「老障介護」という言葉があります。
年老いた親が障害のある子どもの世話や介護をするという意味ですが、
障害の重い子どもの場合、ショートステイ利用は可能でもグループホームとなると大きな壁が立ちはだかります。
社会福祉法人などの事業所でグループホームに入所している子どもも少なくはありません。
しかし、障害が重いとなるとそこにかけるマンパワーを充実させることが困難になります。
専門的な知識と技術を持った職員を雇用していくことの難しさ、
限られた予算で経営をしなければいけない運営側の難しさ、
新たに立ち上げる際には行政との折衝や資金の調達も必要になる、
また、障害が重い人たちが地域で暮らすうえで、近隣住民の理解を得ることも難しい。
子ども側からするとどうか。
ずっと親元で馴染みのある生活パターンが長く続くと、それ以外の選択肢を受け入れることは年々難しくなります。
できるなら親は体力のあるうちに子どもが居心地よく過ごせる(レスパイトではない)時間を、
少しでも家以外に持つことをお勧めします。
デイサービスやショートステイ、ほか地域での居場所等を利用して。
事業所等の親の集まりがあるのならば参加をし将来の暮らしについて一緒に考える仲間を持ちましょう。
「障害年金は子どもを大学に行かせる費用やと思って貯金して置いたら、4年後には結構な費用になる」
「それは子どもが受け取るものやから、そのお金を貯金してホーム立ち上げの資金に使うようにしましょうや」
ある親の会の親御さんがおっしゃっていました。
子どもの権利を尊重している、重荷のある言葉です。
家族間と事業所との情報共有を重ねながら、徐々に、具体的にニーズを挙げていくようにします。
80歳になった親が50歳の子どもの世話や介護をしなくてはならない8050問題は、
「老障介護」だけでなく「引きこもり」も同じく厳しい現実です。
どうしてもその期間が長くなると社会地域との関係性が無くなり孤立してしまう、
その危険性が一番に挙げられています。