Wレアンドロは反則級のコンビ
Jリーグ初のイタリア人監督、マッシモ・フィッカデンティを擁してのFC東京のJ1初戦は、アウェイでの柏レイソル戦。米本、マテウスが怪我で離脱するなど、初っ端から苦戦を覚悟したが、試合はドローで終了。アウェイで勝ち点1を獲得するという、ひとまず最低限の結果は出したのではないだろうか。
FC東京はエドゥーを中心に武藤と渡邉が両サイドの3トップ。エドゥーはポストプレーも良く、身体を当てられてもボールをキープし、タイミング良く周囲にボールを叩けるので、今後チームにフィットしコンディションもアップしてくれば、なかなかの活躍が見込めそう。ゴール裏からの“エドゥー、エドゥー”のコールにも試合中でも応えてしまう茶目っ気もいいではないか。(笑)
両サイドFWの二人は共にゴール前混戦での絶好機を、ポストに当てたり相手DFにブロックされたりと決めきれず。先に二人のどちらかが決めていたら、試合の流れも東京にグッと寄ったのではないか。まだそのあたりの精度や決定力は今後の大きな課題となるだろう。渡邉はそれほどゴール前に進出出来なかった一方で、新人の武藤はなかなかのパフォーマンスを披露。監督がスタメン起用したのも頷ける、高い可能性を持った選手だ。
8番を背負った三田がFC東京今季の初ゴールを決めた。ゴールマウス前の混戦で相手DFが蹴り出そうとしたボールがGK菅野に当たり跳ね返ったところを三田がつま先でチョンと蹴ったラッキーゴールではあったが、昨季同様果敢に攻めていく姿勢は評価出来る。
アンカーの位置の高橋はかなり走らされた。米本がいれば安定するところだが、高橋もなんとか奮闘した。時々マークやボールを見失いがちになるとピンチを招くが、柏の多彩な攻撃パターンに何とか食らいつき、1失点だけに抑えたのは及第点は挙げられるだろう。ただし、このままだと運動量が半端ないので、夏場などにどう対応するのか、今から効率の良さを含めた守備を考えなければならないだろう。
それにしても、柏のレアンドロ・ドミンゲス、レアンドロ、工藤という流れるようなコンビネーションの対応には苦労した。まだチームとして完成していない時期であれだけパフォーマンスされたら、さらに失点してもおかしくはなかったが、しっかりと工藤の1失点にとどめたのは、僅かな成長の証だろう。柏がさらにチームをまとめあげたら果たして対応出来たか……と考えると、第1節で対戦しておいてよかったのかもしれない。
主審の曖昧なカード基準と試合のコントロール加減にはやや首を傾げたくなるところもあったが、東京・権田、柏・菅野の両チームのGKの奮闘もあって、決着はつかなかったが面白い試合となった。柏はWレアンドロと工藤の関係性がさらに強まったら、かなりの脅威になりそうだ。まだ田中順也なども控えている。
東京は野澤がデビュー。また、松田陸も初ベンチ、吉本も久しぶりのベンチ入りとなった。下からの突き上げはチームの活性化に大きな力を与えるので、今後とも切磋琢磨してスタメンを獲得するよう努めていってもらいたい。
◇◇◇
≪J1 第1節≫
【日時】2014/03/01 15:03
【会場】日立柏サッカー場
【観衆】14,623人
【天候】曇のち雨、弱風
【気温】8.1度
【湿度】79%
【審判】(主審)佐藤隆治(副審)大塚晴弘、田尻智計
【結果】
柏 1(0-0、1-1)1 FC東京
【得点】
(柏):
(東):
【FC東京メンバー】
GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 05 加賀健一
DF 06 太田宏介
MF 04 高橋秀人
MF 38 東慶悟
MF 08 三田啓貴 → MF 34 野澤英之(90+2分)
FW 09 渡邉千真 → MF 17 河野広貴(90+3分)
FW 11 エドゥー
FW 14 武藤嘉紀 → MF 18 石川直宏(71分)
GK 01 塩田仁史
DF 29 吉本一謙
DF 50 松田陸
FW 13 平山相太
監督 マッシモ・フィッカデンティ
◇◇◇
FC東京ゴール裏。
“ユルネヴァ”中。
柏ゴール裏のビッグフラッグ。
バックスタンドには“ユルネヴァ”の横断幕が。
三田ゴールで歓喜のゴール裏。
ハッピーライフ、ハッピーゴール、タマゴール!
試合終了後挨拶する東京の選手たち。