随喜功徳 (逆のものさしをもってみませんか)

黙々と穏やかにさり気なくおまかせする

20180122

2018-01-22 01:10:51 | 日記


・・・
「仏さまは、見ていてくださるだよ」
驚いて顔を上げると、箒と桶を手にした頑魯が立っていた。
「いま、なんと?」
「いつでも見ていなさる。泣くがいいだよ。聞きつけて救いにきてくださるだ」
頑魯はそう言うと、頬にちいさな笑みを浮かべた。
「御仏が観ておられる?救いにきてくださる?」
「うん、おらはそう聞いた。間違いねえ。だから、間違いなねえ。だから、すなおに泣いて、助けてくれとたのめばいい。我慢するこたぁねえけども、きっとそうだよ」
もじもじと手をもみしだきながら、いまにも泣き出しそうな顔で笑ってみせた。
その笑みを、その切なげな顔を、慈愛と空也は感じた。事情は知らなくても、共に悲しみ、共に、泣いてくれる。慈愛そのものだ。
・・・・

捨ててこそ空也
梓澤 要著



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空也上人の生涯の小説です。鎌倉時代のお話。前世がお坊様だったのか何か分かりませんが、ものすごく共感してしまい夢中で読んでまた読み返して感動。。

和の心、在り方の持ち方のヒントが文書にちりばまっておる気がします。





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