J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

ジャワ島地震

2006年07月17日 | 地震関連・防災
17日午後3時19分ごろ、インドネシア・ジャワ島南方のインド洋を震源とする地震。
米地質調査所によると、M7・2で、震源はジャカルタの南約355キロ、深さ約49キロ。

共同通信、毎日新聞、読売新聞によれば、
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ハワイの太平洋津波警報センターは地震発生後、津波の危険性があると警告していた。
現地からの報道によると、高さ数メートルの津波で海岸近くのホテルや民家が破壊され、海岸地域一帯は洪水状態となった。全域で停電となり、海岸付近の数千人が高台に避難しているという。
地震の揺れが感じられなかった中部ジャワ州でも、インド洋に面した海岸から約1キロの地点まで約1メートルの波が押し寄せ、住民たちが一斉に避難している。
地元メディアによれば、海岸沿いの民宿や家屋が津波で破壊された模様で、死者数はさらに増える可能性もある。
地元住民によると、津波は2度にわたり海岸に到達。いずれも高さは数メートル程度と見られる。
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ジャワ島では5月27日にもジョクジャカルタ特別州などが地震に見舞われ、5700人以上が死亡している。

まだ今後の情報で、再びの地震がもたらした被害が更新されてくるだろう。

まったく、他人事ではない。
静岡県立大学にも、インドネシアからの素晴らしい留学生がいた。
国民さえも未知の島がたくさんあるという。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/indonesia/index.html(外務省サイトより)
その数、1000以上を数えると聞いた。

5月のジャワ島地震の折とは違って、津波も襲った。
スマトラ島沖地震の津波災害の教訓は、生きていたのだろうか。


5月28日。
ジャワ島にM6,2の地震が起こった知らせを聞いた翌朝。
静岡徳州会病院の外科医、河内順医師の姿は、成田空港にあった。

スマトラ島を津波が襲った時、フィリピン・レイテ島で地すべりが起こった時に続いて、
3度目の、災害医療の為の渡航。

向かった空港は、被災して、降りることかなわず。その晩は、バリに宿泊し、次の朝、最寄の無事な空港に降り立ち、そこから現地にバスで向かう。

到着した時には、発災後、48時間が経過していた。それでも、最速の到着。2番目の被害といわれたバントゥル県ジェティス村で、診療を開始する。

村は、ほぼ100%の損壊被害。わずかに、診療所が残ったのは、不幸中の幸いか。

頭部、腹部、胸部の外傷を受けた患者は、48時間後では、おおよその決着がついてしまっている。都会の病院に運ばれているか、既に亡くなっているか。急性期を過ぎた現地では、骨折と切り傷の患者が治療を待ち受ける。

しかし、診療開始当日は、思ったより患者の数が少ない。実は、現地の人々は、治療を受けられる体制が整ったことを知らないからだ。

やがて、ラジオで診療所の情報を聞きつけ、訪問する患者で息つく暇もないほどに。用意したギプスが足りなくなる。あちこちから副木になる材料を調達し、間に合わせる。あれほど準備したガーゼがなくなる。布を手に入れては、消毒して使う。

やがて、日が経つにつれ、変化が表れる。
外傷の患者から、感染症や脳梗塞など、いわば、被災した結果の罹患や、適応症の悪化が増えてくる。PTSDの様相を呈した患者も。

災害医療に立ち会った河内順医師は、さらに、現地の様子をこう話してくれた。

いかに被災者は、情報を聞こうと必死にラジオに耳を傾けているか。
そして、被災者は、悲惨な状況を盛んに報道されるが、実際は、乗り越えようと努力し、力を合わせ、困難に立ち向かっていた。

それは、田舎の村だからかもしれないが、と河内医師は付け加えながら語った。

日本人か、ちょっとこっちへ来いよ、と気軽に声を掛けてくれる。村民は、お互いに助け合っている。譲り合い、助け合う。負けずにがんばろうとする。ひょっとすると、日頃からのコミュニティの存在が、大きくものを言っているのかもしれない。嫌な隣人と仲良くしろとは言わない、しかし、私たちも、声を掛け合って暮らす生き方が大切なのではないか。

そして、もしもの時のための初期手当ては、一般人も心得として知っておけば、何も出来ない、手を施せない辛い場面が、若干でも減るのではないか。

沢山のことを、深い思いを、河内順医師から伝えてもらった。

こうして災害現場に飛ぶのも、もとはと言えば、医師になったのも、命を何とか助け合いたい思い。

彼は、そのために、できるために、学び、訓練し、医師の生活をしている。

災害は、どれほど想定しても、しきれない、と言う。
何故、こんな傷を負うのか、と不思議になることも多々あると言う。
病院に行き着いても、ごった返す混乱した現場で、治療を受けられないこともあると言う。
診療所の医師が、半数も来所できないままだったという。

その時に、病院は被災せずにあるのか、医師や看護士、薬剤師は、無事に診療に駆けつけられるのか、医療品は手に入るのか、患者の数に見合うベッドはあるのか、そのときトリアージを本当に受け入れられるのか。
きり無く悲惨な事態はありうる。

その時に、最後に残された秩序は、人々の良心。

日本でも、大雨被害が続いている。

気象庁は17日、梅雨前線の影響で、石川、福井、長野、岐阜、島根各県などで24時間雨量が150-200ミリに達する大雨になっており、18日夕方にかけてもさらに激しい雨になる恐れがあるとして、土砂災害や河川のはんらんなどに注意を呼び掛けた。(共同通信)

無事を祈りたい。
そして、全ての災害被災地に、祈りを捧げます。


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