おしなべて 恋文  

しきなべて 孤悲文・・
特別な あなたへの手紙です    
    

決断力

2009-10-31 13:08:39 | 巻き物仕立ての手紙です
  衝動買いをしてしまった

  ちふれ化粧品売り場で アイペンシルを買い求め
  家庭用品売り場に立ち寄る
  その一角に そのストールは居た

  うばめがしで染めましたの    女主人は微笑んで歩み寄ってきた
  草木染めの 絹のストール
  絹 といっても生絹(すずし)でしょう
  腰のあるシャリ感 品の良さ そして奈良の工房の作りという奥ゆかしさ

  ブランドのハンドバックも 装飾品も 時計さえも私は持っていない
  だから  私がこのストールを買い求めても誰も文句はないはずだ
  
  今着ていらっしゃるタートルにすごくお似合いですよ と彼女
  あ・・・これ500円です  ふふ と私は受けた


  私には目が利く  という特技がある
  嘘のような値段で素敵なものを買い物する  
  タンスの中は ぜーんぶが全部そうなのである

  ちなみに時計は某男性誌の景品
  季節の変わり目にしか狙わないアクセサリー
  値段の上に何枚も何枚も価格を変更した値段がはってあった服

  今年の2月 定価5万円のブルゾンを4900円でゲット
  ブーツ2万円を7000円

  大切なのは信じることです 得したなあと信じること

  出会った時が勝負なのです 
  たとえそれが1個しかない箸置きでも インフルエンザ用のマスクでもね 


    
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薄墨で

2009-10-30 20:01:00 | 巻き物仕立ての手紙です
   草書文字で 無事と書かれた本紙が 店にかり張りされています

   無事  とは外に向かって求める心が消えた状態
       つまり無心のことでもあるのですね

   漢字の持つ 深い意味に圧倒されます

   書体にこだわり 達筆であることに専念し 名を馳せた書家の方々も
   晩年期には余計な力が抜け まこと風雅な書体に変化してゆかれるのは
   こころの妙のなせること 

   希望は小学生の頃 栄光は青年期 愛へと続き・・
   今 手習いに選ぶ漢字は・・
   光でしょうか・・  


     一行の 雁や端山に月を印す    蕪村  
   

     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

優しさ 気品の恩恵

2009-10-29 13:45:27 | 巻き物仕立ての手紙です
  毎年 年賀状を400枚用意する
  1枚ずつ 母が干支の絵を描き 私が墨字でご挨拶をのせる
  かって店に来て下さった方々を年ごとに感謝申し上げ
  これからもどうぞよろしくと心から 願うためである

  お年寄りのお客様がほとんどである
  お亡くなりになられても 失礼を承知で年賀状を数年は出し続ける
  その方が生前愛した掛物や額は 見えぬ魂と共存し続けているのだから


  先日 転居のお知らせの葉書きが届いた
  老いては子に従いで 越して参りました
  ()では大変 御世話様になり有難うございました
  ご夫婦の連名で 手書きである

  お客様にめぐまれる・・ これ以上の幸せを 私は望まない


  ○○様
  住所録を 変更致しました
  新しい ご住所にまた年賀状を 出させていただきます
  どうぞ お体を大切に  


  
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本当のこと

2009-10-27 16:16:32 | 巻き物仕立ての手紙です

随筆を読むのが好きだ

  宮本 輝氏 幸田 文氏 向田邦子氏 立原正秋氏
  感性を 言葉に乗せることができる人たち
  とても うらやましい・・
  いい文章 とは普通の言葉で読み手を感動させられることなのだ 

  巧いなあと 読後にはしみじみとした余韻がのこる 

  子供のころ  作文が得意であった
          字が上手であつた
          それで よく教師にほめられた

  大きくなったら 作家(小説家)になろう  本気で思っていた
  正確にいえば   つい最近まで・・


  源氏物語を勉強する機会に恵まれ 私はすぐに悟った
  なんとおこがましい夢を抱いていたのかと

  桐壷の巻で打ちのめされ 怖れ おののき 酔いしれる
  私の 幻想という  長い長い夢がここで覚めたのである 


  でも 私には ブログがある
  作文の延長線上に待っていたのは エッセーもどきが提供出来る
  この場所であった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もって生まれたもの

2009-10-26 10:24:30 | 巻き物仕立ての手紙です
  拵える(こしらえる)ことが家業である
  とはいえ・・
  明治生まれの祖父は 母から「乳母車が欲しい」といわれ
  店にある 和紙で「よし 作ってやる」といったそうである
  母は 自分の実家に助けを求め 無事 布帛の乳母車を手に入れた

  財布を握っていた祖父は 帽子 靴 など購入の要求の度に
  「和紙と ふのりを用いて作ること」に努力した そうである

  金箔の裁ち落としを集め 芯はこれまた和紙であるが 表面に張り
  店のショーウインドウに 金の塊と称し 堂々と陳列した

  80歳の体躯を黒マントに包み 株 競馬 競輪 自由自在に
  操り また操られた男でもあった
  食事の際の 正坐の美しさ 箸の運び 品性と威厳 二面性の人でもあった

  その孫の私であるが 手相 姓名判断 生年月日を告げて占ってもらうと
  「任侠の気風あり でも善人度90パーセント?」と告げられる

  その答であるが 30代の頃 上野動物園のライオンの檻の前に立った途端
  1匹のオスライオンが 岩山より私めがけてとびかかってきたのである が
  檻に阻まれ そのライオンは 雄たけびをあげたまま 私を何度も威嚇し
  檻に体当たりをして 見物人を恐怖心に貶めた 
  彼のしぼるような 大声の遠吠えは 私が園を去るまで 続いたのである

  子供たちに 同じような気風を見ることはない

  強いていえば  そこに寝そべる レオのまなざしが・・・

  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする