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かっせ@ほそうで管理人の「旧車ほそうで繁盛記Weblog」+「日常+PC+カメラ日記」

「打ち上げ花火~」もしくは岩井俊二の話。映画批評第4弾。

2006年03月22日 | きまぐれ映画批評
当方、かなりの岩井俊二好き。

岩井俊二といえば、「スワロウテイル」や「Love Letter」、「六月の勝利の歌を忘れない」などの映画監督として有名。もちろん「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「FRIED DRAGON FISH」などの珠玉のTVドラマでも有名。


そうそう、初めて岩井作品を目にしたのは、「打ち上げ花火~」でした。
たしか、夏休み最後の日曜日、台風が近づいてるかなんかの日だった。
小学生が花火は横から見ると平べったいのかまあるいのかを確かめる。一方は横からもう一方は下から。
「世にも奇妙な物語」の後継番組「if~もしも」の一本。「if~もしも」は基本的に主人公の選択によって二つの別々の結末が生まれ、そのギャップを楽しむブラックな単発ドラマシリーズだった。
たとえば、あのとき結婚していれば・・・子沢山で貧乏。でも幸せなのかも。してなければ・・・バリバリのキャリアウーマンとして高収入、でも上司と不倫で破滅人生・・・みたいなシリーズ。

しかし、岩井監督は当初、たった一つのルール-つまり「分岐を用意して二通りの結末を描く」というお約束をまったく無視した脚本を平然と書き上げてプロデューサーに見せたそうだ。当時企画担当だった石原隆さんはそれだけはまずいから分岐を入れろと、説得。しかたなく分岐が入っているが、今見るとなくてもよかったようでもあるし、あったおかげで不思議な感覚が生まれたともいえる。
とにかく、脚本もイイし、主演の奥菜恵もよかったし、音楽もよかった(単発ドラマなのに主題歌を麗美がレコーディングしてる)。なにより映像がキレイ。TVドラマなんだから絶対テープで撮影してるはずなのにフィルムっぽい。映画っぽかったのだ。

で、この「打ち上げ花火~」は、当初は夏休み最後の日曜日ではなく、9月最初の放送の予定だった。しかし、もともと夏休み最後の放送として予定されていたのが子供の誘拐がテーマだったため、当時発生していた小学生誘拐事件に配慮して急遽くりあげ放送になったのそうだ。
内容が夏休み中の小学生の冒険もしくは淡い恋の物語なもので、夏休み中に放映されるのと9月に入ってしまうのとではえらいインパクトの違いがあったことだろう。さらに、当時視聴率20%確実だった裏番組の巨人戦が台風の影響で中止になっており、「打ち上げ花火~」は誰にも期待されていなかったにもかかわらず、14%ほどの視聴率を獲得し、岩井監督はドラマしか撮ってないのに1993年日本映画監督協会新人賞を受賞してしまうほどの好評を得た。(「打ち上げ花火~」はあとになって映画館でロードショウされたけどね。)

てな感じのわたくしイチオシの映画監督、岩井俊二監督の「打ち上げ花火~」よりさらに初期TVドラマの幻の名作のDVD詰め合わせ「initial イニシャル~岩井俊二監督初期作品集~」が発売になっております。
ECナビに登録して液晶モニタ買った勢いで、このDVDBOXも、ぽちっとなとクリックしてしまいました。
いつものアマゾンではなく、「ぽすれん」です。ライブドアデパートです。だいじょうぶなのか?
まあ25%引きで安かったからいいか。


内容はといいますと、
★ディスク収録内容
Disc1「見知らぬ我が子」「殺しに来た男」(1991年「DRAMADOS」) 約47分
Disc2「マリア」(1992年「DRAMADOS」)「蟹缶」(1992年「世にも奇妙な物語」) 約39分
Disc3「夏至物語」(1992年「薔薇DOS」)「オムレツ」(1992年「La cuisine」) 約45分
Disc4「雪の王様」(1993年「TV-DOS-T」)「ルナティック・ラヴ」(1994年「世にも奇妙な物語」) 約39分
Disc5「岩井俊二監督特別ロングインタビュー」 約49分
※各作品 岩井俊二監督コメンタリー解説付
・作品紹介ブックレット(16p)・岩井俊二書き下ろしポストカード(8枚)

まあ、実はCSの特集とかでほとんど見てんですけどね。ビデオテープならあるんですけどね。
なんつっても「岩井俊二ロングインタビュー」「岩井俊二コメンタリー解説」これが聞きたい。
ただそれだけに一万二千円ほど出すのか。われながら物好きだなあ、とは思います。ええ。いちおう。



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