すでに発表は秒読み段階と思われていた、日本代表のセンターバックとして活躍するFC東京の今野泰幸がガンバ大阪へ移籍することが決定した。
今野は東北高校(宮城)から2001年に札幌へ入団。FC東京へは2004年に移籍して、2004年、2009年と2度のナビスコカップ優勝を経験。2011年はJ1から降格するもJ2優勝、その最後には天皇杯で活躍し見事優勝してACL出場を勝ち取った勝利に貢献した。2011年は主将としてJ2リーグを戦いチームを引っ張ったことは、誰しもが認めるところである。
監督が西野ではなくなりロペスが次期監督と報道されるも、S級ライセンスを保持していないために監督就任に認可が下りず、結局セホーンが指揮を執ることに……といったドタバタぶりを見せているガンバ大阪へ何故行くのかと思う人もいるだろう。また、世界へ挑戦したいということで移籍を希望していたとも言われているが、FC東京は天皇杯優勝によってACL出場権を獲得した。ACL出場が魅力というだけなら、わざわざ移籍をしなくても良い訳だ。では、何故ガンバへ移籍したのか。恐らくその一つには遠藤と共にプレーしたかったというのがあるのではないか。日頃から仲がいいと聞く二人だ。今野ももう28歳。サッカー選手生命を考えると決して若い年齢ではない。現役の残りの時間を有意義にプレイするために、一緒にプレイしてみたかった友のもとへ行って、強いチームでともに世界へと挑戦したいという気持ちが強かったのではないか、と思う。
本来ならば昨年移籍出来ればと思っていたかもしれない。ただ、J2へ降格させてしまったという責任感から、2011年の移籍を自ら封印したのではないかと思う。ボランチからセンターバックへコンバートされてもチームのために努力し、勝利のために貪欲に取り組むな姿は、多くの東京サポーターの胸を打ったはずだ。非常に惜しむべき、そして大きな損出ではあるが、新天地での活躍を祈って拍手で送り出してやろうではないか。
ただし、ただしである。海外ならまだしも、今度はFC東京と同じステージのJ1で戦うことが決まった。そこで東京サポーターに突きつけられる問題が一つある。それは、FC東京とガンバ大阪との試合でのことだ。当然、日本代表でも不動のレギュラーの今野はスターティングメンバーに名を連ねてくるはず。そこで、東京サポーターとしては、今野を拍手で迎えるのか、ブーイングを浴びせるのか、どちらなのかということ。これは、当然、
最大級のブーイングを浴びせてやる
のが正解ではないか。
もちろん、これまで「6」番のユニフォームやタオルマフラーを身に着けて応援していた人たちには、非常に厳しく辛いことだろう。だが、考えてみてもらいたい。FC東京はJ2から昇格したばかりのチームなのだ。天皇杯を優勝して浮かれているかもしれないが、FC東京は1つ下のカテゴリーで戦っていた身。ガンバ大阪はJ2より格上のJ1で3位となった強豪なのだ。そんな強豪の守備の要に配されるだろう今野に対して拍手など生易しい態度を見せては、戦うものも戦えない。
今野への拍手。それは勝敗を決した試合後でいい。強豪ガンバに呑まれないためにも、試合前は今野へはブーイングが必然だ。それは認めていることの証しであり、これまでFC東京の中心選手として愛着を持って接してきた今野への最大級の愛情表現だと思う。愛するがゆえに憎しである。
そして、ガンバの最終ラインを統率する今野に対して、FC東京は想像以上に強いチームに成長したんだということを肌身で感じさせること。これが今野への恩返しでもあるのではないか。
と、いいながら、実際スタジアムでその姿を見た時にブーイングを浴びせられるかどうか……躊躇してしまう人たちは大勢いると思うし、自分もそうかもしれない。それでも、ここでは言わなければならないだろう。
FC東京のホームでのガンバ大阪戦、今野に対しては最大級のブーイングを! と。
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