「今日一日」

昨日はすでに過去のもの、明日は誰も手にできぬ未知のもの。今日を生きるしか術はなし。今日一日をどう生きる。

義母様様(さまざま)

2014-03-31 18:03:02 | こころの旅
2014.3.31(月)

つい先日まで 
蕾の ままだった桜が

一気に 咲いた。

待ち遠しく 思っていた
あの せつない心とは うらはらに。

一気に 咲いて
一気に 
散り去るので あろう。

これが さくらと 言えば
それまでだが・・・。

義母の ところへ
夕食を 届けて きた。

今朝 のぞいた 時は
はや 起きていて
部屋に 明りを 点け
「うろうろ」 している。

何をしようとしていたのか
いまいち
分からない 様子である。

部屋の あちこちに
砂が 落ちている。
気になる 光景である。

「お義母さん 掃除機 かけて」
と 声を かけた。

「はい」と 
なんとも 軽やかな
返事が 返ってくる。

感心して
どうするのか
見ていると

掃除機を 持った ままである。

リールの 出し方が
分からない ようだ。

異変に 気づいた
娘の細君が
すかさず
手を 貸す。

準備が 整った 
はずが
義母の 姿がない。

掃除には
関心が ないらしく

いつの間にか
外へ 出て行って しまった。

「あら あら」

肩透かしを くらい
文句 たらたら言いつつ
細君が かける羽目に。

義母の 言い分が
ふるっている。

「畑の 土は
大事なものよ」
「少々 落ちていても
気にしない 気にしない」
「部屋に 落ちているぐらいが
いいのよ」。

義母の 口には
乾杯(完敗)である。

夕方のぞくと
すごいことに
頼んでいた
お米が
仕掛けられていた。

春の 陽気が
なせる 業か。

こうして
義母と 二人の
一日は 終わった。

三月最後の
一日も
愉快に
ずっこけて
終われそうだ。

義母 様様 である!!

kazu

一件落着

2014-03-26 08:37:04 | こころの旅
2014.3.26(水)

仕事帰り
義母を 訪ねるのが
日課である。

ご多分に 漏れず
今日も 車を とめた。

部屋に 灯りがない。

「んん?」

玄関へ 急いだ。

案の定
義母の サンダルが ない。

あたりは 陽が落ち
真っ暗である。

こんな 暗がりの中を
何を 思い
どこへ
出かけたのだろう。

心配が 動悸を 打つ。

居間を
のぞいて見た。

薬袋の 裏に
走り書きの 跡がある。

孫に あてた
一言である。

「おかずを もらいに 出かけて 来ます」

暗がりを
我が家へ 向かったようだ。

風呂を 沸かしつつ 待つことにした。

しばらくしたら 帰ってきた。

「あら どうしたの?」
「どうしたのじゃ ないでしょ」

聞くと
「負担を かけたら いかんと 思って」
という。

気持ちは 嬉しいが・・・。

夜道である。
高齢者の ひき逃げ。
よくある 話である。

「しんぱいしたんよ」

うわの 空である。
気に 留める 様子など
さらさら ない。

途中 足が 痛くて
帰って 来たと
わが身を 案じている。

思いたったら 吉日。

いよいよ
ブレーキが 効かなく なって来た。

筋書きのない ドラマが 続く。
いったい どうなるのだろうか。

間もなく すると
細君が 夕食を 届けに
顔を のぞかせた。

まずは
一件 落着である。

kazu

役者顔負け

2014-03-22 20:53:18 | こころの旅
2014.3.22(土)

義母の 認定調査が あった。

調査員が 帰ったあと
義母に 尋ねて 見た。

「どんな人だった?」
「アルバイトの おじいちゃん だった」

「????」

置かれた 名刺を 見て 納得した。

確かに
おつむの程度が
あやしい。

頭の
てかり 具合だけが
記憶に 残っていた ようだ。

一方的に
過ちを 否定もできない。

そう 思っても
仕方ないか。

to(と)

変に 納得してしまう。

願わくば
このことは
特記事項に
残して 欲しかったが・・・。

義母にとって
緊張の 時間が
終わった。

調査員の 投げかける 質問に

義母の 答えは

もちろん

「できる」


オンパレード。

果たして 調査員は
この 義母に
何を 見ただろうか。

一枚も
にまいも
上手な
義母である。


果たして
義母の 
本当を
見抜けた だろうか。

実力が 試される ところである。

kazu
 


ご縁をいただいて

2014-03-16 18:11:44 | こころの旅
2014.3.16(日)

陽気に 恵まれた。
お遍路に 出かけてきた。

焼山寺に着くまで
かなりの時間を 要した。

渓谷沿いの 狭い道が
くねくねと 続く。

山を 上がると
突然
小さな 集落が
開けてきた。

その 街並みに
どこか
懐かしさを 覚える。

その 清流のそばで
佇んだ 日を 思い出す。

その街を 覆う 
空気感が
昔の 記憶を
手繰り寄せてくれる。

そうだ
大学時代の 学友の
故郷だ。

「阿波踊りを 見に来ないか」
と 誘われ 訪ねた 場所だ。

ちょうど
12番札所
焼山寺への
入口に 位置する 街だ。

「剣山に登ろう」と
約束した 彼の兄は
もうこの世に いない。

まさか
時を 経て
お遍路のため
この街を 訪れるとは・・。

何か
結ばれていた 縁としか
言いようがない。

この地は
前日
雪が 降ったとのこと。 

海抜900メートル近い
山肌に
整然とした 杉木立。
冠雪していて 美しい。

神聖な 思いになる。

忘れ得ぬ
思い出の お詣りと なった。

kazu

もぬけの殻

2014-03-11 11:13:17 | こころの旅
2014.3.11(火)

お昼を 届けに
義母の 家を
訪ねた。

「ピンポン」

チャイムを 押すと
いつもは

「ハーイ」と

甲高い声が 返ってくるのに
今日はない。

「あれ」と 思い

あたりを 見渡すと
もぬけの 殻である。

陽気に 誘われてか
はたまた
買いたいものが 過ったか
出かけて しまったようだ。

どこへ 行ったのだろう。

かいもく 見当が つかない。

婿の 心配など
つゆ知らず・・・。

多分に
ニコニコして
帰って くるのであろう。

昨日
介護保険の
申請を したと 言うのに。

心配の 種が
尽きない。

義母が 来て
もうすぐ 1年で ある。

kazu