その後の話

こっち来てから、もう連絡を取ることはないと思ってた。
なのに、電話してしまって…。
そんなこと、しなければよかったかな。

だってむこうは確実に前に進もうとしてた。

引きとめようとしたのは、うちだ。
頼ったのは、心配させたのは、面倒かけたのは、うちだ。
ほんとに成長しないなあ…。
自分でもいやになるくらい、弱いところが露出する。
そんなときに話がしたくなるのは、今でも１人しかいないんだよ。

うち、だめだなあ。

でももうそんなに連絡を取っていなかった。
そしたら、あるサイトのむこうのページ、何度アクセスしても見られなかった。
アクセスブロック？って思って、何もそこまでしなくてもって思って、
ショックだった。ひどいと思って、腹が立った。

でももうこれで縁が切れるのかもしれない、とも思った。
楽になれるかも知れない、と思った。
でもいやだった。

いやな想いをしたから、忘れてしまおうとするくらいなら、
痛みを残したまま、少しずつ忘れていく方がいいと思った。

結局、なんで？って聞きに電話してしまった。
そしたら、そんなことしてないって。アクセスブロックってなに？って言われた。
気が抜けてくのがわかった。ほっとしてた。笑いたくなった。

よかった。

別の日に電話かかってきて、久しぶりにたくさん話した。
それでまた、いろいろと相談にのってもらって、やっぱしすごいなあって思った。
うちでは考えつかないことを言う。
なんとなくわかってるけど、ぼんやりしてることを、すっきりと晴らしてくれる。
ああ、そうだ。がんばろう、と思わせてくれる。

そのとき言われたこと。
うち、素直じゃないから、うんって言えなかった。
そうだよ。今さら気づいたの？遅いなあ、って言いたかった。
それを言ったところで、どうなるわけでもないんだけど。
言えばよかったのに、困らせるかもしれないし、今の関係が壊れるかもしれない
と思って、それから少しビックリして言えなかった。

のどでつかえて言えないコトバがあるよ。

飲み込むしかないそのコトバは、いつになったら飲み込まずにすむのだろう。

うちが内地に帰ったら、会いに行ってもいいの？
よくうちにはいろいろと聞くけど、むこうはどう思ってるんだろう。
会いたいと思う？恋しいと思う？

うちは…。

会いたいよ。