ガシャン！

型抜きをしていた。1等は『お客付き芝居小屋』2等は『芝居小屋のみ』3等は『特製モンブランケーキ』私は1等を取る為に必死だった。弱気になると3等だっていいから獲得したいと思いながらも必死だった。そんな夢の中、表で凄まじい音が聞こえて目が覚めた。ガッシャーンと車がぶつかるような音。ありゃ、かなりやっちゃったな。ところが不思議な事に、それから大きな破壊音がしばらく続いた。ガシャンガシャンガシャン…。おぼろな目を半開き、時計を見ると朝方四時近く。なんだよ、迷惑だな。こんな時間にさー。と思いつつも窓から覗きたい気持ち満タン。けど、睡魔に勝てず、夢と現実の狭間で、表を透視する。ぶつかった車はドアが半分壊れて閉まらなくなり、そのままで運転するのは危険だからと運転手は、素手でドアを破壊し取ろうとしたが、なかなかうまく取れず、通る人もいないから手伝ってくれる人もいなく、そもそもこんな時間まで長話をしたアイツが悪い！しかも儲け話をしたあとに、こんなバカバカしい修理代でいくらかかるんだ！それに最近の天気ときたら急に降ったりやんだりで、金持ちならいいが、いらぬ傘持ち
だ！畜生！とイライラが積もり、壊れたドアの窓をガシャンガシャンと叩き壊している。と、私はみた。型抜きは失敗。ガシャンと音をたてて壊れた。そして、ひつこい余韻でガシャンガシャン…。見てろよ。絶対諦めない。私は夢の中で巻上真美という名前になっていた。