元衆議院議員 いなとみ修二の新着情報!!

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被災地・宮城県気仙沼市の視察報告1:児童養護施設を訪問

2011-04-19 | 2012年までのいなとみ修二の活動

いなとみは、2011年4月18日(月)、被災地・宮城県気仙沼市を訪問し、児童養護施設の被害状況や被災地の子どもたちの状況を調査しました。現地の様子を、写真を交えてご報告いたします。

訪問したのは、気仙沼市の児童養護施設、旭ヶ丘学園。1940年に設立され、2歳から19歳まで、70人超の子どもたちを預かっています。

所長の菅原さん、園長の小原さんより、旭ヶ丘学園ほか被災3県の児童養護施設の被害状況についてお話を聞くことができました。

児童養護施設は、岩手に6、宮城に5、福島に8ありますが、これらの施設に人的な被害はなく、壁にひびが入ったり、タイルがはがれたりという建物の一部破損で今のところは済んでいるそうです。今後、詳しい調査を行えば修繕が必要なところも出てくるかと思いますが、まずは部分的な被害で済んでよかったとのことでした。ただ、福島に関しては一か所、福島原発の影響で一時的に避難を余儀なくされた施設があったそうです。

しかし、震災後しばらくは旭ヶ丘学園でも電力や燃料が不足し、備蓄の食料だけでは施設児童や地域からの避難者の食事を賄いきれず、ご苦労されたようでした。

目に見えにくい、間接的な被害もあります。

例えば、地域小規模児童養護施設。これは、「少人数のグループで地域社会に溶け込み家庭的な環境づくりに努める」ための施設であり、主に一軒家を借りて運営していますが、オーナーさんの自宅が被災したために家屋を返還する必要の生じたところが多々あるそうです。児童のほうは旭ヶ丘学園に戻ってきてもらえば良いのですが、スタッフのほうは地域小規模の施設に措置された予算によってその人件費が賄われていたので、特別な配慮が必要、とのことでした。

さらに、17歳、18歳以上の子どもたちの問題があります。児童福祉法上、施設に入所できるのは18歳までですが、2年間の延長措置が認められています。しかし、この期間を過ぎれば出なくてはなりません。今回の震災で、内定取り消しや就職難、大学側の被災等の問題が生じ、自立したくてもできない児童もいることが予想されます。社会全体で、子どもたちのソフトランディングを手助けすることも必要です。

 気仙沼はまだ風が肌寒いですが、子どもたちは元気に遊んでおり、ほほえましく感じました。

子どもたちは、選挙権を持っておらず、直接国政に訴えることもありません。しかし、この国の未来を担う重要な存在です。時に叱り、時に褒めながら、彼らがその暮らしや教育の面で機会を制限されることのないよう「社会全体で子育てをする」ことが、私たち大人の務めだと考えます。

この震災で、多くの子どもたちが被災しました。「被災地とNPOをつないで支えるプロジェクト(つなプロ)」の4/4~4/11の避難所アセスメント分析結果によると、宮城県の115の避難所における子どもの数は、確認できているだけで951人に上るそうです。現在、あしなが育英会、ユニセフ、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン等、多くのNGOが彼らに支援の手を差し伸べており、政府や行政のほうでも、教育や心のケアの面で、いろいろな施策を講じています。

しかし、最終的には、自分の力で生きていける大人になるまで、社会のひとりひとりが子どもたちの行く末に関心を持ち続けることが、何よりも大切なことなのだと感じています。