みをしてもいい頃ではないか（本来ならば、シーズン開始当初から行なってくるべきことだが）。選手の固定というのは、野球でもそうだが、安定した戦力を維持するという意味では、強いチームたるべき要因の一つだ。だが、そのなかでも、戦術のヴァリエーションを増やすための施策や選手の適材適所を導き出しなどを考慮しつつ、ピッチの上で実際に選手を使ってみるということは非常に大切なことだ。それが選手個人へのモチベーションにもつながり、新たな戦術の1ピースの発掘にも繋がるはずだ。

　残り10試合を切り、順調に行けば昇格の可能性は高い状況になってきた。このままの勢いで行くことはもちろんだが、もう一段高いレヴェルでサッカーを構築していくことが必要になってくるのではないか。J2に昇格することが最終目標であれば別だが。

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Jリーグディビジョン2 第31節

2011/10/16　味の素スタジアム

FC東京　3（3-0、0-0）0　岡山

【得点】
（東）：森重（10分）、高橋（35分）、梶山（41分）

観衆： 17,384人
天気：晴、無風

＜メンバー＞

≪FC東京≫

20　GK 権田修一
02　DF 徳永悠平
03　DF 森重真人
06　DF 今野泰幸
33　DF 椋原健太
04　MF 高橋秀人
10　MF 梶山陽平
27　MF 田邉草民 → 38　FW 坂田大輔（67分）
39　MF 谷澤達也
22　FW 羽生直剛 → 18　MF 石川直宏（58分）
49　FW ルーカス → 49　FW ロベルトセザー（71分）

01　GK 塩田仁史
14　DF 中村北斗
17　MF 永里源気
32　MF 上里一将

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