ずっと若い頃病んで
酒が飲めなくなった
今になってワインの香りを思い出す
数回だけほんの少しだけ
舐めるように味わった記憶があるワインだ
安物の白ワインだっけ
それとも赤ワインだっけ
出来ればもう一度味わってみたいもんだな
思い出したいなあの頃を
若かったけど
馬鹿飲みしかしなかった
本当の酒の味を知らなかったあの頃を
たかが酒
されど酒
一人になって酒を思う
日本酒も焼酎もウイスキーもビールも
飲みたいと思うほどではなかった
結局ワインぐらいだな
飲みたいのは
思いっきり飲んだくれてみたいものだ
それが最後の願望だから
最後は心残りのワインでいこうか
何かに乾杯だ