ジャッキーのつれづれ日記

アヒルと鴨のコインロッカー

だいぶ気になる本だったのだけど、
なんとなく読んでなかった。
伊坂幸太郎も気になってた。
ほとぼりが冷めたここらで、読んでみようと思った。





「アヒルと鴨のコインロッカー」
伊坂幸太郎
創元推理文庫








せつないミステリーだった。
いや、ミステリーというより、ラブストーリーに近い。
なんだろ、何て言ったらいいかわからないせつなさがあった。

ドルジは琴美をとても愛していたし、河崎が大事だった。
琴美は動物を愛していたし、ドルジを愛していた。
きっと河崎のことだって、嫌いじゃなかったはずだ。
河崎はドルジと琴美を、愛を越えて大切だったのだろう。

ブータンという国は、行ったことがないけれど、
ドルジのように温かい人が多いのだろう。
ブータンでは生まれ変わりを信じていたから、
今だけが大事なのではなく、次の人生もその次も
大切だと思っていた。

それを信じられない琴美と河崎が、最後はそれを信じていた。
なのに、信じていたドルジは2人の死を受け入れられなかった。
かなしくてつらくて、また会えるよ、とは言えなかった。
「死」とは、そして遺された人とは、そういうことだと思った。

計画を実行しようかどうしようか、きっとドルジは迷ってた。
そこにディランを歌う隣人が現れた。
それがきっかけで、ドルジはいろんなことを思い出して、
実行することにしたんじゃないかな。

神様が世界を見てるけど、この出来事だけは見ないでくださいと
祈るドルジがせつなくて、それをコインロッカーに隠す、というところが
とてもきれいで、なんてきれいな話なのだろうと思った。

最後に琴美が見た、夢のような光景は現実なのだろうか。
現実ならドルジは、琴美が愛した動物を助けたんだ。

平和でいとおしい日常を綴った2年前の話は、
取り戻せなくて、とてもせつない。
河崎を襲った病魔も、琴美を奪った出来事も
それさえなければ、ドルジはきっと幸せだったのに。

ああ、どうか神様。
ドルジが信じた生まれ変わりが確かにあって、
来世でドルジと琴美と河崎が、どうか幸せに生きられますように。
そんなふうに思う話でしたよー。

映画も観たいな。今度借りてこようか。
スカパーでやんないかな。

そしてうちは伊坂幸太郎の話は好きだと思った。
他のも読もうっと。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「読書感想文」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事