学校に行けない子が増えているそうです。
勤務先のクリニックにも、時々「学校に行かない」と親に連れられて小中学生がやって来ます。
受付で見ているだけでも、彼らが無理やり連れてこられたのが分かります。
学校へ行かないのは悪いことでしょうか?
「行かない」もしくは「行けない」理由・事情があるのです。
・・・・・・・・・・
小学校2年生のT君。
6月に全校児童50人程度の過疎地の小学校から、全校児童800人以上のマンモス校へ転校してきた。
その人数に圧倒され、転校直後から登校を渋った。
暫くして友達もでき、家に友達を連れてくるようになって、休まず登校できるようになった。
夏休みが終わり、「しんどい」と登校を渋り始めた。
母親は、初めは登校を促してはいたけれど、あまりに嫌がる様子を見て休ませるようになった。
その後、進級するまでに週に1~2回は休んだのでしょうか…
担任A教師からは「不登校」のレッテルを貼られ、個人懇談でも「不登校児の親」としての扱いを受ける。
3年生になり、クラス替えがあって担任が変わった。
T君は始業式には出席し、その後休むことなく登校して小学校を卒業した。
3年時の担任B教師は「不登校児」の申し送りを受けていたので、ムードメーカー的なT君に驚いたと言う。
2年生時の担任A教師は、転校時からT君のお当番表や誕生日表の掲示物を作っていなかった。
単に忘れていたのか、理由は分からない…それがT君をどんな気持ちにさせただろう…
2年生で一度も日直や給食等の当番活動をしなかったT君。
家で母親に「お当番表がないからお当番しなくて楽チン」と話していたようだったが、本当は嫌だったのでしょう。
3年生で転校生が入った時に、直ぐ担任B教師に「お当番表を作ってあげて」と話したようですから…。
忘れてはいけないのが当時のT君の家庭。
PTSDの母親と、急に決まった転居を受け入れられなかった父親の3人暮らし。
登校できなかったことに加え、喘息発作を数回起こしていた。
なぜT君が登校を渋っていたのか…
恐らくT君は、教室での疎外感に加え、不安定な家庭に落ち着く場所がなかったのでしょう。
・・・・・・・・・・・
子どもはプライドが高く、親を心配させないように一生懸命頑張ります。
ただ、その限界が来た時に、不登校という形に現れる子がいます。
(病気になったり、非行化する子もいます)
学校に行かなきゃならない、行った方がいい…ってことは、子どもでも十分解っていると思うのです。
行けない理由があるのです。
「勉強が分からない」「嫌なことをする子がいる」「時間内に給食が食べられない」「朝起きられない」等々。
自分では理由が分からずに、行けない子もいます。
経験が未熟すぎて、言葉で説明ができないのです。
そして、学校だけに問題があるわけではなく、家庭にも何らかの火種があるでしょう。
不登校は悪いことでしょうか?
身近な大人に対する、子どもの精一杯の「助けて」「分かって」という信号だと私は感じています。
中学生、高校生になってくると、理由はもっと複雑化してきます。
けれど、行けない理由は必ずあります。
社会人になっても、出社拒否になる人もいるくらいですから。
「行かない」ことを咎める前に、「行けない」理由に耳を傾けたいものです。
※T君は何を隠そう、我が息子…です。
彼はその後、中学でも登校を渋ることになります。
勤務先のクリニックにも、時々「学校に行かない」と親に連れられて小中学生がやって来ます。
受付で見ているだけでも、彼らが無理やり連れてこられたのが分かります。
学校へ行かないのは悪いことでしょうか?
「行かない」もしくは「行けない」理由・事情があるのです。
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小学校2年生のT君。
6月に全校児童50人程度の過疎地の小学校から、全校児童800人以上のマンモス校へ転校してきた。
その人数に圧倒され、転校直後から登校を渋った。
暫くして友達もでき、家に友達を連れてくるようになって、休まず登校できるようになった。
夏休みが終わり、「しんどい」と登校を渋り始めた。
母親は、初めは登校を促してはいたけれど、あまりに嫌がる様子を見て休ませるようになった。
その後、進級するまでに週に1~2回は休んだのでしょうか…
担任A教師からは「不登校」のレッテルを貼られ、個人懇談でも「不登校児の親」としての扱いを受ける。
3年生になり、クラス替えがあって担任が変わった。
T君は始業式には出席し、その後休むことなく登校して小学校を卒業した。
3年時の担任B教師は「不登校児」の申し送りを受けていたので、ムードメーカー的なT君に驚いたと言う。
2年生時の担任A教師は、転校時からT君のお当番表や誕生日表の掲示物を作っていなかった。
単に忘れていたのか、理由は分からない…それがT君をどんな気持ちにさせただろう…
2年生で一度も日直や給食等の当番活動をしなかったT君。
家で母親に「お当番表がないからお当番しなくて楽チン」と話していたようだったが、本当は嫌だったのでしょう。
3年生で転校生が入った時に、直ぐ担任B教師に「お当番表を作ってあげて」と話したようですから…。
忘れてはいけないのが当時のT君の家庭。
PTSDの母親と、急に決まった転居を受け入れられなかった父親の3人暮らし。
登校できなかったことに加え、喘息発作を数回起こしていた。
なぜT君が登校を渋っていたのか…
恐らくT君は、教室での疎外感に加え、不安定な家庭に落ち着く場所がなかったのでしょう。
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子どもはプライドが高く、親を心配させないように一生懸命頑張ります。
ただ、その限界が来た時に、不登校という形に現れる子がいます。
(病気になったり、非行化する子もいます)
学校に行かなきゃならない、行った方がいい…ってことは、子どもでも十分解っていると思うのです。
行けない理由があるのです。
「勉強が分からない」「嫌なことをする子がいる」「時間内に給食が食べられない」「朝起きられない」等々。
自分では理由が分からずに、行けない子もいます。
経験が未熟すぎて、言葉で説明ができないのです。
そして、学校だけに問題があるわけではなく、家庭にも何らかの火種があるでしょう。
不登校は悪いことでしょうか?
身近な大人に対する、子どもの精一杯の「助けて」「分かって」という信号だと私は感じています。
中学生、高校生になってくると、理由はもっと複雑化してきます。
けれど、行けない理由は必ずあります。
社会人になっても、出社拒否になる人もいるくらいですから。
「行かない」ことを咎める前に、「行けない」理由に耳を傾けたいものです。
※T君は何を隠そう、我が息子…です。
彼はその後、中学でも登校を渋ることになります。