
昨季3冠を達成したG大阪とのアウェイでの雨中開幕戦は、両軍ストライカーが得点を獲り合ってのドローに。
FC東京はセンターバックにカニーニ、中盤アンカーに梶山を起用。前線には前田と武藤、トップ下に河野の布陣。
開始直後は積極的に前からプレッシャーをかけて宇佐美、パトリックに仕事をさせず、遠藤も抑えて攻勢になりかけるものの、東京もなかなかシュートまでは至らず。
10分過ぎのG大阪・岩下のロング・ドライヴ・シュートあたりから、G大阪の次第に攻めるリズムが出てくる。それでも肝心な部分でディフェンダー陣が奮闘。なかでもカニーニはスピードはそれほどなくともボディコンタクトの良さを発揮していた。
だが、G大阪が前半アディショナルタイムに先制する。エリア左奥深くで宇佐美がキープしたボールはゴールラインを割り、主審がゴールキックを指示しかけたが、笛は吹かずにそのままプレイが続行。その瞬間、FC東京のディフェンス陣が手を挙げて足を止めてしまい、宇佐美からフリーの遠藤へボールが渡ると、ゴール前へ絶妙なピンポイントのボールを放り込み、それをパトリックが合わせた。
後半、足を負傷した太田に代わって丸山が登場。反撃体制を取ろうとした矢先に、自陣エリア内にパトリックとのワンツーを決めて突入した宇佐美の足を梶山が引っかけてPKに。このPKを宇佐美が冷静に決めて2点差をつける。
東京は河野に代えて林、羽生に代えて東を投入。林が前へどんどんプレッシャーをかけ続けて東京のリズムへ運ぼうとする。また、前半は太田からのクロスという選択ばかりにやや硬直化していた攻撃も、太田が退いたことで不幸中の幸いというか、右の徳永が前線へ上がってクロスを入れたり、左サイドバックの丸山が早めにボールを入れるなど、ゴール前への攻撃にヴァリエーションが出てきた。
その流れが実ったのか、75分に東京も得点を生む。東が右からエリア左奥の前田へ高いボールを入れると、このボールを前田が相手ディフェンダーに競り勝ちゴール前へ落とす。武藤はゴールへ背を向けてこのボールを足元で受け、相手のプレッシャーを背負いながらも反転してシュート。相手ディフェンダーの足に当たりながら、G大阪のGK東口の左側を抜けてサイドネットへゴールインし、1点差に詰め寄る。
G大阪は宇佐美に代えてリンスをピッチに送る。3点目を決める選択をしたようだが、東京の攻勢は続く。徳永、丸山のサイドがワイドに開いて、サイドから次々と攻撃を仕掛けていく。90分になろうとする時間帯に、徳永の右からのクロスを林がニアにつぶれること覚悟で飛び込んだり、またもや徳永のファーサイドへのクロスに東が飛び込むがボールに触ることが出来ず、同点には至らない。
だが、アディショナルタイムに、梶山のスルーパスに反応した岩下がスライディングしながらボールをクリアすると、そのボールが前線の武藤へ。瞬時にハーフボレーを打つと、アウトサイドにかけ気味のボールはドライヴもかかって右上隅へ決まるファインゴールに。土壇場で同点に追いつき、そのままスコアは動かずに試合終了。
序盤に2失点し、苦しい試合となったが、最後まで自ら守備を崩さない意識と諦めない姿勢、さらに武藤の個の力で、昨季三冠のG大阪とアウェイで引き分け、勝ち点1を得たことは評価出来る。
集中力の甘さという面から生まれた2失点は、判定の是非がどうあれ、改善していかなければならないが、途中から出場した林や丸山、東に大きな可能性を感じたのと、途中から4-4-2の布陣へ臨機応変に変更して攻撃のリズムを生んだ采配とそれを実践出来たところは成長の証か。まだ、前田がフィットしていない感は否めないが、それでもゴールに絡む動きも出たことで、試合を重ねることでそのあたりは解消されていく気も感じられた。
とはいえ、既にACLなどを戦ってきたG大阪が後半に疲労の色が見えていたのも事実で、若干それに助けられた部分もある。
次はホーム。太田、羽生ら怪我で交代した選手たちの動向は微妙だが、サブに甘んじていた選手たちが貪欲にチャンスをものにすべく奮闘していけば、問題ないだろう。勝ち点3を挙げて、短期決戦へ勢いをつけたいところだ。
◇◇◇
【J1リーグ 1stステージ 第01節】
2015年03月07日/万博記念競技場/14:04キックオフ
観衆:18,332人
天候:雨、弱風
気温:9.3度 湿度:81%
主審:岡部拓人/副審:大塚晴弘、西尾英朗
G大阪 2(0-1/1-2)2 FC東京
得点:
(G)パトリック(45+1分)、宇佐美貴史(53分)
(東)武藤嘉紀(75分)、武藤嘉紀(90+1分)
≪スターティングラインアップ≫
01 GK 権田修一
02 DF 徳永悠平
03 DF 森重真人
30 DF カニーニ
06 DF 太田宏介 → 丸山祐市(46分)
07 MF 米本拓司
10 MF 梶山陽平
22 MF 羽生直剛 → 東慶悟(65分)
20 FW 前田遼一
17 FW 河野広貴 → 林容平(58分)
14 FW 武藤嘉紀
≪サブスティテューション≫
13 GK 榎本達也
05 DF 丸山祐市
29 DF 吉本一謙
04 MF 高橋秀人
08 MF 三田啓貴
38 MF 東慶悟
23 FW 林容平
≪マネージャー≫
マッシモ・フィッカデンティ
◇◇◇
【明治安田生命J1リーグ 1stステージ】
第01節 03月07日(土)14:00△ G大阪 2-2 FC東京(A・万 博)
第02節 03月14日(土)14:00 FC東京×横浜FM(H・味スタ)
第03節 03月22日(日)17:00 神 戸×FC東京(A・ノエスタ)
第04節 04月04日(土)16:00 FC東京×甲 府(H・味スタ)
第05節 04月12日(日)16:00 湘 南×FC東京(A・BMWス)
第06節 04月18日(土)16:00 FC東京×広 島(H・味スタ)
第07節 04月25日(土)18:30 山 形×FC東京(A・NDスタ)
第08節 04月29日(祝)14:00 新 潟×FC東京(A・デンカS)
第09節 05月02日(土)16:00 FC東京×川 崎(H・味スタ)
第10節 05月06日(休)19:00 仙 台×FC東京(A・ユアスタ)
第11節 05月10日(日)16:00 FC東京×鹿 島(H・味スタ)
第12節 05月16日(土)15:30 浦 和×FC東京(A・埼 玉)
第13節 05月23日(土)19:00 FC東京×名古屋(H・味スタ)
第14節 05月30日(土)19:00 FC東京×柏 (H・味スタ)
第15節 06月07日(日)16:00 松 本×FC東京(A・松本平)
第16節 06月20日(土)16:00 鳥 栖×FC東京(A・ベアスタ)
第17節 06月27日(土)19:00 FC東京×清 水(H・味スタ)
【明治安田生命J1リーグ2ndステージ】
第01節 07月11日(土)00:00 川 崎×FC東京(A・等々力)
第02節 07月15日(水)00:00 FC東京×新 潟(H・味スタ)
第03節 07月19日(日)00:00 FC東京×山 形(H・味スタ)
第04節 07月25日(土)00:00 鹿 島×FC東京(A・カシマ)
第05節 07月29日(水)00:00 FC東京×仙 台(H・味スタ)
第06節 08月12日(水)00:00 甲 府×FC東京(A・中銀スタ)
第07節 08月16日(日)00:00 FC東京×G大阪(H・味スタ)
第08節 08月22日(土)00:00 名古屋×FC東京(A・豊田ス)
第09節 08月29日(土)00:00 清 水×FC東京(A・アイスタ)
第10節 09月12日(土)00:00 FC東京×神 戸(H・味スタ)
第11節 09月19日(土)00:00 横浜FM×FC東京(A・日産ス)
第12節 09月26日(土)00:00 FC東京×松 本(H・味スタ)
第13節 10月03日(土)00:00 広 島×FC東京(A・Eスタ)
第14節 10月17日(土)00:00 FC東京×湘 南(H・味スタ)
第15節 10月24日(土)00:00 FC東京×浦 和(H・味スタ)
第16節 11月07日(土)00:00 柏 ×FC東京(A・日立柏)
第17節 11月22日(日)00:00 FC東京×鳥 栖(H・味スタ)
【2015Jリーグヤマザキナビスコカップ】
≪予選リーグAグループ≫
第01節 03月18日(水)19:00 FC東京×新 潟(H・味スタ)
第02節 03月28日(土)17:00 松 本×FC東京(A・松本平)
第03節 04月08日(水)19:00 柏 ×FC東京(A・日立柏)
第04節 04月22日(水)19:00 FC東京×鳥 栖(H・味スタ)
第05節 05月20日(水)19:00 FC東京×甲 府(H・味スタ)
第06節 05月27日(水)19:00 広 島×FC東京(A・Eスタ)
第07節 06月03日(水)19:00 湘 南×FC東京(A・BMWス)
≪決勝トーナメント≫
準々決勝 第1戦 09月02日(水)/第2戦 09月06日(日)
準決勝 第1戦 10月07日(水)/第2戦 10月11日(日)
決 勝 10月31日(土) 会場:未定
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それにしても開幕戦から明らかなミスジャッジとは。審判団は猛省してもらいたい。2ステージ制という短期決戦であれば、そのジャッジ一つで試合はおろかステージの順位に直結しかねない影響を持っているのだから。




