とらいさぽーと

音楽療法

声のトーンが単調だ。

抑揚が無い。

単語から語彙が広がらない。

幼児期からの療育で言葉の世界を広げるための手法には、

機能的コミュニケーションシステム(PECS)や応用行動分析学(ABA)を用いた手法などありますが、童謡や唱歌を用いた音楽的な効果で、日本語の抑揚を自然に五感を通じて身体で覚えるやり方があります。

歌が上手でなければいけないとか、特別な用具がいるとか、教材とか、何も無くてもできます。

(絶対音感のあるお子さんには音程が合っていないとしんどいかもしれませんが)

PECSやABAと併用することで、話し言葉としての世界が広がるのに役立つのではないかのではと思います。

童謡や唱歌の素晴らしいところは、短いフレーズの中に日本語の流れるような抑揚がきちんと収まっているところ、そしてだれでも口ずさむことができるメロディであること、

例えば、シャボン玉飛んだ♪

これをハ長調の音符にすると、ソードードーレーミーソーソ、

出だしのソ(シャボン玉のシャ)は、低い音から始まり、

ド-レ~(ボン玉~)から、音が高くなっています。

これが逆だと日本語として違和感がある。

どんぐりころころ♪(ソーミーミーファーミーレード)では、

出だしのソ(どん~)は、高い音から始まる。だから歌いやすい。

童謡の絵本やカードなどたくさんありますから、絵本を読むのと同じように、歌う。

美声で無くていいんです。甲高い声はしんどいですが。 

ゆったりと落ち着いたトーンで、子どもと一緒に、歌詞の情景を絵本で楽しみながら、 

傍に居ることが難しい子どももいますが、本人が一番ゆっくりできる状態、例えば好きなソファや好きなものに触れている時などを利用してやってみます。

短い時間でできますから、習慣にしていくと、行動の見通しとしても使えるようになります。

歌わせることは目的ではありませんし、子どもに歌わせようとすると上手くいきません。

短い時間を共有すること、子どもがそれを否定せず、童謡絵本(カード)を目で追いながら傍で歌を聴いていること、そこから始めます。

習慣になれば、「シャーボンだま~♪」まで歌ってその後のフレーズを子どもにバトンを渡すように促すと、「とんだ~♪」と口ずさんでくれます。手でマイクを向けるようにするといいです。

声にならないお子さんでも、次のフレーズを目で追う、指で示す、こちらに歌うよう何らかのアクションをするようになります。童謡や唱歌のCDは図書館にたくさん置いているので、レパートリーが広がってくると本人にも余暇グッズとして楽しめます。

大人になったときに、この体験は本人にとって実りのある時間を過ごすためのツールの一つになりますよ。

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