柏崎百景

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俳句の中の柏崎 其拾

2006年02月03日 | 景観




雙林桟門(そうりんさんもん)

 桟門や餓鬼の相撲も施行腹      暁 水
 桟門や川に浮むて涼船        筌 滉

 「小太郎に描かれてある建造物で、今日其儘の姿を保ってゐるのは、西光寺の楼門であらう。──境内に巨松があって伝説まで生じた程であるが約三十年前に枯れた。(今は昔四十八題(十))」

瀘鞴(ふいご)夜光
 いまた湯の鐘も夜分の瀘鞴哉     重 英
 瀘鞴火や冬木桜の下涼        宇 曲

 現大久保に続く鋳物を吹く光。大久保鋳物師の根源は河内和泉にあり、初めは現在の鯨波河内に流れ来、後に現在の大久保に移り住んだという。大久保鋳物師の作とされる釣鐘等が主に県内に二百三十点余残されている。『柏崎日記』の渡邉勝之助も、度々釣鐘を吹く現場を見物に行っていた。




琵琶花園

 吹たツる桜の塵やはツ霞       郁 翁
 さくらちる跡や無弦の琴の音     重 英

 「枇杷島城の城跡に梅櫻などが植えられ、夫が鑑賞に値するやうになつてゐたのであらう。」その後果樹園を始めたが永続きせず、製糸工場を経て農業学校(現在総合高校)の敷地となっている。枇杷島城は慶安年間(1648~)に築かれたとされる宇佐美家の城。

十字店舎

 雉は海へ鰤は山へと師走かな     暁 水
 人心一銭重し極月市         郁 翁

 広小路と旭町島町の通りが交叉する角で、現西本町二丁目小林文英堂の辺りを指し、常設市場として賑わっていたらしい。生田萬の落し文も青竹に挟んでこの角に立てられていたという。



 今朝仕事場を掃除していたら、テーブルタップの下にダンゴ虫を二匹見つけた。仕事場というのは元工場を改造したオフィスビルの一室のその又一画だ。この建物は時々変な生き物に遇える。川が近いせいだというのは理解できるが、沢蟹が廊下を歩いていたのに二度会った。コウロギやカマドウマは時期になればしょっちゅうだが、この季節のダンゴ虫は何処からやってきたものやら。雪の降りそうな外にやるのも忍びないので、建物の中にあった観葉植物の鉢の中に非難させてやったのだが。

(陸)



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