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小さなコケから見る京都や大阪の自然 ~苔類を中心に観察中~

小さなコケから見える京都や大阪の自然
小さな一つ一つが積み重なってこの自然が成り立っていることに気づかされます

2025/04/03

2025-04-03 17:17:44 | 日記
『苔類だけのコケ展示』
 


日時:2025年5月9日(金)~11日(日)
   9時から17時
場所:京都府京都市下京区
   梅小路公園「緑の館」1階イベント室

コケは『蘚類(せんるい)』『苔類(たいるい)』『ツノゴケ類』の3グループに分けることが出来ます。その中でも最も美しい!と勝手に思っている『苔類(たいるい)』だけの展示会です。

コケは名前が分かると楽しさが増します。しかしコケの名前を知りたくて図鑑を見ても言葉が難しく、質感やサイズ感も分かりづらいことがあります。
この展示会では実物が100種類以上展示してあり、実際に手に取り顕微鏡で細部まで観察できるなど世界的に例がない?と思われるような展示会です。たくさんの人が『苔類』に興味を持ってもらえると嬉しいのですが。

これだけの苔類を管理・栽培されている企画者に感謝です。



2025/03/30

2025-03-30 23:05:55 | 日記
ヤクシマツガゴケ
京都府カテゴリー 絶滅寸前種

令和7年3月9日 京都府相楽郡

水の滴る場所に、ヤクシマツガゴケと思われるコケを見つけました。

葉身細胞が30μm以上あり、植物体が大きいこと、葉の基部があまり狭くならないこと、葉先が尖ること、葉縁の弦をつくる細胞に葉緑素が豊富に含まれて緑色であること、蘚帽に毛が生じないことからも、ヤクシマツガゴケと思われます。

追記(令和7年4月4日)
この場所でこのコケを見つけてから同定するまで約3年かかりました。普通種の『ツガゴケ』よりやや乾く場所にあるのでは?との情報もありましたが、『ツガゴケ』と同様に水の滴る場所にあるようです。この発見は京都府のレッドデータブックを監修している先生に報告し、間違いないとの返答を得ました。京都府下では瑠璃渓での報告以降、しばらく報告がなかったそうで、次回のレッドデータブック改訂時に記載していただけることになりました。













蘚帽に毛がない
葉は2mm以上




葉縁の弦をつくる細胞に葉緑素が豊富に含まれて緑色

1メモリが7μmで、30μmを越える葉身細胞がある


2025/03/30

2025-03-30 22:45:21 | 日記
シロコオイゴケ(シロフタエウロコゴケ)

 
令和7年3月29日
再訪:令和7年4月5日

京都府南丹市
川縁の林道にて、マルバコオイゴケモドキやトサホラゴケモドキなどの群落の中に『シロコオイゴケ』だろうコケを見つけました。このコケは亜高山帯以上(標高1500m以上の場所)にあるとされているのですが、ここは標高500m程度と低い場所です。

ここは豪雪地ですし、寒さなどの条件が適応しているのでしょうか。コケは海から最初に陸地へ出てきた生き物?ではないかと言われています。その柔軟な適応力が、脈々と受け継がれてきた『命の系譜』なのかもしれません。

図鑑『近畿地方の苔類』には、この種の記載がないのですが、京都府自然環境目録にはこの種の記載があるので、京都府で採集された記録があるのでしょう。
 
訂正
*『近畿地方の苔類』にはシロフタエウロコゴケの名前で出ていました(令和7年4月2日)


判別のポイント
①明瞭なビッタがある
*ビッタとは
苔類の葉基部中央部ある長軸方向に伸長した細胞群

②トリゴンが不明瞭
*トリゴンとは
苔類の葉身細胞の角の部分の細胞壁が肥厚して三角形を呈するもの.