先発メンバーを大幅に変更した両チーム。FC東京は富樫敬真を除く10人がスタメンに名を連ね、横浜もバブンスキーと伊藤を除く9人がフレッシュな顔ぶれとなった。
その中でもグループステージを勝ち抜くため勝利が欲しいFC東京は、試合開始直後、山田が後方から送ったロングボールに横浜FMのDF西山とGK杉本が処理を誤り交錯。そのこぼれ球を富樫が無人のゴールへ流し込み、幸運な形で先制点を獲得。いきなり面を食らった形となり、地に足がつかない横浜FMに対し、FC東京が攻勢をかける展開に。17分に、ハイラインの陣形によって高い位置にポジションをとっている横浜FMのGK杉本の隙をつき、中盤でパスミスを奪った梶山が無人のゴールへ流し込もうとするも僅かにポスト右。26分に横浜FMのGK杉本のミスキックを捉えた品田がシュートするも枠外、29分に梶山の右サイドへのパスを受けた富樫がドリブルでエリアへ進出してシュートを放つもサイドネットと追加点が奪えない。
だが、38分、左サイドからの田邉のセンタリングは一度相手DFにクリアされるも、そのセカンドボールを品田が収めて左の太田へ展開。太田は田邉に一度ボールを預けて左外から回り込むようにして田邉のリターンを受けると、そのままセンタリング。これに中央から飛び込んだ梶山がクロスボールを右足で押し込んでFC東京が2点目を奪う。
前半で2点をリードしたFC東京だったが、後半は対照的に攻めのギアが上がらず、試合の主導権を横浜FMへ受け渡してしまう。横浜FMは伊藤を中心に両サイドへ素早くボールを振りながらFC東京の守備連係のずれやスペースを生み出していく攻撃を仕掛けると、東京が劣勢になり、攻撃を受ける姿勢に終始。大久保が最後の牙城を崩さぬようにビッグセーヴを続けたものの、横浜FMの両サイドへの素早い展開や連係に対応しきれなくなり、67分、84分にいずれも伊藤翔がゴールを決めて同点に。
FC東京も矢島、原の高身長のFW陣、リッピ・ヴェローゾをピッチへ送り、米本が右SBを担う。受け身になり横浜の攻勢を凌ぐなかで、試合終了間際、原に絶好の決定機がやってきたが、ゴール前の1対1を決められず勝ち越しならず。そのままタイムアップとなり、FC東京は幸先良く奪った2点差を守り切れず、残念ながらドローでルヴァンカップ初戦のリヴェンジを果せぬまま痛み分けに終わった。
追いつかれてのドローという結果は一見“勝てた試合を落とした”というネガティヴな表現になりそうだが、両者ともミスが多かったとはいえ、試合内容からしてFC東京は運よく点数が獲れたという印象が強い。両サイドに素早いパス交換でボールを散らしながらギャップを生み出す横浜FMの攻めを受けてしまい、相手陣内へ攻め込む推進力を奪われていた。横浜FMにとっては前半から後半の内容であれば逆転可能だった、FC東京にとっては後半も前半のようにあと1点獲っていたら逃げ切れた、という評価になるのだろう。
SBの高橋やMFの品田など初スタメン組は及第点というところ。高橋は突破される場面もあったが、最後まで食らいつく姿勢は見せた。前半は梶山が前線で奮闘。大久保択生もビッグセーヴで気を吐いた。ただし、試合の質としては決して高くはない。まだまだ全体のスピードや切り替え、判断の迅速性が不足していて、ビルドアップ時のパスミスや攻め込みながらボールを奪われるなど、相手のプレスの速さを読み切れない場面も少なくなかったのは、このメンバーでのサッカーに大きな課題として残った。
これでグループステージは残り2試合。横浜FMが勝ち点8で抜けてグループ首位。FC東京はアウェイで新潟、ホームで仙台とグループステージ突破の2位のラインを争うチームとの対戦ゆえ、連勝しないと苦しい。リーグと並行しての連戦が続くため、引き続きリーグとは異なるメンバー構成で挑むことになりそうだが、しっかりと結果を残すべく準備しておかねばならない。
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【YBCルヴァンカップ グループステージ 第4節】
2018年04月18日(水)19:04試合開始 味の素スタジアム
入場者数 8,320人
天候 晴 / 気温 15.0℃ / 湿度 80%
主審 小屋幸栄 / 副審 間島宗一、浜本祐介 / 4審 松澤慶和 / 追加副審 榎本一慶、高山啓義
FC東京 2(2-0 / 0-2)2 横浜FM
≪得点≫
(東): 富樫敬真(1分)、梶山陽平(38分)
(横): 伊藤翔(67分)、伊藤翔(84分)
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≪スターティングメンバー≫
GK 01 大久保択生
DF 41 高橋 亮[U-21] → リッピ・ヴェローゾ(70分)
DF 04 吉本一謙
DF 22 山田将之
DF 06 太田宏介
MF 15 久保建英[U-21]
MF 44 品田愛斗[U-21]
MF 07 米本拓司
MF 27 田邉草民
FW 17 富樫敬真 → 矢島輝一(86分)
FW 10 梶山陽平 → 原 大智(64分)
≪サブスティテューション≫
GK 50 波多野豪[U-21]
DF 42 バングーナガンデ佳史扶[U-21]
DF 47 木村誠二[U-21]
MF 19 平岡 翼
MF 51 リッピ・ヴェローゾ
FW 23 矢島輝一
FW 24 原 大智[U-21]
≪監督≫
長谷川健太
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【JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ】
第01節 2018/03/07(水)19:30✕FC東京 0-1 横浜FM(A・ニッパツ)
第02節 2018/03/14(水)19:00〇FC東京 1-0 新 潟(H・味スタ)
第03節 2018/04/04(水)19:00✕FC東京 0-3 仙 台(A・ユアスタ)
第04節 2018/04/18(水)19:00△FC東京 2-2 横浜FM(H・味スタ)
第05節 2018/05/09(水)19:00 FC東京 vs 新 潟(A・デンカS)
第06節 2018/05/16(水)19:00 FC東京 vs 仙 台(H・味スタ)
【Aグループ 順位表】
01 横浜FM 8/4/2/2/0/6/3/+3
02 仙 台 5/4/1/2/1/5/4/+1
03 FC東京 4/4/1/1/2/3/6/-3
03 新 潟 4/4/1/1/2/5/6/-1
※勝点/試合/勝利/引分/敗戦/得点/失点/得失点





