寒修行中に一度だけ通る道があります。
普段も通ることがないので年に1度だけ通る道ですが
私にとって大切な道です。
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かなり前のことですが、寒行がはじまると
「なんとか家の前を通っていただきたい」とお願いに来るご老人が。
私が行くずっと前から家の前で待っていて
見えなくなるまで家の前で見送ってくれる方でした。
で、寒行が終わると御礼を言いに来山されていました。
若い頃結構真面目だった私は
「合掌されるに相応しい僧侶にならねば」と思いました。
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その方が亡くなられてから誰にも合うことのない道になってしまいましたが
その時思ったことを忘れないため
その方のお宅の前で御礼の御題目を唱えるために通っています。
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毎年今年は少しでもそういう僧侶に近づこう!
と誓いを新たにするのですが・・・思い通りにはいきませんね。
こういう寒修行中の秘密の目的も多々あるので
寒修行、大好きなのです。
その方と話すのは好きでした。
そういう方々は学ぶ所も多いですよね。
そんな感じの人っていなくなったな~・・・寂しいことかも。