突然のすごい雨と風。
うわあ傘が飛ばされるぅ!と戦っていたら、
「おとうさん!」の叫び声。
押し車をついて歩いていたおじいちゃんが、風に勝てずにへたりこんでしまい、
慌てる娘さん(息子の嫁かな?)の声だった。
私も一緒におじいちゃんを支えるが、足が思うように動かない様子。
小柄なおじいちゃんとは言え、女二人でかかえるのは大変なのよ。
なんとか脇の花壇のフチに座ってもらった…
「あの、うち、近くなんで、あの、傘…、おばあちゃん呼んで、あ、でもお時間ないですよね?あの、」
「大丈夫ですよ」と答えるとパニくった様子で走り出して行ってしまった。
そんなわけで残された私は
見知らぬおじいちゃんと二人、相合い傘。
田舎町の狭い路地、花壇のフチに腰掛けて相合い傘。
「すごい雨やねえ…」
返答なし。
ゆっくり時折、話しかけてみる。
「さっきまでいいお天気やったのにね」
「…すいませんなぁ」
あ、しゃべった。
「足、もうあかんねん」
「…寒いもんねえ。痛い?」
小さくうなずく。
ぽつりしゃべっては、雨を眺め、またぽつりしゃべって…
「眼鏡、濡れてるよ」
ハンカチを出すと、そろっと眼鏡をはずして、ぎこちなくポンポンとあてるようにして拭いた…
ゆっくりゆっくり時間がすぎる。
だいぶして走って戻って来た娘さん。
家に帰ったら心配したおばあちゃんが探しに出かけちゃってて鍵がしまっていたこと、近くの親戚に頼んだので、もうすぐ車が来ることをぜいぜい言いながら説明してくれた。
やがて車が来てさようなら。
「すいませんでしたなぁ…」
じいちゃんは初めてしっかり私の顔を見て大きな声でそう言った。
「雨濡れたからねぇ、風邪ひかんようにね」
「…足もうあかんねや」
「そんなんばっかり言うて!」
少し笑って背中をたたく。
じいちゃんも、ニヤリと笑った。
真面目にリハビリに取り組んでいた父の顔を、ふと思い出したり何かして・・
突然の雨が運んできた小さな出会い
不思議なひとときだったなあ。
まあそのぅ・・そんなわけで、遅れました・・
K指さん、ごめんなさいっ
コメント一覧
imai naomi
Q
最新の画像もっと見る
最近の「ノンジャンル」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事