今年の夏の公演には「心中宵庚申」がかかっていますが、実はこれまで観に行けてなくて、今年の夏は必見なのです
文楽といえば…
「仮名手本忠臣蔵」の七段目「一力茶屋の段」には下座に細棹が入るのですが、それにうちの先生がお三味線を弾きに行っておられまして、何度かワキを弾かせて頂いたことがあるのですが、その時に御簾の中から見る舞台の様子に感心したことがあります。
文楽の場合、歌舞伎と違って下座の御簾は舞台上手の上にあり、三味線がお部屋の前方で、お囃子さんが後方に座ります。
すると、三味線弾きからは舞台がよく見えるのです
一力の段は1時間半ほどで、その間、少しづつ弾かない所があるのですが、その時に割と舞台を観ていられます。御簾が上にあるので、ちょうど二階から見おろす形になって、舞台の底まで見ることが出来ます。
そうすると、客席からは見えない「船底」まで見えるのですが…。
これがまぁなんと、小道具を運んだり、左遣いさんから受け取って持って帰ったりする黒子を着た人形遣いさんのお姿が見えるわけです。
客席に姿が見えないようにかがんで行き来されるんですが、そのまめまめしく動かれる姿には本当に感心しました。
本当に人形遣いが、あるいは文楽のことが好きでなければ出来ないお仕事だなぁ~と思います
舞台だけではなく、世の中の様々なことにも、見えない部分だけれど素晴らしい働きをする人が居るということを忘れてはいけないんですね
下座のお仕事…お三味線を弾くということはもちろんのこと、それだけでなく、よい勉強をさせて頂いたなぁ~と思います。
感謝感謝です