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田舎村・改

音楽、ケータイ、マンガ、ドラマをこよなく愛する稲稲作が送る雑記です。

ドラマ「3年B組金八先生」感想

2006-01-03 01:38:17 | ドラマ
 去る12月30日に、金八先生の第7シリーズの完結編が放送されました。2004年10月~2005年3月にかけて放送された第7シリーズは、金八の生徒が麻薬汚染され、ラストは少年院へ護送されるという衝撃の内容でした。この完結編では、その少年・丸山しゅう(八乙女光)が少年院に収容されてから社会復帰するまでの過程が描かれています。
 金八先生は、第4シリーズから見始めました。これまでも幾多の問題が3Bで勃発してきたわけですが、今回の麻薬問題は、常軌を逸してるなというのが正直な感想です。自分が軽々しく口を出していいような問題じゃないのはわかるんですが、いちドラマ視聴者として、果たして今シリーズの描写が適切だったかというと、疑問が残ります。
 麻薬を扱うこと自体は、問題提起にもなり、反対ではありません。しかし、中学生が麻薬を使用して中毒に至るまでの過程を克明に描くのは、いかがなものかと思います。具体的に言うと、しゅうが崇(鮎川太陽)の自殺未遂に心を痛め、父親が自宅に隠していた麻薬を腕から注入してしまうシーン。ここを放送することは、局内でも相当物議を醸したのではないでしょうか? その後、しゅうは常習的に麻薬を使用することになり、ついに幻覚や幻聴などの副作用に襲われることに…。確かに金八先生の言う「ドラッグを憎め!」というメッセージは痛いほど伝わりました。しかし、生徒が実際にドラッグを使うシーンを描くのは、どうなんでしょう。このドラマを見た中高生が、しゅうと同じような苦境に立たされたとき、あのドラッグのシーンが頭をよぎる可能性は否定できないでしょう。もちろん、頭では「ドラッグ=悪」ということはわかります。でも人間、追い詰められると理屈で物事は考えられません。精神的に未熟な中高生ともなると、なおさらです。あのドラッグの描写は、ドラッグに対する問題提起を高めるというメッセージ性を持つ反面、ドラッグが苦しさを紛らわせる手段の1つであるという認識を生んでしまう恐れもあるわけです。脚本家やプロデューサーが意図したとおりのメッセージを視聴者全員が受け取るとは限らないということを、もう少し認識してほしいと思いました。一方で、「金八先生」の作中でも触れられていますが、地域社会が一体となって子供たちを守るための取り組みを促進していこうという動きには賛成です。ゲームセンター経由で簡単に麻薬を購入できてしまう実状を考えると、もはや子供と親だけの問題ではありませんからね。

 今回の完結編では、「またドラッグに溺れてしまうのではないか」と不安になるしゅうを、結束した3Bが見事に救い、しゅうは無事卒業式を迎えられました。…この話の流れは無理がなく、スッキリまとまって、よかったのではないかと思います。3月からくすぶっていた胸のつかえがようやく取れたというか。一方で、しゅうと同じ部屋に住んでいた先輩は、失恋から麻薬に再び手を出してしまい、再起不能になってしまうという惨い展開に…。その後のフォローはなく、結局この先輩は助かったのかどうかもわからず、少し後味が悪い部分もありました。「一度ドラッグに手を出して、やめられる確率は30%」という厳しい現実を、ここで描きたかったのでしょうね…。でも、これもあそこまでリアルに描くべきだったかどうかというと、やはり疑問です。
 ただ、ここまで問題提起してくれたのは純粋に凄いと思いますし、もはや「学園ドラマ」という枠を超えて、社会問題として「金八先生」は存在するのだな、とも思いました。

 最後に生徒について、さらりと。メインキャラでもある丸山しゅう。陰のある雰囲気を見事に出していたと思いますが、第5シリーズの兼末健次郎(風間俊介)、第6シリーズの鶴本直(上戸彩)と比べると、いささかインパクトに欠けていたように思えます。役柄を考えると仕方ないのかもしれませんが、演技が一本調子だったかと。もう少し感情の起伏というか、メリハリがあってもよかったのではないかと思います。あ、でも最後の答辞は感動しました。あと、しゅうの親友・崇の演技もちょっと「?」だったかなー。けっこう噛んでましたよね。。ま、でも彼らはまだ若いので、今後に期待ってとこでしょうね。黒川智花は、早くも逸材振りを発揮していますが。

 今作は「ドラッグ」に焦点を当てすぎたためか、1人1人の生徒の描写が不足していた印象もありました。ま、そこは仕方ないのかな…。とにかく、いろいろと考えさせられるドラマでした。これで完結といわず、ぜひ第8シリーズも放映してほしいものです。
 …なんか文章うまくまとめられず、すみません。あくまで私見です…。


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