小さくて光る本を見つけた。フレドリック・ヘレーンという人の『スェーデン式アイディアブック』である。少ない叙述で、「エッ!」「ヘー!」「本当!」というような逸話、事例が集められている。アイディア=創造性というものは、強制的に「考えろ、考えろ!」と教育してできるものではない。又、アイディアを奇抜・奇天烈なものという固定観念で考えられるが、それも違うとこの書はいう。 . . . 本文を読む
医学界の常識を告発し続ける米山公啓氏の書『脳は本当に歳をとるのか』。生れ落ちてから人の脳神経細胞は減る一方であるというのはなんとなく常識化している。「毎日10万個もの脳神経が死ぬ。そして再生はしない」ということが一般の我々も日常言ってはばからなかった。老齢化を極端に恐れ、忌避する傾向が日本では強い。その状況に一矢報いる書である。 . . . 本文を読む
「努力をすれば報われるはず」と学校で教えられる。しかし、社会に出てみれば、そう簡単にはいかない。努力で報われた人はイチローレベルのごく僅かな天才のみ。逆に努力したのとはちょっと違うだろうに「勝ち組」に入っているような人もいる。そういう理不尽な状況に押しつぶされる人が増えている。『貧乏クジ世代』と自称他称一番はっきりそれが表れている世代を気鋭の精神科医香山リカが語る。 . . . 本文を読む
先生が生徒から「あなたはどこで生まれましたか?」といった「あなた」呼ばわりされて違和感を感じない日本人教師はいない。しかし、毎年毎年、学生に日本語を教えながら、そういう学生を育ててしまってストレスを感じたカナダ在住の日本語教師、金谷武洋氏の「国語」へ反逆の書『日本語に主語はいらない』、以前取り上げた『なんのための日本語』(加藤秀俊)に通じる書である。 . . . 本文を読む
『「持たない!」生き方』は、以前ブログで取り上げた『医学は科学ではない』の著者のシンプルライフの奨めである。大きな家も、余分なお金も、肩書きも不要というのが氏の奨め。所有観念の放棄は、どう考え、実施したらできるのか、第二の人生どう生きようかと考えている人に、参考になる。 . . . 本文を読む
質問しないマスコミと一人で考えない日本人が相まって、メディアが臨終状態になっているという、森達也氏と森巣博氏の対談『ご臨終メディア』 個人メディアのブログがボトムアップ式だとすれば、従来的なマスメディアがトップダウン式メディア。このトップダウンのマスメディアがどこまでおかしくなっているかが極限まで語られている対談書。 . . . 本文を読む
手塚治虫の『ガラスの地球を救え』は、21世紀に生きる子ども・青少年たちへのメッセージである。手塚治虫は、21世紀の地球を心配し、生命を心配し、自然を心配し、宇宙から、青くて水と緑の豊かな地球を鳥瞰して、この美しさを守らなければならないと、マンガを通して43年間ズッと訴え続け、その上この書で、言葉を通じて私たちに遺言を残してくれた。 . . . 本文を読む