会津若松の県立博物館で開かれている企画展「震災遺産を考える ―それぞれの9年―」を見に行ってみた。常設展の傍ら行われている無料の展示会。博物館は鶴ヶ城の隣にある。なかなかの立派な建物だ。
震災発生から様々な活動をされてきた6人にスポットを当てて、その方々の足跡を示すような資料が展示されている。
最初の展示物は牛舎の柱。残していかざるを得なかった牛が空腹に耐えきれずにかじった後だという。写真は撮影可能だったが、とてもとる気にはなれなかった。
続いては、浪江中学校体育館の避難の時に使われていたパイプ椅子とストーブ。発災当日は午前中に卒業式だった学校が多かったそう。式の後に片付けられていなかった椅子がこのように円座になって人々が集まっていたのだそうだ。
新聞屋に残された当日の新聞なども束になって展示されていた。記事を読むのに夢中になり、写真はない。
「富岡は負けん」と横断幕を作った人が撮影した八歳数日後の富岡駅前の動画には何人かがくぎ付けとなっていた。うーん。
そして、双葉駅の看板類。駅は内陸部にある上に高架線なので被害は受けていない。来月の復旧に向けて不要になったものを博物館で受け取ったのだろうか。
大熊町の方が帰宅困難区域で集めたフロッタージュ。世の中にはいろいろな看板類があるのだね。
左側には卒業式の看板も。
暮らしがあったと確かにわかる。
あれから間もなく9年。まだまだ復旧にも至っていない。