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偽の「ポピュリズム」:トランプの億万長者政権はいかにして金持ちに奉仕し、それ以外の人を苦しめているか  

2025-04-01 01:29:50 | 時事

ベン・ノートン(Ben Norton)

Geopolitical Enocomy Report 

2025年3月30日

ドナルド・トランプの政策は、裕福なエリートを利し、それ以外の人々を犠牲にしている。 彼の政権には13人の億万長者がおり、富裕層には減税し、貧困層には増税している。

ドナルド・トランプは2024年の米大統領選に立候補した際、労働者階級のアメリカ人を支援すると約束した。マクドナルドでファーストフード店の店員になりきって写真撮影をしたこともあった。

しかし、ホワイトハウスに戻ったトランプは、彼の政策が国民の大多数ではなく、ほんの一握りの億万長者オリガルヒに奉仕するものであることを明らかにした。

トランプは13人の億万長者を政権のトップに任命した。パブリック・シチズン(Public Citizen)が報告したように、これはトランプ政権がアメリカの富裕層の1%どころではなく、0.0001%の富裕層を代表していることを意味する。

世界一の富豪イーロン・マスクを含むトランプ政権の億万長者たちの総資産額は、2025年1月時点で4600億ドルを超えている。

トランプは就任式に世界最強のオリガルヒを招待した。シリコンバレーのビッグテック企業の億万長者CEOたちが閣僚たちと同席したのは象徴的である。

そして就任からわずか数時間後、トランプはさらに3人の億万長者オリガルヒをホワイトハウスに招き、その中にはOpenAI CEOのサム・アルトマンも含まれており、人工知能に関する記者会見を行った。

大統領に就任したトランプは、世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOをはじめとする億万長者の支持者たちと定期的に会合や電話会談を行っている。フィンクは自らトランプに電話をかけ、ブラックロックのパナマ運河両岸の港の購入を支援するようにホワイトハウスに要請した。

汚職:マネーロンダリング、贈収賄、暗号詐欺を後押し

ドナルド・トランプは米国大統領として、裕福なエリートのために、実質的に腐敗を押し進める一連の大統領令を可決した。マネーロンダリング防止法を廃止し、贈収賄を禁止する法律の施行を打ち切った。

トランプは大統領令の中で、贈収賄を認めることは「アメリカとその企業が世界中で商業上の戦略的優位性を獲得する」ことにつながると自慢した。同様に記者団に対しても、汚職を認めることは「アメリカにとってより多くのビジネスが生まれることを意味する」と語った。

ホワイトハウスに返り咲く数日前、トランプは自分の名前を冠したミームコインを発売した。ロイター通信によると、$TRUMPコインの背後にいる人々は、わずか2週間でおよそ1億ドルの取引手数料を稼いだという。トランプは就任式のわずか3日前の1月17日にミームコインを発売した。すると、その価値はすぐに上昇し、その後3分の2まで下落した。このミームコイン・スキャンダルで皮肉だったのは、トランプが自らの支持者を利用していたことだ。トランプの暗号スキームに投資した81万人が損失を被り、その総額は20億ドルに上った。

富裕層には減税、それ以外は増税


こうした富裕層擁護と貧困層排斥の政策は、ドナルド・トランプが1期目に追求したのと同じ脚本に基づいている。

2017年、トランプは富裕層と企業への減税を行った。2018年現在、米国で最も裕福な4,000億万長者世帯の実効税率は、貧困層や労働者階級の米国人の下半分よりも低い。2024年の大統領選に立候補した際、トランプは富裕なエリート層への減税を継続すると宣言した。税制経済政策研究所(Institute on Taxation and Economic Policy)のエコノミストたちは、トランプ大統領の2期目に、増税の対象となる最も足る階層は貧困層と労働者階級で、富裕層は減税になると試算した。彼らの試算によると、アメリカ国民のうち、5%の富裕層は約1.2%の減税となるのに対し、20%の貧困層は平均4.8%の増税となる。

トランプは関税を大幅に拡大しようとしているが、これは貧困層や労働者階級のアメリカ人にとってマイナスの影響を与える。関税は輸入品に対する税金であり、アメリカは中国、メキシコ、カナダなどから多くの消費財を輸入しているため、本質的には消費に対する増税である。貧困層や労働者階級は、給料のうち消費財や食料品、基本的な生活必需品に費やす割合が、富裕層よりもはるかに高い。もし金持ちが数百万ドルの富を持っていて、さらに100万ドルを手に入れたとしても、それ以上の食料品や消費財を買うことはないだろう。彼らの限界消費性向は低い。

ぎりぎりの生活をしている労働者階級が賃上げを受けた場合、食料品や消費財にもっとお金を使うだろう。彼らの限界消費性向は高いのだ。つまり、関税の負担は貧困層や労働者階級のアメリカ人により大きくのしかかることになる。

言い換えれば、トランプは実質的に労働者階級に増税し、富裕層を減税しようとしているのだ。トランプ政権は、大多数の労働者階級から少数の富裕層への富の移転を行っている。

税制経済政策研究所の試算によると、アメリカ人の1%のエリートに属する平均的な富裕層は36,320ドルの減税となるが、下位95%は増税となり、中間層の負担が最も大きくなる。

この調査は、トランプ税制が今後どのような影響を及ぼすかを予測したものである。2017年1月から2021年1月までのトランプ大統領の1期目の政策の分析でも同様の結論が出ている。

Center on Budget and Policy Priorities(予算政策優先度センター)の報告書は、トランプの2017年税法の影響を調べた結果、1%の富裕層は61,090ドル減税されたが、20%の貧困層は70ドル減税されただけであったことを明らかにしている。

トランプは、第一期政権時に、貧困層や労働者階級のアメリカ人を含むすべてのアメリカ人の税金を減らしたと言った。この主張は厳密には間違っていないが、非常に誤解を招きやすい。裕福なエリート層は、国民の大多数よりもずっとずっと高い減税を享受していた。

これは金額だけでなく、増減率も同様である。

トランプによる2017年の税制により、アメリカ人の富裕層5%の税引き後所得は約3%増加したが、貧困層20%の税引き後所得はわずか0.4%しか増加しなかった。中間層の税引き後所得は約1.4%増加した。要するに、トランプの政策は主に金持ちのエリートに恩恵をもたらしたのである。

反貧困団体オックスファムの2025年の報告:

米国の億万長者の税率は、ほとんどの教師や小売業従事者よりも低い。労働による所得よりも、資産所得を優遇する税制と、多くの租税回避戦略のおかげで、私たちの中で最も裕福な人々は、ほとんどの勤労者世帯よりも連邦政府に支払う所得の割合が少なくなっている。

以下はその結果である:

2024年、億万長者の富は1兆4,000億ドル(1日あたり39億ドル)増加した。新たに74人の億万長者が誕生した。

2021年のホワイトハウスの調査によると、米国で最も裕福な4,000の億万長者世帯の連邦個人税率はわずか8.2%だった。同じ年の平均的なアメリカ人納税者は13%であった。

プロパブリカ(ProPublica)によるリークされた納税申告書の調査は、アメリカの富豪25人が2014年から2018年にかけて136億ドルを納税したことを明らかにした。

富裕層と企業に対する米国の過去の税率

トランプと彼の億万長者の仲間たちは、税金が高すぎるとよく文句を言う。しかし、米国の歴史の大半を通じて、所得税の最高限界税率はもっと高かった。第二次世界大戦中の1944年と1945年の最高限界所得税率は94%だった。1950年代から60年代初頭にかけては、アメリカ資本主義のいわゆる「黄金時代」であり、強力な中産階級を育てたと称賛された時代であった。1970年代に入っても、アメリカの富裕層の所得には70%前後の税金がかけられていた。富裕層への課税を70%から28%へと大幅に引き下げたのは、1980年代のロナルド・レーガンだった。トランプはレーガンの親エリート政策を引き継ぎ、2018年には所得税の最高限界税率を37%に引き下げた。(ただし、これらの所得税は、富裕層の富の多くが、通常の所得ではなく、彼らが所有する資産のキャピタルゲインによるものであるという事実を考慮していない)

削減されたのは富裕層の個人に対する税金だけでなく、法人に対する税金も同様である。1950年代、60年代、70年代の法人税率は48%から53%だった。繰り返すが、これはアメリカ資本主義の「黄金時代」だった。レーガンはこれを34%に引き下げ、トランプは1期目に21%に引き下げた。2期目の今、トランプはこれをさらに引き下げようとしている。

米国政府が法人税から得てきた歳入を見ると、GDPに占める割合は着実に低下している。1950年代、法人税収入はGDPの約5%を占めていたが、1960年代には約3.5%に減少した。1970年代にはおよそ2.7%にまで減少した。レーガン政権下では最低の1%に達した。現在ではGDPの1.6%である。

※チャートやグラフ等は原文を参照のこと。

原文リンク

 

 

 


ブタペスト覚書:ウクライナの長い戦争を支える虚偽の物語 by グレン・ディーセン

2025-03-03 19:11:41 | 時事
ブタペスト覚書:ウクライナの長い戦争を支える虚偽の物語 by グレン・ディーセン
 
ウクライナでの長期戦を支持するために物語が構築されてきた。例えば、「いわれのない侵略」という物語は、交渉がロシアの軍事的冒険主義に与し、ロシアのさらなる侵略を助長するという前提から、外交の試みを犯罪扱いするために重要な役割を果たした。一方、NATOによる戦争のエスカレートは、ロシアにとっての利益を上回る価値を生み出す。
 
ロシアのブダペスト覚書違反は、長期戦を支える主要な物語であり、ロシアの和平合意順守が信頼できず、戦争を継続しなければならない理由として常に言及されている。その論拠は、ウクライナは領土の保全及び安全保障とを引き換えに核兵器を放棄したというものだ。即ち、ロシアがこの協定を破ったことは、ロシアが信頼できないことを示唆しており、唯一の信頼できる安全保障は、NATO加盟によってもたらされなければならず、西側諸国は、ブダペスト覚書の安全保障の約束を守るために、ウクライナに武器を送り続けなければならないと。
 
2022年2月、ロシア侵攻の数日前、ゼレンスキーはブダペスト覚書についてこう述べた:「ウクライナは世界第三の核保有国となることを放棄することにより安全保障の確約を得た。我々は核兵器を持っていない。よって安全保障もない」。ブダペスト覚書は、2024年10月にもゼレンスキーによって、ウクライナがNATOに加盟するか、核を持つかのどちらかでなければならないという主張を支持するために使われた。
 
本稿は、外交を委縮させることを目的としたブダペスト覚書の誤った物語の反証となる事実と議論を提示する。ブダペスト覚書に関する物語を批判することは、この長い戦争を支える物語の批判自体を中傷し、検閲するための一般的な戦術として使われる、ロシアのウクライナ侵攻の「正当化」を意味しない。
 
安全保障もウクライナの核兵器もない
 
1994年12月、アメリカ、イギリス、ロシアはハンガリーの首都で会談し、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国と安全保障に関する3つの協定を結んだ。これら3カ国は、ソ連崩壊後に自国の領土に残された核兵器を放棄することに同意し、その見返りとして、米英露はそれらの国々の安全保障を損なわないことを約束した。
 
ブダペスト覚書は、安全保障の「確約」を提供しておらず、むしろ、「約束」を提供している。1994年に米国の交渉チームの一員だったスティーブン・パイファー元駐ウクライナ米国大使は、米国は「保証」を「確約」と混同すべきではないと明言していたと主張する。パイファーはまた、このことがウクライナ側とロシア側の双方に理解されていたことも確認している:
 
「アメリカ政府関係者は、この保証は法的拘束力のない文書にまとめなければならないと考えた。ブッシュ政権もクリントン政権も、批准の助言と承認を得るために上院に提出しなければならない法的な条約は望んでいなかった。そのため国務省の弁護士は、政治的な性質を持つ枠組みを維持するため、実際の文言に細心の注意を払った。米政府高官はまた、「確約」ではなく「約束」という言葉を使い続けた。前者は、米国がNATOの同盟国に広げたような、より深く、法的拘束力さえある約束を意味したからである。
ウクライナは核兵器を持ってはいなかった。問題の核兵器は、ウクライナに配備されていた旧ソ連の核兵器だが、モスクワの管理下にあったものだ。キエフはこれらの核兵器を運用も維持もしなかったし、できもしなかった。さらに、1991年のミンスク協定で、ウクライナはすでに自国領土内の「核兵器の廃棄」を約束していた。
 
さして神聖ではない覚書
 
ブダペスト覚書は、「ウクライナの主権に固有の権利の行使を自国の利益に従属させ、その結果、利益の確保を目的するいかなる種類の経済的強制も行わない」、「ウクライナの独立と主権、既存の国境を尊重する」といった主要原則を概説した。NATO諸国は、第一の約束は無視し、第二の約束に言及し続ける。
 
米国は、経済的強制とウクライナの主権侵害は、自国の利益を促進するためではなく、民主主義と人権を支援するためだったと主張している。こうしてアメリカは、ブダペスト覚書の約束から自らを解放した。いわゆるルールに基づく国際秩序の下で、アメリカとその同盟国は、人道法と自由民主主義の規範を支持するという名目で、国際法、規範、協定から自らを免除する特権を主張している。
 
2013年に米国がベラルーシに制裁を科した際、ワシントンはブダペスト覚書は法的拘束力を持たず、米国は人権を促進しているという名目で、米国の行動は除外されると明言した:
 
「この覚書に法的拘束力はないが、我々はこれらの政治的コミットメントを真剣に受け止めており、人権問題への懸念であれ、核不拡散の懸念から課されるものであれ、米国のいかなる制裁も、覚書に基づく我々のベラルーシに対するコミットメントと矛盾したり、それを損なうものだとは考えていない。むしろ、制裁はベラルーシ人の人権を確保し、大量破壊兵器の拡散やその他の不法行為と闘うことを目的としており、米国に利益をもたらすことを目的としていない」。
 
2014年に西側が支援したクーデターは、ウクライナの主権に対するさらに露骨な侵害だった。西側諸国はウクライナの内政に干渉し、経済制裁を課し、ついにはウクライナ大統領を倒して同国をNATOの軌道に引きずり込んだ。ブダペスト覚書の約束は棚上げされ、西側諸国は「民主革命」を支持すると主張したが、それはウクライナ国民から多数派の支持すら得られなかった違憲クーデターであり、NATO加盟を支持するウクライナ国民も少数派に過ぎなかった。
 
国際法は、外交政策の柔軟性を制限するルールと相互制約を課しているが、その見返りとして互恵性と予測可能性を提供している。西側諸国がブダペスト覚書で相互制約から解放されると、ロシアもそれを放棄した。冷戦終結の交渉に参加したジャック・マトロック米大使は、2014年のクーデター後のブダペスト覚書の有効性に疑問を呈している。マトロックによれば、国際法における「事情変更の原則」(rebus sic stantibus)は、「諸事情に変更がない限り」協定は維持されるべきだということだ。マトロックは、2014年のクーデターが「根本的に異なる国際情勢」を作り出したにもかかわらず、NATOが国境に向かって拡大するなかでも、ロシアは「13年間、ブダペスト覚書の義務を厳格に守ってきた」と主張する。したがってマトロックは、ロシアには「以前の合意を無視する権利があった」と結論付けている。
 
正しい教訓を学ぶ
 
ブダペスト覚書がなぜ崩壊したかを正しく評価することは、新たな協定をどのように改善できるかを評価する上で重要である。NATOが欧州における覇権を要求し、欧州共通の安全保障構造を拒否したため、西側諸国が相互の制約と義務の原則を受け入れなくなり、共通の協定が崩壊するのは必然だった。リベラルな覇権主義とは、西側諸国が国際法や協定から自らを免除することができる一方で、ロシアは依然としてそれらを遵守することを意味していた。ウクライナの核兵器、安全保障の約束、米英のブダペスト覚書違反の無視という物語は、将来ロシアと結ばれる安全保障協定に不信感を植え付ける。互恵的な和平は、真実に立ち帰ることによりのみ可能である。
 
※脚注は原文を参照のこと

植民地主義の克服と「生存権」の問題

2025-02-06 01:06:08 | 時事

韓国の「戒厳令事態」で、尹錫悦の支持者が掲げていたプラカードの中に、「Stop the Steal」というのがあった。あれはトランプの支持者が使った言葉で、 その後2021年1月6日にトランプ支持者による議会襲撃が起きた。「Stop the Steal」というのは、選挙で不正が行われて「勝利が盗まれた」と言う意味である。そもそも「選挙不正」を云々するのならば、民主党リベラルもニューヨークタイムズなどのリベラルメディアと結託して、「ロシアがアメリカの選挙に介入している」「トランプとプーチンが結託している」などというデマを拡げた(ロシアゲート事件)。民主党やニューヨークタイムズなどのリベラルメディアは、トランプ派をアメリカの民主主義を破壊する「過激主義者」「惨めな連中」などと呼んで周辺化しようとしたが、それが出来なかった。議会になだれ込んだ面々は、基本的に右翼だが、ああいう出来事が起こるのには、それだけの理由があって、襲撃自体は「氷山の一角」に過ぎない。よって、韓国の裁判所乱入も、「氷山の一角」と考えざるをえない。問題の核心は経済ーとりわけ「生存権」ーにあると考えられる。

私もかつて使っていたから、あまり人のことは言えないが、今では「ネトウヨ」という言葉を使うことをやめている。「ネトウヨ」なる言葉は、ある種の「マジョリティ意識」の表出であり、問題なのは「トンデモ」な一部であって、「日本という国自体は問題ない」という意味合いを含んでいる。こういうことを言うと、すぐさま「トランプを擁護するのか」などと言い出す人が出てくるが、リベラルはトランプをプーチン、金正恩、習近平と同列に扱っていること忘れてはならない。アメリカのリベラルは、トランプとトランプの支持者を「ネトウヨ」扱いしながら、結局自分たち自身も、その本質においてトランプ派と大差ない存在であることに気づいていなかったのであり、その結果が、トランプのホワイトハウス返り咲きである。同様のことは日本のリベラルにも言える。

「生存権」の問題を「民族」を軸に考えるか、経済を軸に考えるかということだが、経済を軸に考えれば、被差別少数派が、一定の社会進出を果たしてたことを以て、差別の問題は解消したと考える立場がありうる。しかし、植民地主義の問題を踏まえた場合、両者は不可分であり、西側のどの国の社会経済構造も植民地主義の岩盤に乗っかっている。アメリカでは、アフリカ系のオバマが大統領になり、バイデン政権には、アフリカ系など多数の少数派がいて、カマラ・ハリスもアフリカ系で女性なのだから、アメリカにはかつてのような差別はないと主張することが可能で、実際、90年代以降は、人種や民族を軸に差別を語る者こそが差別を助長するレイシストなのだという議論さえ出て来た。要するに、「政治を語る者が、問題を悪化させているのだ」という謬論だが、これ自体が植民者意識の内面化である。「生存権」の問題に着目して現実を見ると、今日でも貧困率は、先住アメリカ人が20%、アフリカ系が18%、ヒスパニックが17%と、白人の7%をはるかに上回る。そもそも、いかに少数派の社会進出が達成されても、アメリカの帝国主義的行動様式にはいささかの変化もない。

日本でも同じことだ。経済を個人の問題として考えれば、例えば孫正義のように、平均的な日本人以上に経済的成功を収めている民族少数派や外国人は存在する。だが、差別問題の本質はその構造的側面にあって、朝鮮学校差別は、国の経済施策から朝鮮学校のみを排除していると言う意味で、経済の問題と民族差別が構造的に結びついていることの証明である。2022年のコロナ感染拡大期に、埼玉朝鮮幼稚園にマスクが配布されなかったという事件が起きた。さいたま市は、各種学校は市の「管轄外」などと言いながら、本来県の監督下にある事業内保育所や私立幼稚園は配布対象に含めていたのである。それを正当化する理由として、さいたま市は、事業内保育所や私立幼稚園は、「市が運営に関与できる」幼保無償化の対象施設であるから配布対象に含まれるが、埼玉朝鮮幼稚園はその対象から外れているので、配布先に含めなかったと言うのである。幼保無償化から朝鮮学校が排除されているという前提条件があって、そのことが「マスク不配布」の問題と結びついているのだ。このことは、コロナウィルス感染拡大期という、住民の生命に関わる重大問題が発生しているときに、幼保無償化からの排除という差別的措置があり、そのことが「マスク不配布」というもうひとつの差別的措置につながったと言う意味で、市職員の差別的意図の有無にかかわらず、「生存権」の否定が、二重に立ち現れていることを意味する。また、幼保無償化の財源である消費税の本質は価格転嫁であり、一般大衆にとっては物価高として現れるため、実質賃金が低下している現状においては、市民生活や地域経済を圧迫することになり、待機児童問題の解消にもつながらない。そもそも、幼保無償化自体が、福祉政策というよりは、女性の就業率を高めるための経済政策であって、この場合の「就業」とは、社会進出などとは無縁の非正規雇用の増加でしかない。日本の非正規雇用率は40%だが、男性の20%に対して、女性が54%であることを忘れてはならない

大西広氏は、近著の『反米の選択』において、第二次世界大戦における日米の戦争は帝国主義間の戦争であり、ベトナム戦争やパレスチナを例に挙げて、被支配民族の「抵抗」としての戦争は「道義」のあるものであって、「反戦」には「『正義の戦争』と『不正義の戦争』を区別する論理が弱く、全てを区別せずに否定してしまう弱点がある」と述べている。この氏の見解には概ね賛成できるが、対米従属を民族としての「日本人」の問題であるとして、かつての「大アジア主義」や「興亜論」のようなものに拠り所を求める見解は俄かに首肯しがたい。「民族の問題を優先する」という立場はありえるが、「大アジア主義」や「興亜論」の本質は日本中心主義であって、それらの終着点が大東亜共栄圏であったのは、歴史が証明している。氏の議論からは、植民地支配責任の問題が欠落しているように思える。「生存権」の問題を「民族」を軸にして考えると、「日本民族主義」のような考え方が立ち上がり、その立場からは、小林よしのりや一水会のような民族右派とも接点を持ちうるということになるのだが(実際大西広氏はそのような議論をしている)、彼らの考え方には、「自主独立」はともかくも、植民地支配責任の視点が皆無である。日本人が、植民地支配責任の克服なくして、自らを「被支配民族」のような位置において、米帝国主義に「抵抗」できる足場を確保できるとは思えず、それだと、現在のアメリカのように、却って排外主義が持ち上がる危険性もある。この点は、主に竹内好への反論として記された梶村秀樹の議論を踏まえるべきである。かと言って、アメリカの民主党リベラルが、現在のアメリカの問題を解決できないのと同じように、「戦後民主主義」という既存のシステムにどっぷりつかった日本のリベラルも、対米従属を打破できる勢力とは思えず、危機的な状況が生じれば、むしろファッショ的な方向に動く可能性さえある。「生存権」の問題において、経済と民族の問題は不可分であるがゆえに、日本の植民地支配責任の問題を踏まえて、「看板に偽りあり」みたいな過去の遺物ではなく、「生存権」の確保を軸に、現行の搾取と収奪の体制の変革ー社会主義的方向性ーを目指し、中国、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)、韓国、ロシアと共存していくことの中に活路を見出すべきと考える。


ドナルド・トランプの就任演説とファシズムの兆候

2025-01-24 08:38:52 | 時事

アメリカの大統領就任演説を、ジョージ・ワシントンからドナルド・トランプまで目を通しているが、就任演説の歴史上、"baby"という単語が出て来たのはこれが初めてだ。もちろん、baby formula(粉ミルク)などのような使われ方ではなく、「カモン、ベイビー」のそれに近い。具体的には、We will drill, baby, drill. の部分である。「イェーイ、俺たちは掘りまくるぜ」というような意味だ。この表現を挟んで、直前に「インフレ危機が過剰な財政支出と燃料費の高騰によって引き起こされている」という文言が出てきて、後段は「我々は、他の製造業国家が決して得られない、地球上のどの国よりも多くの石油とガスを持っている」という文脈だから、「掘る」の目的語が、石油や天然ガスなどの化石燃料やレアアースなどの天然資源をさしているのは明らかだ。「我々」が、アメリカだけを意味しているのかというと、そんなわけがない。トランプは、昨年秋の当選から、正式就任に至る過程で、「グリーンランドの領有」や「カナダの併合」などに言及してきたが、いずれも豊富な天然資源を有し、北極航路の要衝として重要な戦略的意味を持つ地域である。アメリカは、ラテンアメリカを自国に従属する「裏庭」として扱う政策を一環して維持してきたし(モンロー主義)、カナダ併合論は19世紀の膨張主義の時代にもあった。トランプが就任演説で言及した「明白なる運命」は、アメリカの植民地主義と拡張主義を代表する標語である。だから、実際にグリーンランドを「買収」して、カナダを「併合」するかどうかは別にしても、トランプの発言は、これらの地域を抑えて、ロシアと中国を制し、帝国主義国家としてのアメリカの覇権を維持するという明確な意思表示と言える。西アジアにおいても、アメリカはシリアの一部を不法に占拠して、原油を盗掘している。

バイデンは任期終了間際に、キューバを「テロ支援国家リスト」から外したが、トランプはそれを就任直後にもとに戻した。トランプは、第一次政権期も、オバマが「テロ支援国家リスト」から外したキューバを、すぐにリストに戻しているが、バイデンは、任期終了間際までそれを維持していた。このことからも、バイデンの行為自体が、単なる政治的ジェスチャーに過ぎないことがわかる。そもそも、この「テロ支援国家リスト」なるもの自体が、アメリカが政権転覆を目論む国家をターゲットにした、戦略上の都合による政治的なものに過ぎない。

従って、トランプのもう一つのターゲットは、メキシコ、パナマ、キューバ、ベネズエラなどのラテンアメリカである。バイデン政権期から、マジョリー・テイラー・グリーンやリンジー・グラハムらの共和党強硬派が、「麻薬カルテル」の取り締まりを名目にしたメキシコへの軍事介入を煽っていたが、トランプは、「カルテル」を「『外国の支援するテロ組織』に指定する大統領令に署名する」と明言している。第二期トランプ政権の国務長官マルコ・ルビオは、第一次トランプ政権期にベネズエラ侵略を主張した人物だが、第二次トランプ政権のベネズエラ介入工作は激化が予想され、何らかの軍事的介入が行われる可能性も否定できない。また、トランプ政権のラテンアメリカへの介入姿勢は、ラテンアメリカで経済的な影響力を増しつつある中国を抑えるためのものでもある。トランプは、メキシコ湾を「アメリカ湾」に改名すると豪語し、「パナマ運河を運営しているのは中国だ」などというデマを飛ばして、パナマに介入してパナマ運河を掌握する意図を臆面もなく披露した。

歴史的に見た場合、アメリカのこのように動きは、それほど驚くべきものではない。トランプのヒーローは、インディアン強制移住法で有名なアンドリュー・ジャクソンだと言われるが、この度の就任演説では、ウィリアム・マッキンリーを引き合いに出している。アメリカは、マッキンリー政権下の米西戦争(1898年)において、キューバ独立戦争に介入してキューバを保護国化し、ハワイを併合し、グアム、プエルトリコ、フィリピンを領有してカリブ海地域を掌握し、フィリピンを植民地とすることによって、アジアに影響力を拡大する足掛かりを得た。現今、アメリカは、グアムにアンダーセン空軍基地を有し、ハワイに第七艦隊を置き、日本及び韓国を事実上の「兵営国家」として利用し、フィリピンを使って中国に揺さぶりをかけているが、これらは、今日のアメリカが1898年以降の帝国主義的展開の延長線上にあることを意味している。1898年は、アメリカ帝国主義を象徴する年であり、トランプがマッキンリーに言及したのには歴史的な理由がある。

トランプは、2017年の就任演説で、「他国の国境を守って、自国の国境をおろそかにしている」という言葉を使っていたが、この度も似たような文句が登場する。第一次政権時には、これが朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)との交渉となって現れたが、ネオコンの介入に屈して頓挫した。あの当時と現在とでは、国際環境があまりにも違っている。ウクライナ戦争ではロシアが主導権を握っており、そのロシアは朝鮮と強固な関係を築いている。国際社会は多極化への方向へと動いており、経済的重心もG7から中ロを中心としたブロックに移動しつつある。朝鮮も中国も、そのことをよく理解している。あらゆるアメリカの動きは、自国の覇権維持のために、戦略的な意図を持って行われるものである。そのことは、誰が大統領になっても、変わることはない。

英語に、crumbs from the rich man's tableという聖書由来の慣用句があるが、人々が求めているのは、富者の食卓から零れ落ちてくる「パンくず」ではなく、「パン」そのものである。資本主義は本質的に搾取と収奪にもとづく経済システムであり、トランプは、それを明け透けに言っているだけのことで、民主党もその点では大差がない。かりにトランプが、言っていることの全てを実行したとしても、それで一般のアメリカ人が豊かになるわけではないし、アメリカや西側の衰退に歯止めがかかるわけでもないが、弾圧の危険を冒して既存のシステムに挑戦するよりは、おこぼれに預かりたいと思う人が多いわけだし、「持てる者」は、持っているものを手放したくはない。ファシズムは、少数の「悪者」によって成立するわけではなく、それを支える分厚い層があり、それは保守であるとリベラルであるとを問わないのである。アメリカのみならず、西側民主主義国全体にファシズムの兆候が見られる。


「朝鮮派兵説」の虚構

2025-01-10 13:18:33 | 時事

多国間の軍事連携は相互運用性が重要で、高いレベルでそれを達成するためには、度重なる合同訓練が必要だ。米韓が毎年やっているのは、まさにその相互運用性を高めるためで、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の体制転覆、さらには中国攻撃を想定しているものだ。日本と韓国は、アメリカがアジアで覇権を維持するために必要な事実上の兵営国家であり、アメリカにとっての日韓の存在は、まさにそのためにあるのであって、日韓がその機能を果たさないのならば、アメリカにとっての両国は「有用価値」のないものと言っても過言ではない。米韓は、平壌を狙って日夜合同訓練を重ねているのだから、朝鮮としては防衛態勢を解くわけには行かず、常時即応できる状態にあるのは素人でも想像できることだ。一方、朝ロは包括的戦略パートナーシップ条約の発効(2024年12月5日)により、事実上の同盟関係となったが、これまで合同訓練のようなものを行ってきているわけではなく、相互運用性の面では日韓米に後れを取っているだろう。

以上が、今も流通している「朝鮮派兵説」が虚構である理由のもっともたるものだ。メディアが盛んに喧伝して、今や既成事実となってしまった「朝鮮派兵説」だが、戦争はチェス盤の上のゲームではない。実際に砲弾が飛び交い、命のやり取りをしているわけだから、作戦指揮系統を共有せず、言語も異なり、相互運用性に疑問符の付く外国の軍隊を、重要なクルクスの戦線に投入するなどということはあり得ない。ロシアはクルクス戦線でウクライナ軍を壊滅寸前に追い込んでいるが、クルスクは第二次世界大戦時のナチスドイツとの戦いでも、戦況のターニングポイントとなった、ロシア人にとっては歴史的にも重要な地域であり、外国の軍隊に任せるなどということはあり得ない。

昨年の夏から秋にかけて、米韓は北方限界線に向けて度重なる威嚇射撃を行ったり、ドローンを平壌に飛ばしたり、朝鮮に対する軍事挑発を繰り返したが、朝鮮はその挑発に乗らなかった。こうした「キエフーソウルーワシントン」のラインが行っていることについて、朝ロが緊密に情報交換をしていなかったなどということはあり得ず、朝鮮側は米韓ウの意図を十分見抜いていたと考えられる。「戒厳令事態」で明らかとなったのは、偽旗まで上げて、朝鮮を戦争に誘い込もうとしていたのは米韓であって、朝鮮半島は明日にでもそのようなことが起きうる地政学的なホットスポットなのだから、朝鮮が一万を超える人民軍兵士を遠く離れたヨーロッパの戦場に送るなどということは考えられない。

プーチンが平壌を訪問して、包括的戦略パートナーシップ条約に署名したのは去年の6月19日のことだったが、メディアが「朝鮮派兵説」を流布し始めたのもそのころである。「朝鮮派兵説」が集中的に流され始めるのは、同年の10月以降である。それから、12月3日の「戒厳令事態」に至るまで、「戦闘の拡大を招く重大な行為」「アジアに向けた紛争の輸出だ」(フランスバロ外相、10月19日)、「危険で非常に懸念すべき展開」(米ロバート・ウッド国連代理大使、10月22日)、「他国を巻き込む可能性がある」(米オースティン国防長官、10月30日)「インド太平洋地域のパートナー国と連携を深め、ともに脅威に対抗していく」(NATOルッテ事務総長、11月6日)、「断固とした対応が必要」(米ブリンケン国務長官、11月13日)、「深刻なエスカレーション」(独オラフ・シュルツ首相、11月16日)などと、NATOや西側諸国が段階的に情勢を煽っているのが明らかだ。

一方、ウクライナも、「各国に対抗措置を取るよう訴える」(ゼレンスキー、10月20日)「北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻に関与している証拠に背を向けることなく対応するよう求める」(ゼレンスキー、10月22日)、「他国を巻き込もうとしている」(ウクライナ・マトビヤンコ報道官、10月23日)、「不安定化する世界の新たな一ページを開いた」(ゼレンスキー、11月5日)などと煽っており、これはドンバスやクルスクの戦線に韓国を動員しようとする意図にもとづいたものとの合理的推論が可能である。韓国も、「露軍の軍服と武器、身元を隠すためロシアのIDカードを支給された」(黄浚局国連大使、10月22日)、「北朝鮮軍のウクライナからの『即時撤退』を求め、ウクライナへの直接的な武器供給を検討していることも警告」(10月末)、「韓国軍からウクライナに戦況のモニタリングや分析を行う代表団を送る」(金龍顕国防相、10月30日)などと、キエフやワシントンと歩調を合わせて、段階的に行動のレベルを上げようとしていることが伺える。事実、「朝鮮派兵説」にかかわるほとんど全ての情報の発信源が、ウクライナ国防情報総局及びウクライナ国家安全保障委員会所属虚偽情報対策センター、韓国国家情報院で、これらが緊密に連携して「朝鮮派兵説」を拡散し、西側諸国が結託して、「世界を不安定化させているのは朝ロである」とする世論形成を行うと当時に、軍事的なハードも動かす準備をしていたと考えるのが最も合理的だ。

アメリカの関与を否定する言論が見られるが、アメリカが背後で糸を引いていないと考えるのは無理がある。なぜならば、かりに朝鮮が米韓の挑発に応じていたら、米軍は直ちに防衛準備態勢(デフコン3)となり、その瞬間に、韓国軍は米軍の指揮統制下に入るからだ。自動的にそうなるのだから、そのようなことをワシントンの意図に忠実に行動してきたソウルが単独で行うことは考えにくい。アメリカにとっては、アメリカ主導の覇権秩序である「ルールにもとづいた秩序」に背かない限りは、尹錫悦であろうが、「戒厳令阻止」であろうが、「賞賛すべき民主主義」なのである。「ルールにもとづいた秩序」にマイナスに働くような事態が生じてくれば、それはたちまち「従北勢力の浸透」となり、弾圧の対象となる。だから、朝鮮日報や中央日報のような体制派メディアのみならず、進歩的言論機関の「ハンギョレ」が「朝鮮派兵説」を流している状況は、アメリカにとっては、情況の水位を把握する一つの材料である。もちろん、このことは「戒厳令」を阻止した韓国民衆の行動を矮小化するものではない。しかし、そうしなければ戦争になってしまうという、朝鮮半島南北が置かれた構造的な脆弱性があり、その脆弱性を維持し、それを利用して自国の影響力を拡大しようとしているのが、他ならぬ日米なのだと言う事実を閑却した「民主主義」礼賛は些か無責任ではないか。それが証拠に、日本メディアは、西側メディアと歩調を合わせて、「朝鮮派兵説」を既成事実として扱い、「ロシアと北朝鮮の軍事的な協力が深まり続ければ、朝鮮半島情勢にも影響を及ぼす可能性」(『朝日新聞』10月22日)、「参戦が確認された場合、国際情勢への影響は大きい。ロシアとウクライナの対立軸が東アジアにも持ち込まれかねない」(『毎日新聞』10月30日)などと事態を煽ってきた。いわゆるリベラル反戦派も、この点たいして変わらない

朝ロの包括的戦略パートナーシップ条約は2024年12月5日発効したが、「そのようなことがあれば、それは国際法の規範に合致する行動だと考える」(朝鮮外務省キム・ジョンギュ次官、10月25日)の言葉通りに、今後は、他ならぬ相互運用性の強化を目指した様々な訓練や交流が行われる可能性が高い。「朝鮮派兵説」が浮上してから「戒厳令事態」に至るまでのタイミングを見ると、米韓は、そのことを見据えて、先手を打って攻撃を仕かけようとした可能性さえ否定できない。