手紙が届いた翌日
早速、郁実さんに報告をしに
私は老健へと行った
郁実さんは大広間でのんびりとテレビを眺めていた
直ぐその場で、報告出来たのだが・・・
周りの目を気にしないで
ゆっくり郁実さんの驚く顔を見たいからと
そこはじっと堪えて
私は談話室へと郁実さんを誘った
普段は10メートルも
歩かないほどにある談話室なのに
その日だけは、やたら遠くに感じた
そして、ついに
その時はやっ . . . 本文を読む
旅行計画も、すっかり
あきらめかけていた
ある日のこと
我が家に
一通のエアメールが届いた
差出人は、パリに住む義姉からだった
封を開けると、中には
ピンクの便箋といっしょに
素敵なクリスマスカードが添えられていた
「メリークリスマス」
「今年は家族皆が・・休暇がとれ・・主人と息子・・」
「今年のクリスマスは家族そろって・・日本で過ごせそう・・・」
「もうすぐ・・日本へ行きます・・ . . . 本文を読む
まったく想像していなかった
郁実さんの答えに
私とやっちゃんは
言葉を失ってしまった
思わず顔を見合わせる
私とやっちゃん
どうしていいものかと
やっとの思いで、何とか声を絞り出す
「えっ・・・旅行ですよ!」
「行きたくないの?」
「えっ・・どうして?なんで?・・なんでです!?」
結局は郁実さんを責めるばかりに。。。
そして郁実さんは、駄々っ子の我が子を諭すように
ゆっくり語り始め . . . 本文を読む