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柄谷行人(Kojin Karatani)著『世界共和国へ-資本=ネーション=国家を超えて』岩波新書

2006年11月26日 | Book(本、書籍)DVD
11/25(土)八重洲ブックセンターで柄谷行人(Kojin Karatani)著『世界共和国へ-資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書¥777税込)を購入した。

資本=ネーション=国家という結合体に覆われた現在の世界からは,それを超えるための理念も想像力も失われてしまった。資本制,ネーション,国家をそれぞれ3つの基礎的な交換様式から解明し、その結合体から抜け出す方法を「世界共和国」への道という形で探ってゆく。21世紀の世界を変える大胆な社会構想。 後日、自分なりに纏めてみる。新書判(新赤版1001)・並製・236頁。2006.04.20発行。


■著者からのメッセージ
柄谷行人 
       
資本制、ネーション、国家の起源を解き明かしつつ、三つの接合体を超える道筋を提起。二一世紀を変える大胆な社会構想がここに現る。  

 交換というと、ひとはふつう商品交換を考えますが、家族や共同体の中にも交換があります。それは互酬制(贈与―返礼)です。さらに、私は、略奪ということも交換の一種になると思います。というのは、継続的に略奪する場合には、相手を保護し育成しなければならず、そこに略取―再分配という交換が生じるからです。

 商品交換様式から始めて、それが作り上げる資本制経済の全体系を解明しようとしたのが、『資本論』のマルクスです。しかし、そのとき、彼は国家やネーションをたんに二次的なものとみなした。そのことが、マルクス主義における大きな盲点となり、結果として、社会主義への幻滅をもたらしました。

 私が本書で試みたのは、略取―再分配という交換様式から始めて国家を、互酬制の交換様式から始めてネーションを解明すること、さらに、資本=ネーション=国家の構造的連関を明らかにすることです。そして、それらを揚棄する方法、「世界共和国」への道筋を示すことです。

■著者紹介
柄谷行人(からたに・こうじん)1941年生まれ。評論家。著書に『定本 柄谷行人集』(全5巻、岩波書店)、『倫理21』(平凡社)、『近代文学の終り』(インスクリプト)ほか多数。海外で発表されている著作も多い。

■目次


資本=ネーション=国家について
1 理念と想像力なき時代
 2 一九世紀から見た現在   

第I部
交換様式
1 「生産」から「交換」へ
 2 「交換」の今日的意味
 3 五つの社会構成体   

第II部
世界帝国
1章 共同体と国家
 1 未開社会と戦争
 2 国家の誕生
 3 アジアの専制国家とギリシア・ローマ
 4 封建制と自由都市
 5 亜周辺のゆくえ
2章 貨幣と市場
 1 商品交換とは何か
 2 未開社会と原始社会
 3 貨幣の起源
 4 商品資本と金貸し資本
 5 国家・貨幣・交易
 6 絶対主義国家へ
3章 普遍宗教
 1 普遍宗教と預言者
 2 自由の相互性をめざして  

第III部
世界経済
1章 国家
 1 世界帝国から世界経済へ
 2 絶対主義国家の誕生
 3 国家と暴力
 4 官僚支配と福祉国家
 5 国家の自立性
2章 産業資本主義
 1 マニュファクチュアの時代へ
 2 生産=消費するプロレタリア
 3 技術革新による存続
 4 自己再生的システム
 5 資本の限界
 6 資本への対抗
3章 ネーション
 1 ネーションの誕生
 2 共同体の想像的回復
 3 想像力としてのネーション
 4 美学と想像力
 5 ボロメオの輪
4章 アソシエーショニズム
 1 カントの構想
 2 プルードンの構想
 3 軽視された国家
 4 アソシエーショニズムのために   

第IV章
世界共和国
 1 主権国家と帝国主義
 2 「帝国」と広域国家
 3 マルチチュードの限界
 4 世界共和国へ   

あとがき


★世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて:
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/
kkn0604/sin_k285.html


★自由のための「不定期便」『柄谷行人著「世界共和国へ」を読む』:
http://adat.blog3.fc2.com/blog-category-41.html


★Jandy's Blog「岩波書店『世界史の構造』柄谷行人著(紀伊国屋書店・梅田本店)大阪・梅田」:
http://blog.goo.ne.jp/jandy7322/e/3141f67
bd0c2da9153eef84c3b159beb


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