(仮)日本の医療 

医療の歴史を観る
文責 岡村常実

がんもどきの癌化率は6%で死亡率は1.5% 子宮頸がん(2011年)

2015-12-02 23:24:59 | コラム



下グラフは、がんもどき(転移しない癌)の発生頻度と子宮頸がんの年齢階級別割合です。厚労省では国際疾病分類-腫瘍学(NCC監修)第3版(2012年改正版)ICD-O」を使用していて、ICD(International Statistical Classification of Diseases 国際疾病分類 )では転移しない癌はD0~D09に、転移するがんはC00~C97に各々分類されています。転移しない癌は、食道、大腸、肺、皮膚、乳房、子宮、膀胱とありますが、女性特有の癌には無転移癌の発生頻度が高く、妊娠や出産を控えた女性に治療の方針決定や癌保険取扱に混乱が生じている様です。


 

 



子宮で約半数、頸部で65%と半数以上です。頸部の年代別では20~24歳で91%を、15~19歳で100%をがんもどき(0期)が占めています。チョットナ~と云う感じ。組織診CIN3(上皮内がん相当)サブクラスの病変体(CIN1)では2年以内にHPV(癌因子ウイルス)と共に自然消退が半数以上あるとは云うが・・・。



 

 

 

 

 


上のフローは子宮頸がんの自然進行プロセスで、開始10000人からの展開を日本女性20歳代人口600万人で再マップし、統計の実数(Data)との整合性を検証したのが下フローだ。

 

 

検診率が100%になったなら・・・?

20歳代の場合(20代女性人口600万人)

20歳代の子宮頸がん検診率は推定10~20%位(厚労省:11% 日本医師会:20%)で、統計では3650人が上皮内がん(CIN3相当)と診断されています。もし100%検診と仮定した場合には10倍の3.6万人の患者群を創出し、浸潤がんに成長するには約10年後の30歳代で6~7%の2300人(2011年統計 30~39歳=2302人)。つまり、このがんもどきを放置して浸潤がんになる確率は6~7%程度で、この6~7%の上皮内がん患者に加療する事で当然何年後かの浸潤癌患者、更には死亡者(統計50歳未満合計626人)も≒0人と期待は出来るが、CIN2以上の約3.6万人の治療が要求される。1人の救命に58人もの治療が必須。

 

 

全年齢で検診100%の場合

全年齢モデルに従えば日本女性人口6400万人として、感染者は3800万人、前癌期潜在者CIN2/3は38万人(1%)で、浸潤癌潜在予備軍が3.8万人(感染者の0,1%)。死亡者2737人(2011年統計)を救命するには38万人、つまり患者一人を救命しようとするには138人の治療が必要とされる。

 

因みに1975年から2011年間(35年間)の上皮内がんを含む頸がん全年齢罹患者累計は547828人。浸潤癌罹患者累計は331517人、死亡者の累計は76528人。

 

HPV感染からCIN3に進展する期間は約10年と言われ、この期間に適正な治療が行われば完治すると云う。

 

厚生労働省の子宮癌検診の指針が改定され検診対象年齢は20歳以上となったのに従い上皮内癌の罹患者は増加している。が、しかし死亡者或いは浸潤癌罹患者に顕著な影響がみられない。

 

 





癌・致死率推移(過去20年間から)

2015-10-12 18:56:29 | コラム

 

軍隊に例えれば、A隊もB隊も10人が戦死すれば死亡率は同じですが、A部隊の総勢が10人であれば全滅で、B隊の総勢が20人であった場合は半数の兵隊が助かることになります。そのような情報を与えてくれるのが致死率です。 

 

 

癌・致死率推移

有病期間: 発病してから死亡或いは完治するまでの期間。

数式では有病期間=有病者数/罹患者数。 patient Survey2011 から有病者数を、cancer_incidence(1975-2011) からは罹患者数を引数して有病期間を算出した。

期間致死率: 1991年ー2011年間の累計された死亡者数/罹患者数。

致死率推移: 有病期間を2年から3年として、その区間の累計から追次的に致死率を求めグラフ化した。 

 

癌全般的には2000年以降致死率は降下傾向にある。これは医療技術の水準、特に癌マーカーの開発などによる罹患者の増加が理由なのかも知れない。前立腺がんでは2011年致死率は15%と期首の半数以下で、PSAが大きく影響していると云ってよいと思われる。一方、発掘し難い癌の致死率は高い。


SOURCE

cancer_mortality(1958-2013)

cancer_incidence(1975-2011)

平成23年患者調査(傷病分類編) - 厚生労働省 

Patient Survey2011

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h23syobyo.pdf

 


 


癌・予後統計(20年間の致死率・入通院率・完治率)

2015-10-07 23:22:52 | コラム

過去20年間、癌発症者(罹患者)数累計を母数とした死亡率(致死率)・有病率(入通院・総患者数)及び完治率(統計上消息不明者)の割合を癌種別に推定した。年次毎の死亡者数/有病者数の比率では然程高率では無い。だが、累計での死亡者率では以外に厳しい結果だ。但し、EXCEL 集計なので演数に瑕疵があるかも知れない。僕的には参考にでもして貰えればGOODである。

 

有病者数(罹患者総数)は厚労省の Patient Survey2011 に掲載された数値とその傷病コード(ICDcode)から罹患者数及び死亡者数をcancer_mortality(1958-2013)cancer_incidence(1975-2011) から、其々引用した。

上皮内がん(非浸潤)は原則的に算入されていません。

神経中枢や腎は有病者統計と罹患者集計や死亡者集計等で ICD コードが異なる為、推定していません。

 

性特異的で無い癌種は男女合算です。まずは致死率ランキングから・・・。

 

続いて全部位がん

 


 

全部位がんの罹患者集計では多重がん(ICD c97)は含まれていません。C00-c96迄の罹患集計です。

 

致死率最下位の子宮体部から

乳がん罹患者集計ではICD D05(上皮内がん) を排除した結果2003年から2011年の集計となりました。

 

 

 

 

 

大腸がんの罹患者の集計の一部にC21(肛門)が含まれています。

 

 

 

 

SOURCE

cancer_mortality(1958-2013)

cancer_incidence(1975-2011)

平成23年患者調査(傷病分類編) - 厚生労働省 

Patient Survey2011

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h23syobyo.pdf

 

 

 

 

 


男性のがん:「がん平均死亡年齢、がん平均罹患年齢、及び実測平均寿命」と各員数の推移

2014-10-18 21:06:18 | コラム

男性の癌:

1)全部位のがん平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命の推移(1958年~2012年)

2)全部位のがん死亡者数と罹患者数の推移(1958年~2012年)

3)部位別のがん平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命の推移(1958年~2012年)

4)部位別のがん死亡者数と罹患者数の推移(1958年~2012年) 

dataに誤りがあった場合はご容赦ください。個人用ファイルとしています。 

 

男性部位別 がん平均死亡年齢/実測平均寿命と全部位がんの平均死亡年齢/平均罹患年齢/実測平均寿命(2012)

 


男性:白血病 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

男性:悪性リンパ腫 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

男性:脳中枢神経系 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

 

男性:肺癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

 

男性:肝癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

 

男性:直腸癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

 

男性:結腸癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

 

男性:胃癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

 

男性:食道癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

 

男性:前立腺癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

男性:前立腺癌 年齢階級別罹患推移と年齢階級別死亡・推移

 

男性:前立腺癌 累積死亡数からの2012年度の平均死亡年齢と2029年度の予測罹患数/有病者数/死亡者数・推移

 

 

男性:腎臓・尿路癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移 

2015/10/13追加

 

男性:膵臓癌 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

2015/10/13追加

 



 

男性:甲状腺 平均死亡年齢/平均罹患年齢/全部位がん平均死亡年齢/実測平均寿命・推移

 

2015/10/25追加

 

2011年度の宮城県石巻医療圏と気仙沼医療圏及び福島県の集計は多分除かれています。

 

 



グラフの見方や解説、男性がん等はしたリンクで 参考になるかも・・・

 

 PSAはイラナイ理由 (前立腺癌の死亡のほうが断然お得である)

 

がんによる死亡メカニズム(直接死因)は下リンク

 

癌・死亡へのヴィア・ドロローサ(人は、如何にして死に至るのか)

 

 

 


女性のがん:「がん平均死亡年齢、がん平均罹患年齢、及び実測平均寿命」と各員数の推移

2014-10-15 09:09:52 | コラム

女性の癌:

1)全部位がん平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命の推移(1958年~2012年)

2)全部位がん死亡者数と罹患者数の推移(1958年~2012年)

3)部位別がん平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命の推移(1958年~2012年)

4)部位別がん死亡者数と罹患者数の推移(1958年~2012年)

 

女性部位別がん推定平均寿命 全部位がん平均死亡/罹患年齢/実測平均寿命及び員数・推移

 

子宮頸がん:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)


 

 

乳癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)

罹患集計には小葉上皮内癌ICD D05が含まれています。

 

卵巣癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)


脳中枢神経系:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)



子宮体部:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)



白血病:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)


食道癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)



直腸癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)


 

膵臓癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)

 

2015/10/13追加

 


肺癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)


肝癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)



悪性リンパ腫:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)


胃癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)


 

腎臓・尿路癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)

 

2015/10/13追加


結腸癌:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)

 

 

甲状腺:平均死亡年齢と平均罹患年齢及び実測平均寿命と員数の推移(1958年~2012年)

2015/10/25追加

 

 

2011年度の宮城県石巻医療圏と気仙沼医療圏及び福島県の集計は多分除かれています。

 

 



dataに誤りがあった場合はご容赦ください。信頼性や精度等は未確認です。個人用ファイルとしています。

 

グラフの見方や解説、男性がん等はしたリンクで 参考になるかも・・・

 PSAはイラナイ理由 (前立腺癌の死亡のほうが断然お得である)

がんによる死亡メカニズム(直接死因)は下リンク

癌・死亡へのヴィア・ドロローサ(人は、如何にして死に至るのか)

 

 

 


stap細胞破綻!! NET社会の怖さ( pubpeerとSlashdot )

2014-04-17 21:07:16 | コラム

stap細胞破綻!! NET社会の怖さ( pubpeerとSlashdot )

 

《 なめてますね、これ、
何と言って、理研の対応です。》 

(2014年03月05日)kahoの日記:STAP細胞の非実在について36 から。。。

 

要旨は・・・

《小保方氏の論文作成の作法やミスや画像の捏造では無く、「存在しない」のです。理由は最終分化したT細胞から作成されたとするSTAP幹細胞にTCRが再構成された形跡がなく、胚盤胞にinjectionして作成された胎盤、キメラにも、BCRもTCRも解析はしていない。公表されたのはGFP発光したマウスの写真。》

 
これに一定の理解を示す人達が現れていて(当然理研内部にも)、inductionではなくselectionではないかと疑念を持たれはじめた。つまり最終分化された細胞がストレスなどの刺激で脱分化し幹細胞に還元したのでは無く、もともとの細胞群(ポリクロ)にコンタミされていたG0期だろう幹細胞をスクリーニング(抽出)しただけではないか?

 

同じ様な考えは、慶応の吉村研究室もそうで、そのブログ「T細胞はSTAP幹細胞になれない」で、
《STAP細胞の由来はT細胞でないと理研が明確に否定した以上、selectionか?》
と述べています。

 

2014年03月11日 同kahoの日記で

《理研は、STAP細胞の論文2報の内片方でChIP-seqと言う実験を行いそのデータを公開しています。そのなかの ”input”と言われる染色体配列の解析で「CNV:copy number variation」を観察すると、STAP細胞はES細胞との結論を強く示唆しました。論評はしません。》

 

Ina

昔、生体細胞環境は厳格なPH管理下にあり、制御不能で細胞は全滅すると教わった記憶があります。この時、進化論ではありませんが、細胞はその生命維持のため何らかの方式でシステム転換を図ります。生きた細胞を犠牲にしても種(幹細胞:oct3/4、sox2、klf4発現)を残そうとするのは自己的形質転換と言えるかも知れません。言葉を換えれば環境順応性。がん治療で、より高悪性度がん細胞の発現が現実性を伺えます。
ハーバード大のバカンティ氏にも、その強い思いが、或いは、あったのかも知れません。STAP細胞もメルヘン・・・か(a)

 

STAP細胞がES細胞なら一連の経緯は理解可能かと思いますが、山梨大の若山氏作成マウスが理解出来ません。理研は胎盤も出来るES細胞を持っているとの噂話も聞きますので・・・或いはとの憶測が働きますが。。。もし故意でそうであるならば悪質ではないでしょうか。。。
追記1:
ES細胞から直接胎盤は出来ないようです。出来るのはTS細胞(胎盤形成に寄与する栄養膜幹細胞)の様です。でも、胎盤形成するには第三者(子宮提供者:宿主)の影響力が必須と思うのだが(受精卵になるためには精子が必要。胎盤になるためには子宮細胞組織の関与が必要)・・・、またTS細胞からは胎仔は出来ない・・・何なんだろう?STAP細胞は?

追記2:
「stap細胞は胎盤への分化能はあるが、増殖しない。stap幹細胞は増殖するが、胎盤への分化能はない。」と発表されています。若山氏の所有していた小保方氏作成のstap細胞2株は黄マウス純系の幹細胞だったようですが、検査の結果は黒マウス系(B6)とその第一世代(F1)だったとの事。 益々、ディープに混迷しています。

追記3:
2013/11/7 理研の丹羽仁史プロジェクトリーダーはES細胞からoct3/4を強制欠失させるとTS細胞に変換したことを明らかにした。これは胎仔性胎盤の作成がES細胞から作成できる事を意味している。これの上流は2008年《分化細胞に多能性を誘導する転写因子ネットワークの構造解析》で転写因子klf4操作でES⇔TSに変換していた流れであろう。 従って、TSCとESCは共存はしない。


若山氏のstap2株は多分129/b6(v.65)ハイブリッドのESCとTSCではないかと言われています。また、stap化すればメスがオス由来の細胞になったと言われていますが、ES細胞はオス由来の細胞で作成されているようです(メス由来のESCは無い様です)。

オホホポエム、これは理研の内部告発、東京女子医大もしくは小保方氏自身の書き込みだったと言う人もいますが、「ヨハネの黙示録」並みの難解さです。

何度も言う様ですが、体細胞にストレス印加すれば、がん細胞を含め体細胞は死滅し、同時に幹細胞に自然転換するのはガン細胞だけと思いますが・・・


追記4:
2014/4/7理研の記者会見で共著者でもある丹羽仁史プロジェクトリーダーはSTAP細胞がES細胞である可能性は低いと述べました。只、STAP細胞の発現は周産期幼若マウスとしている。

追記5:
2014/4/11理研の笹井芳樹氏も「ES細胞では考えられない現象がある」と述べています。確かにESCとTSCは共存出来ません。ESCの遺伝子操作で胎盤作成が可能な場合はクローンマウスだけで、胎盤と胎仔ともキメラ作成できるのは8細胞期胚に8細胞期胚(4倍体では不可)をinjectionした場合だけの様です。




追記6:
2013年10月31日付け出願(審査前)の STAP細胞の国際特許 を見てみた。 
 
Applicants:
THE BRIGHAM AND WOMEN'S HOSPITAL, INC. [US/US]; 75 Francis Street Boston, Massachusetts 02115 (US).
RIKEN [JP/JP]; 2-1, Hirosawa Wako-Shi Saitama, 351-0198 (JP). 
TOKYO WOMEN'S MEDICAL UNIVERSITY [JP/JP]; 8-1, Kawada-cho Shinjuku-ku Tokyo, 162-8666 (JP)
 

発明人の記載順位云々が言われているが 権利的にみると発明人は何の権利も所有しない。所有権(権利)者は国際ルールに従って出願人の記載順序である。この事は研究者では理解できていると思われるが、発明人及び順位は唯、単に形式的な羅列にすぎない。
 

出願者(Applicants)の1stはバカンティ氏所属のボストンTHE BRIGHAM AND WOMEN'S HOSPITALで2ndは理研、Lastは東京女子医大 。法的には1番目のTHE BRIGHAM AND WOMEN'S HOSPITALの意思次第で権利の行使は可能とされる場合もあり得る。

この事実はSTAP細胞の全責任者はBRIGHAM AND WOMEN'S HOSPITAL(バカンティ氏?)であると僕は思うのだが・・・責任を負わず利益だけを貪ろうなんて(日本からの視点)・・・報道機関も視点を変えたら?


 


今回の疑惑もノバルティスと同様、NETからでした。インサイダーは利害が絡んでどうしょうもありません。が、「特定国立研究法人」の決定は先送りしたようです。

NETは怖い。が、しかし我々が30年も以前にpubpeerやslashdotに接していれば、薬害エイズは防げたであろうかとも思います。anonymous cowardは決して悪くない。と僕は思う。

理研も「恋チュン」をUPしてみればどうでしょう?提案します。
モチ、センターは野依さんを選んでください !!

MDアンダーソン発の恋するフォーチュンクッキー 
┌( ^ω^)┘♫ (@_@)。元気でるぞー!!
 
 
(a)追記     CDBは1997年頃から癌細胞を脱分化させ、その出来た幹細胞を、丁度鳥取大学が発表したmir-520dなどで正常化させる構想があった。つまり、ストレスを細胞に与え幹細胞に脱分化させる発想のSTAP細胞は理研の長年の悲願だったのかも知れない。ヒト生体で幹細胞を自然作成出来るのはガン細胞だけで、ストレス時クローンと幹細胞の二つに分化転換すると言われています。がん細胞の分化転換は転移時にもEMT変換して血流に入り転移先でMET変換して元のがん細胞の表現に戻ると言われています。
http://www.cdb.riken.jp/jp/millennium/2_2.html発生と再生 見えてきた細胞達の振る舞い。
 
 
この章は《inaの前立腺がん顚末記》の複製文です。

抗がん剤拒否(時として患者は医師の考えたベストな治療を望んではいない) 

2013-11-13 20:22:31 | コラム

発癌させた免疫正常ネズミ(野生型)から取り出されたガン細胞を培養し、できた細胞株を再度元に戻した(移植した)ら免疫が発動し癌が消えたと言う。ウソの様な話であるが事実として報告されている。これは自然発生したがんの細胞組織に免疫システムは機能しない(非力の)証拠の一つとされた(故多田富雄著:免疫の意味論)。

 

がん細胞組織と言ったが、そのワケは、多種多様な細胞集団で構成されているのがガンで、素直で良い子の近藤先生(慶大放射線科)の言う「がんもどき」はその無害(生命リスクの無い)な腫瘍細胞の一部分のクラスター(腫瘤)を言うのかも知れない。例えば、筋層や脂肪域に進展しない粘膜内の非浸潤性がん細胞。 確かに「前立腺がん」では臨床的に確認出来ないガンや症状を伴わないがん患者が(PSA検診インフレーションの影響で)大多数あるのも確かで、PSAに翻弄されているのは私一人ではないだろうし、PSAリスクを説明しきれない泌尿器科医(教室:学会)にもその(治療に対する抵抗:近藤シンパシー)責任の一旦はあるだろう。ある剖検シリーズでは60歳以上のラテントがんは最大70%が推定されると言う。生検すれば殆どの人は前立腺がんと言えるが、日本の医療サイドではラテントは15~25%として対策型PSA検診を推奨している。が、訴訟大国アメリカ発の情報では日米ともラテント30~70%。僕が米国に説得力を感じるのは間違いだろうか?

PSA検診による死亡率減少の舞台裏は、早期発見の治療効果では無く 「 PSA検診インフレ ⇒ ノーリスクがん患者のマスプロ ⇒ がん特異的死亡率の相対的減少 」。  と、僕は思うのだが・・・!!

 

未読だが、近藤誠著書「医者に殺されない47の心得」が100万部突破のベストセラーになり、医療界には困惑がある様で、某ドクターがサイトで近藤批判をシリーズするらしい・・・昨日読みましたが(^ω^)、抗がん剤否定は近藤氏や患者側にその責が有るのではなく、患者を無知に誘って来た日本医療の歴史的背景や、上流にある日本の制度(健保、法とか)も理由の一つで、時代が時を得て自然出産した近藤氏を個人非難しても何も問題は解決しない。つまり、治療方針の意思決定の、その場に患者が何時も不在である。治療プランは本来患者の都合により選択すべきであり、医師はそれに従うべきだし、意思決定できる第三者機関の作成した参考資料も患者に提出すべきであろう。そう言った医療リスク(不確実性)情報を患者に届けてこなかった今までが誤謬で、支払いも常に患者側に発生し、その経済的負担も治療を受ける不利益の一つであり、失敗があっても不確実性を理由に損失補填されない患者は、時として医師が提示するベストな治療を望んではいない。また経済問題は加療側だけではなく、患者側にも強く存在しているのが普通である。

低侵襲性医療、関西では 「 メディカルクラスター構想 」 があり理念は近いかも知れない。MDアンダーソン・がんセンターの日本版モデルである。

 

 

この章は 「 inaの前立腺がん顛末記 」 の複製文です。


人類は自然をこえてはならない。

2011-06-17 09:45:03 | コラム

IPS細胞から分化形成した臓器が移植後免疫反応により拒絶された(米グループ)。これをうけて原因は分化した細胞の癌化(腫瘍、悪性テラトーマも含む?)とし、GLIS 1(グリスワン魔法の遺伝子)から作成された安全なIPS細胞により癌化(腫瘍含む)は防げると英科学誌「ネイチャー」で発表した(京大グループ)。

この報道で私が一番最初に驚いたのは、自然免疫が発動されて、癌細胞を死滅させていた事である。最高の免疫療法は外科手術にあると故多田富雄氏の言葉を思い出したが、我々の地球において自然界(生命生存圏)に存在しない、或いはおこり得ない核や生物の還元的操作は間違いなく全自然を敵として行くに違いない。キメラやテラトーマはファンタジーや物語の世界だけにあればいい。

 

現在まで人類が絶滅する事なく生存してきた理由は自然淘汰(進化)にあり、ウイルスや病原菌との戦いにはワクチンなどのHelpを得はしたが、最終にはヒトは自己の免疫をもって対抗してきた。科学(テクノロジー&利益)の力が哲学に勝る事は、我々にあってはならない。作物とは異なり人類に品種改良が必要かどうかは哲学が決定すべき問いであり、生命の機序解明と運用は別の次元の問題として扱うべきである。

 

独と伊は国民の意思決定として脱原発を宣言した。本来農業立国である筈の仏蘭西は最先端先進技術で原発の安全性を主張しているが、瑞西(スイス)は兎も角、大戦の盟友である独と伊(かなり古いか・・・(笑))が既に核の平和利用すら放棄しようとしている。独と伊は偶然では無く、戦後の戦勝国(核保有国)が構築したスキムに明快にNOと答えた訳で、言い換えれば戦後の世界の枠組み(パワーバランス)の再構築に一歩踏み出した事になる。肝心の被爆国の日本国民よ!自然に恵まれた地球、そして人類のあり方を思索しようではないか。決して利に惑う事なく。人類は自然をこえてはならない。 

 


鵜の目、鷹の目、カエルの目

2010-09-07 17:41:31 | コラム

ことわざの謂れでは無く生物チックなお話しです。

西風に池の水面(みなも)がざわめく季節になりました。ひと夏の恋も終わり、新たな恋の語らいがはじまります。湖畔の麓で・・・。

え?カエルの合唱団が見ているって?大丈夫ですよ(笑)。

蛙は昼間でもゼーンゼーン見えていません。暗闇の世界です。人間の目もそうなんですが、蛙の目はもっと極端で、パルスでしか視覚神経が働きません。丁度人間の嗅覚に似た応答メカニズムで、視界にある物体が静止している世界では暗闇なのです。例えば、鷹とかが捕食目的で蛙の視野に飛び込んできた時だけ視覚神経が作動する様にカエルはできています。視覚での情報は常に受動的で、話しかけてもこちらに振り向きません。キョロキョロするカエルはいません。ですからノーンビリしていますよね~。捕食よりも保身のための目なんです。

さて、カエルを狙うトンビとか鷹ですが、最大1000m上空からでも餌を判別します。視神経が人間の16倍もありますが、最大の武器はミクロとマクロが同時に見える、即ち、目玉の中にもう一つ目玉を持っていて、ある一点がズーム拡大できる事らしい。夜中にライトを当てると怪しげに眼光が光る動物がいますが、これらも全て反射鏡を備えていて、暗闇でも行動できます。トンビなどでは人間の50倍感度が高く夜行性の条件を備えています。白人の青い目も同様で、日本人よりも夜間の行動に適応しています。オーストラリアで現地の友人に連れて貰ったレストランは真っ暗で、何を食べているのか分りませんでした。友人は、やはり青い目の持ち主でした。

夏の風物詩は鵜飼いでしょう。人間には備わってはいませんが、鳥や昆虫などには偏光グラスが標準装備されています。鳥の帰巣性は太陽の光の偏光と体内時計で方位が分るといいます。鵜もやはり同様で、偏光メガネを標準装備しています。ですから松明(タイマツ)の光りで反射した水面の中を見通せます。縦波も横波も同じように見えるのです。

魚は魚眼レンズで広範囲に見渡せますが、水面上の物体の形状を認識するまでは出来ません。

僕はコマイ(幼い)時、校門前で売っていた『透視メガネ』を買って帰りました。口上では透けて見えるとの事でしたが、親に見つかってエライ怒られてしまいました。一度も未だそれで見ていないのです。


四気説から解剖学へ

2010-08-27 17:53:41 | コラム

中国は五行陰陽説と同時に『気』と『経路』を考え出しました。この概念は血液と同様『気』にも『気脈』なる通路があると信じられ、その通路に刺激を与える事で痛みの緩和や内蔵の働きを助ける効果があると考えました。『血液は陰、気は陽』で表裏一体の概念です。現在でも東洋医学では踏襲され『指圧、鍼灸』では馴染みがあります。さて、その『気』ですが四つあります。『宗気、栄気、衛気、元気』です。

 宗気:大気の精と食べ物の精から作られ、呼吸、発声、経脈を担当しま  す。

栄気:食べ物の精から作られる栄養素である。

衛気:脾臓(食べ物の精)と腎臓(先天の精)から作られ、免疫と体温調整、外皮保護します。

元気:腎臓(先天の精)から作られ、生命活動のもと(バイタル)を担当します。

以上『気』は陰性(女性)となります。血液の循環が確証されたのは1628年の ハーベイの血液の循環論であります。

後漢(AD150~220頃)張伸景の傷寒雑病論は五行陰陽医学の臨床を総括して編纂されたものとしています。

この漢医学が日本の医学でもあったのです。この流れを変えたのが蘭学であり、さらに近代医学の幕をコジ開けさせたのが、杉田玄白の解剖学、解体新書の出版でありました。

少し時代は降りますが、鎖国時代幕府の監視下にあった貿易で情報も医薬品も無い日本は独特な医学を誕み出しました。和漢方です。それから時代を経て、982年、医心方を著した渡来人丹波康頼から790年溯った時代、1773年。杉田玄白、前野良沢に移っていきます。

日本に初めて上陸した医学はラテン系医学で、宣教師ルイス・デ・アルメイダと言うポルトガル人となっています。宗派は当然カトリックです。対立図式ではイギリス・オランダはプロティスタント。スペイン・ポルトガルはカトリックとなり相当な険悪関係にありました。鉄砲と同時に医学が上陸しましたが、蘭語で著されたこれらの書物のなかにターヘル・アナトミアなる解剖学書が中川淳庵を経て杉田玄白に渡りました。ところが偶然的にも前野良沢も同書を長崎で入手しており、二人で共同翻訳しました。有名な解体新書の始まりです。

話は余談ですが、南蛮渡来とはスペイン、ポルトガルのラテン系を言い、毛唐、紅毛はイギリス、オランダを言います。徳川幕府は鎖国令を布きオランダのみ長崎の出島で交易を許可しました。八代将軍吉宗の時代には洋書解禁となり、翻訳が開始されました。蘭学の事始めと言って良いと思います。

尚、日本で最初に人体を解剖したのは1754年『山脇東洋』等によってでした。場所は、やはりといっても言い『京都六角獄舎』で、その時の記録が本邦初の解剖図書『蔵志』で、その5年後の事でした。杉田玄白が1771年江戸小塚原での解剖に立ち会ってから2年後の1773年『解体約図』を経て『解体新書』まで1年の早さでした。1774年の事でした。解体新書はターヘル・アナトミアの訳書と思われていますが、実は他の複数の解剖書等からも複写転用された解説本だったのです。