(1)日記から
・2009年9月9日(水)
昨日から「戦史」(上)を読み始め、今日読了した。文体は歯切れがいいのだが、何せ人名・地名・ポリス名がこれでもか、という具合に出てくるので閉口する。戦に明け暮れたポリスの命運がよくわかる。仇敵ペルシアと結んでまで敵対ポリスを打倒しようとする。戦うことで生命を保っているかのようだ。
・9月12日(土)
「戦史」(中)を読了した。記述中にたびたび出てくる指揮官や外交使節の弁論は不思議だ。論理的で、修辞たっぷりで、法廷弁論のようだ。論理と弁舌によって相手を説得するのが2500年前からの伝統なのか。それもおもしろいことに、民衆を相手とする時の弁論と、指導者を相手とする時の術が違っている。一方は感情に訴えることに重きをおき、他方は利害に訴えることに重きをおく。
・9月22日(火)
「戦史」(下)を二日間で読み終えた。訳者が精魂を込めた本だと知られる。膨大な注(ほとんど読まなかったが)、簡潔な訳文。民主政治がポピュリズムに堕す危険は昔も今も変わらない。民衆は威勢のいい叫びをあげるが、結果がうまくいかないと、自分たちの判断が間違っていたとは思わず、任に当たった者が不手際だったからと責める。冷静な判断に基づく選択を求めるのは困難だ。昔は群集心理が、今はマスコミが増長する。
(2)ノートから-(下)-
①人は己の願望の主人たり得ても、事の成り行きを己の願い通りに支配することはできない。
②事の成否は願望の大小によって左右されるものではなく、冷静な見通しの有無にかかっている。
(了)
・2009年9月9日(水)
昨日から「戦史」(上)を読み始め、今日読了した。文体は歯切れがいいのだが、何せ人名・地名・ポリス名がこれでもか、という具合に出てくるので閉口する。戦に明け暮れたポリスの命運がよくわかる。仇敵ペルシアと結んでまで敵対ポリスを打倒しようとする。戦うことで生命を保っているかのようだ。
・9月12日(土)
「戦史」(中)を読了した。記述中にたびたび出てくる指揮官や外交使節の弁論は不思議だ。論理的で、修辞たっぷりで、法廷弁論のようだ。論理と弁舌によって相手を説得するのが2500年前からの伝統なのか。それもおもしろいことに、民衆を相手とする時の弁論と、指導者を相手とする時の術が違っている。一方は感情に訴えることに重きをおき、他方は利害に訴えることに重きをおく。
・9月22日(火)
「戦史」(下)を二日間で読み終えた。訳者が精魂を込めた本だと知られる。膨大な注(ほとんど読まなかったが)、簡潔な訳文。民主政治がポピュリズムに堕す危険は昔も今も変わらない。民衆は威勢のいい叫びをあげるが、結果がうまくいかないと、自分たちの判断が間違っていたとは思わず、任に当たった者が不手際だったからと責める。冷静な判断に基づく選択を求めるのは困難だ。昔は群集心理が、今はマスコミが増長する。
(2)ノートから-(下)-
①人は己の願望の主人たり得ても、事の成り行きを己の願い通りに支配することはできない。
②事の成否は願望の大小によって左右されるものではなく、冷静な見通しの有無にかかっている。
(了)