クィーン座間味が那覇に到着した時は夕方近くだった。
俺たちは車に乗り込み、エンジンをかけると
入れっぱなしのディアマンテスのCDが流れる。
国道58号線を向かってると俺の好きな沖縄ミ・アモール
が流れる。
船で聴いてる感じとは気持が全然違った。
どっちかと言うと旅行に行ってて、故郷に帰ってきたみたいな
そんな不思議な気持ちだった。
最後の夜は女子と合流して飲み会だ。宿は北谷という場所の
サンセットアメリカンホテル。
男二人ずつ、女二人と三人ずつの合計4部屋とったらしい。
だんだん北谷が近づくにつれて、胸がドキドキしてきた。
もうすぐけいちゃんに会えるというドキドキと、照れくささと
両方でどうしたらいいかわからなかった。
北谷に着いて女子軍団との再会。青ちゃんは会ってすぐに話す。
「座間味島ぶちよかったで~」
北谷のサンセットアメリカンホテルの前は目の前が海になってて
夕方はちょうど夕日が目の前で沈むらしい。
まだ明るいから俺たちは一度部屋に戻って荷物を置いてから
また下に降りて海の前の防波堤で座って話した。
俺ときたらそんな中一人で不安を感じてて、それは的中する。
けいちゃんと全然目が合わない。
こりゃまいったな~・・予想通りだ。
こっちからすると向こうがどんな気持かはわからない。
手を繋いだのも、もしかしたらホロ酔いの出来事で
後悔してるかもしれない・・
そう思い始めると不安は大きくなる。なのであまり考えないように
した。考えたら考えた分だけダメになってしまう性格だからだ。
そうしてるとサンセットの時間になってきた。
だんだん海がオレンジに染まり始める。
女子は大騒ぎ。その中の誰かがみんなで記念撮影したいと
言い始めた。
俺は写真は得意な方なので俺が引き受けた。
しかし、この壮大な景色を撮るにはこの距離だといまいちだった。
時間もないので、俺は走ってサンセットアメリカンの部屋まで戻り、
三階から撮る事にした。
オレンジの海と女子5人がちょうどよいバランスでレンズの中に
おさまった。
「いい感じ!!!撮るぞ~~」
女子はみんなピースサインでにっこり笑顔。
みんないい顔してた。
けいちゃんもにっこり笑顔でなんか妙に嬉しかった。
サンセットも終わり、外は暗くなった。
みんなビールを買って外で飲んだ。
もちろんオリオンビールだ。
色んな話をした。やはり一番もり上がったのは怖い話だ。
学生の時って怖い話がやたらと多い。
俺もとっておきの怖い話をした。だが、全く恐れられずに
不発弾で終わった。
そうゆう話はいつも得意なのに、何か自分のリズムがおかしくて
全てにおいてうまくいかないのだ。
けいちゃんとはあまり会話がない。あまり目も合わない。
やはりよくなかったのか・・
楽しい時間のはずなのに、かなり落ち込んでる自分がいた。
完全に恋ですか・・?
これって恋?
もうはまっちゃった?
恋は自分を映す鏡。
俺にこんな一面あったんだとか・・
こんなにつらいんだとか・・
こんなに頑張れるんだとか・・
その相手が知らなかった自分を教えてくれる。
沢山の人に囲まれても
たった一人の心がこっちを向いてないだけで
孤独を感じでしまう
伝わらない想い
通じた気がした過去の時間
気持ちを伝えるにはあまりにも短い時間
楽しかった沖縄最後の夜はもしかしたら
悲しい夜になるかもしれない・・
だんだん大きくなる心を閉じようと
必死で笑顔をつくる。
関係ない話をする。
そんなうちに部屋での飲みになった。
最後の夜は話は盛り上がるもの。
もちろん、この部屋は大盛り上がり。
その中青山がこっそり俺に言う。
「どしたん?元気ないじゃん」
青山にはけいちゃんに恋をしてしまった事を
座間味の夜の海で話した。
一日目の出来ごとも。
だから、けいちゃんと俺に会話がない事も
気付いてて実は気にしてたようである。
「いやぁ、もしかしたらいけんかったかもな」
「そんなことなかろー、大丈夫じゃろう」
そんな事を話してても部屋では盛り上がってる。
けいちゃんはそこにはいない。
自分の部屋に戻ってしまっていた。
その事がさらに気持を沈めさせる。
部屋飲みも終わり、それぞれの部屋に入る。
ついにけいちゃんと会う事はなかった。
俺はまだ寝る気も出ずに、部屋の廊下から
外を眺めていた。
ずっとけいちゃんの事を考えていた。
沖縄最後の夜か・・
明日の朝は早朝の飛行機だ。だから女子と男子が会うのは
これで最後。
俺はそのまま東京に戻り、もう当分会う事はないのだ。
どうしてこんなに苦しいんだろう?
あの時見た天窓から差し込む月の明かりや、掌のぬくもりをふと思い出す。
こんなに胸を締め付けられたのはもしかして
初めてかもしれない。その時
「ガチャ」
ドアを開ける音。
けいちゃん?
振り向いたらけいちゃんがそこにいた。
部屋から出てきたのである。
そして俺の隣にきた。
「一人で何やっとるん?」
「いや、外みよった・・・」
しかももうこれだけ苦しい想いをしたら
もうまともに話しなんて出来ない。
何を話してもいいかわからないし、
もう、逆に大ピンチだ。
本人の顔は絶対に見れないので外見たまま
話した。
「沖縄楽しかったね。」
「う、うん。ほんまじゃ・・あっという間すぎよ」
「すぐ東京に帰るの?」
「一回広島戻ったらすぐ帰るよ」
会話は全くはずまない。もうおしゃべりな俺も話好きの俺の
そこにはいない。
ただ、好きな人を目の前にして取り乱してるだけだ。
その時にまたドアは開いた。
けいちゃんと同じ部屋で寝る予定のみかちゃんだ。
「けいこどこいったのかと思った。」
「今戻るよ~」
「またね。おやすみ」
けいちゃんは一度こっちを見て何かいいたい感じの顔つきで
部屋に戻った。
終わった。
きっとこれが最後のチャンスだっただろう。
沈んだ気持ちは天気さえ変えてしまうらしい。
急に激しい雨が降ってきた。
それでも戻る気にはなれず、顔は散ってくる雨で
濡れてしまった。
この状況で雨か・・きついな・・
でもこれは明らかに俺がわるい。
チャンスは与えてくれたのだ。
その時にもしかしたら気持ちを言えたかもしれない。
付き合いたいとかよりも、気持ちを伝えたかったのだ。
自分が悪いし、きっと後悔するけど(もうしてるけど)
でも何もないよりはましだろう。
一度でも会えたし、話せたし。
そう自分に言い聞かせてたら、酒井も青山も出てきた。
「まだ寝んのんか?」
明らかに心配されてるのでちゃんと話した。
「やっぱ恋してしまったみたいじゃわ。でもさっき少し話せたんよ。
それだけでもよかった。」
青山はいう
「お前やっぱ気にいったよな~最初から思ってたけどまさか
ここまでとは思わんかった」
酒井が突然口開く。
「一緒に寝りゃあええじゃないか。気にいっとるんじゃろう?」
「は???」
何いっとるんだこの人は。そんな事出来るくらいなら
とっくにしている。
寝るどころか話もできなかったのだ。
びっくりしてる所に違う部屋の女子が出てくる。
「何しとるん?おしゃべり~?」
酒井がその女子に言う。
「いけなががけいちゃん気にいったんよ。一緒に寝かせてやってくれえや」
「ちょ、ちょい待ってや!なんで!無茶いうなよ」
俺はてんぱりまくり。その女子あっさり。
「え?そうなん?わかった」
すぐにけいちゃんの部屋に行って話にいく。
俺は焦りまくり。
これ・・どうしよう・・・
すぐに戻ってきた。
「OKよ~今けいこ風呂に入ってるからここで待っててね。呼びにくるって」
青山「すげぇな、やったじゃん!それにしてもどう言ったの?」
「え?あたしがあきよしと一緒に寝たいから部屋変わってっていったのよ」
バクンバクン
予想外の大展開に
俺の心臓は東西南北に動いてた。
みんな部屋に戻っていく。
「それじゃあ頑張ってね~」
どうしよう
どうしよう
心の整理を付けるために落ち着かせるのに必死だった。
もしかしたら急に気が変わってなくなるかもしれない。
しばらく時間が経っても一向に
呼ばれる気がしない。
おれはずっと廊下で座って待ってた。
このまま朝かもな・・
そう思ったら明らかに長い時間で
もしかしたら困ってるかもしれない。
そんな感じだったら部屋に戻る事を
告げようと思って
ドアを開ける事にした。
それでもドアの前で経ちっぱなし。
やっぱり開けるのに勇気がいる。
でもそれでは始まらないので開ける事にした。
そーっと開けてちょっとだけ
中を覗いてみる。
寝てたらもうそのまま戻ろうとしたが、
中をのぞくとそこにも目があった
「!!!!!!!!!」
なんとけいちゃんもどうしたらいいかわからずに
ドアから廊下を覗いたのだ。
二人の顔は目の前に。
びっくりしたけど、その偶然に笑えて
そのまま部屋に入る事が出来た。
今日・・
一緒に寝るんだ・・
心臓の動きが早いに加えて
手に汗までかいてきた。
けいちゃんはふろ上がりでほんのり
髪が濡れていた。
いつの間にか止んだ雨の音。
静かな部屋。
開けっぱなしの窓の向こうからは
聞こえる波の音。
「うちすっぴんじゃけぇ恥ずかしいわぁ」
「そんなん全然かわらんじゃん」
「あの子あきよしと寝たいって言いよったよ」
「そ、そうなんだ~」
明らかに俺の為にしてくれた事なのに
しらばっくれて俺はなんてやつだ。
二人はベッドに座って
少しだけ話した後、けいちゃんに言った。
「寝転がって話そうか」
「うん」
俺は電気を消した。
外から漏れる光で部屋は
薄暗かった。
沖縄最後の夜にこの旅行で恋をしてしまった人が
隣にいる
二人だけの時間を波の音が優しく包む。
さっきまでの焦りや不安はもうなく、何も飾らない
素直な自分がそこにいた。
「さっき廊下にいた時にで出てきてくれてありがとう。
もう会えないかと思ってたから嬉しかったよ。」
続く
俺たちは車に乗り込み、エンジンをかけると
入れっぱなしのディアマンテスのCDが流れる。
国道58号線を向かってると俺の好きな沖縄ミ・アモール
が流れる。
船で聴いてる感じとは気持が全然違った。
どっちかと言うと旅行に行ってて、故郷に帰ってきたみたいな
そんな不思議な気持ちだった。
最後の夜は女子と合流して飲み会だ。宿は北谷という場所の
サンセットアメリカンホテル。
男二人ずつ、女二人と三人ずつの合計4部屋とったらしい。
だんだん北谷が近づくにつれて、胸がドキドキしてきた。
もうすぐけいちゃんに会えるというドキドキと、照れくささと
両方でどうしたらいいかわからなかった。
北谷に着いて女子軍団との再会。青ちゃんは会ってすぐに話す。
「座間味島ぶちよかったで~」
北谷のサンセットアメリカンホテルの前は目の前が海になってて
夕方はちょうど夕日が目の前で沈むらしい。
まだ明るいから俺たちは一度部屋に戻って荷物を置いてから
また下に降りて海の前の防波堤で座って話した。
俺ときたらそんな中一人で不安を感じてて、それは的中する。
けいちゃんと全然目が合わない。
こりゃまいったな~・・予想通りだ。
こっちからすると向こうがどんな気持かはわからない。
手を繋いだのも、もしかしたらホロ酔いの出来事で
後悔してるかもしれない・・
そう思い始めると不安は大きくなる。なのであまり考えないように
した。考えたら考えた分だけダメになってしまう性格だからだ。
そうしてるとサンセットの時間になってきた。
だんだん海がオレンジに染まり始める。
女子は大騒ぎ。その中の誰かがみんなで記念撮影したいと
言い始めた。
俺は写真は得意な方なので俺が引き受けた。
しかし、この壮大な景色を撮るにはこの距離だといまいちだった。
時間もないので、俺は走ってサンセットアメリカンの部屋まで戻り、
三階から撮る事にした。
オレンジの海と女子5人がちょうどよいバランスでレンズの中に
おさまった。
「いい感じ!!!撮るぞ~~」
女子はみんなピースサインでにっこり笑顔。
みんないい顔してた。
けいちゃんもにっこり笑顔でなんか妙に嬉しかった。
サンセットも終わり、外は暗くなった。
みんなビールを買って外で飲んだ。
もちろんオリオンビールだ。
色んな話をした。やはり一番もり上がったのは怖い話だ。
学生の時って怖い話がやたらと多い。
俺もとっておきの怖い話をした。だが、全く恐れられずに
不発弾で終わった。
そうゆう話はいつも得意なのに、何か自分のリズムがおかしくて
全てにおいてうまくいかないのだ。
けいちゃんとはあまり会話がない。あまり目も合わない。
やはりよくなかったのか・・
楽しい時間のはずなのに、かなり落ち込んでる自分がいた。
完全に恋ですか・・?
これって恋?
もうはまっちゃった?
恋は自分を映す鏡。
俺にこんな一面あったんだとか・・
こんなにつらいんだとか・・
こんなに頑張れるんだとか・・
その相手が知らなかった自分を教えてくれる。
沢山の人に囲まれても
たった一人の心がこっちを向いてないだけで
孤独を感じでしまう
伝わらない想い
通じた気がした過去の時間
気持ちを伝えるにはあまりにも短い時間
楽しかった沖縄最後の夜はもしかしたら
悲しい夜になるかもしれない・・
だんだん大きくなる心を閉じようと
必死で笑顔をつくる。
関係ない話をする。
そんなうちに部屋での飲みになった。
最後の夜は話は盛り上がるもの。
もちろん、この部屋は大盛り上がり。
その中青山がこっそり俺に言う。
「どしたん?元気ないじゃん」
青山にはけいちゃんに恋をしてしまった事を
座間味の夜の海で話した。
一日目の出来ごとも。
だから、けいちゃんと俺に会話がない事も
気付いてて実は気にしてたようである。
「いやぁ、もしかしたらいけんかったかもな」
「そんなことなかろー、大丈夫じゃろう」
そんな事を話してても部屋では盛り上がってる。
けいちゃんはそこにはいない。
自分の部屋に戻ってしまっていた。
その事がさらに気持を沈めさせる。
部屋飲みも終わり、それぞれの部屋に入る。
ついにけいちゃんと会う事はなかった。
俺はまだ寝る気も出ずに、部屋の廊下から
外を眺めていた。
ずっとけいちゃんの事を考えていた。
沖縄最後の夜か・・
明日の朝は早朝の飛行機だ。だから女子と男子が会うのは
これで最後。
俺はそのまま東京に戻り、もう当分会う事はないのだ。
どうしてこんなに苦しいんだろう?
あの時見た天窓から差し込む月の明かりや、掌のぬくもりをふと思い出す。
こんなに胸を締め付けられたのはもしかして
初めてかもしれない。その時
「ガチャ」
ドアを開ける音。
けいちゃん?
振り向いたらけいちゃんがそこにいた。
部屋から出てきたのである。
そして俺の隣にきた。
「一人で何やっとるん?」
「いや、外みよった・・・」
しかももうこれだけ苦しい想いをしたら
もうまともに話しなんて出来ない。
何を話してもいいかわからないし、
もう、逆に大ピンチだ。
本人の顔は絶対に見れないので外見たまま
話した。
「沖縄楽しかったね。」
「う、うん。ほんまじゃ・・あっという間すぎよ」
「すぐ東京に帰るの?」
「一回広島戻ったらすぐ帰るよ」
会話は全くはずまない。もうおしゃべりな俺も話好きの俺の
そこにはいない。
ただ、好きな人を目の前にして取り乱してるだけだ。
その時にまたドアは開いた。
けいちゃんと同じ部屋で寝る予定のみかちゃんだ。
「けいこどこいったのかと思った。」
「今戻るよ~」
「またね。おやすみ」
けいちゃんは一度こっちを見て何かいいたい感じの顔つきで
部屋に戻った。
終わった。
きっとこれが最後のチャンスだっただろう。
沈んだ気持ちは天気さえ変えてしまうらしい。
急に激しい雨が降ってきた。
それでも戻る気にはなれず、顔は散ってくる雨で
濡れてしまった。
この状況で雨か・・きついな・・
でもこれは明らかに俺がわるい。
チャンスは与えてくれたのだ。
その時にもしかしたら気持ちを言えたかもしれない。
付き合いたいとかよりも、気持ちを伝えたかったのだ。
自分が悪いし、きっと後悔するけど(もうしてるけど)
でも何もないよりはましだろう。
一度でも会えたし、話せたし。
そう自分に言い聞かせてたら、酒井も青山も出てきた。
「まだ寝んのんか?」
明らかに心配されてるのでちゃんと話した。
「やっぱ恋してしまったみたいじゃわ。でもさっき少し話せたんよ。
それだけでもよかった。」
青山はいう
「お前やっぱ気にいったよな~最初から思ってたけどまさか
ここまでとは思わんかった」
酒井が突然口開く。
「一緒に寝りゃあええじゃないか。気にいっとるんじゃろう?」
「は???」
何いっとるんだこの人は。そんな事出来るくらいなら
とっくにしている。
寝るどころか話もできなかったのだ。
びっくりしてる所に違う部屋の女子が出てくる。
「何しとるん?おしゃべり~?」
酒井がその女子に言う。
「いけなががけいちゃん気にいったんよ。一緒に寝かせてやってくれえや」
「ちょ、ちょい待ってや!なんで!無茶いうなよ」
俺はてんぱりまくり。その女子あっさり。
「え?そうなん?わかった」
すぐにけいちゃんの部屋に行って話にいく。
俺は焦りまくり。
これ・・どうしよう・・・
すぐに戻ってきた。
「OKよ~今けいこ風呂に入ってるからここで待っててね。呼びにくるって」
青山「すげぇな、やったじゃん!それにしてもどう言ったの?」
「え?あたしがあきよしと一緒に寝たいから部屋変わってっていったのよ」
バクンバクン
予想外の大展開に
俺の心臓は東西南北に動いてた。
みんな部屋に戻っていく。
「それじゃあ頑張ってね~」
どうしよう
どうしよう
心の整理を付けるために落ち着かせるのに必死だった。
もしかしたら急に気が変わってなくなるかもしれない。
しばらく時間が経っても一向に
呼ばれる気がしない。
おれはずっと廊下で座って待ってた。
このまま朝かもな・・
そう思ったら明らかに長い時間で
もしかしたら困ってるかもしれない。
そんな感じだったら部屋に戻る事を
告げようと思って
ドアを開ける事にした。
それでもドアの前で経ちっぱなし。
やっぱり開けるのに勇気がいる。
でもそれでは始まらないので開ける事にした。
そーっと開けてちょっとだけ
中を覗いてみる。
寝てたらもうそのまま戻ろうとしたが、
中をのぞくとそこにも目があった
「!!!!!!!!!」
なんとけいちゃんもどうしたらいいかわからずに
ドアから廊下を覗いたのだ。
二人の顔は目の前に。
びっくりしたけど、その偶然に笑えて
そのまま部屋に入る事が出来た。
今日・・
一緒に寝るんだ・・
心臓の動きが早いに加えて
手に汗までかいてきた。
けいちゃんはふろ上がりでほんのり
髪が濡れていた。
いつの間にか止んだ雨の音。
静かな部屋。
開けっぱなしの窓の向こうからは
聞こえる波の音。
「うちすっぴんじゃけぇ恥ずかしいわぁ」
「そんなん全然かわらんじゃん」
「あの子あきよしと寝たいって言いよったよ」
「そ、そうなんだ~」
明らかに俺の為にしてくれた事なのに
しらばっくれて俺はなんてやつだ。
二人はベッドに座って
少しだけ話した後、けいちゃんに言った。
「寝転がって話そうか」
「うん」
俺は電気を消した。
外から漏れる光で部屋は
薄暗かった。
沖縄最後の夜にこの旅行で恋をしてしまった人が
隣にいる
二人だけの時間を波の音が優しく包む。
さっきまでの焦りや不安はもうなく、何も飾らない
素直な自分がそこにいた。
「さっき廊下にいた時にで出てきてくれてありがとう。
もう会えないかと思ってたから嬉しかったよ。」
続く