ザバーーーーッ。モクモクモク。サラサラサラー。
K青年の楽しみとはこれであった。
子供の頃から大好物であったが、
「おかず」ではなくあくまで「おつまみ」扱いで食卓に並び
沢山は食べさせてもらえなかった大豆界が生んだの永遠の1番バッター。
いつかお腹いっぱいになるまで食べてみたい。
小さな事ではあったがK青年にとってこの夏こそ
長年の夢が叶えられるチャンスであった。
待ちに待った盆休み。
冷蔵庫にはビールが1ケース。
言うまでもなく台所には大量の1番セカンド「枝豆」。
腹が減っては枝豆を茹で塩を振り、ビールで流し込む。
窓を開ければ特大花火が降り注ぐ。
たーまやー。とかなんとか。
幸せであった。
しかしK青年は貪欲だった。
いや。
貪欲というよりこの小さなこの夢を
永遠のものにしようとするあまりおかしくなっていた。
この盆休みの食事をビールと枝豆だけで過ごしていたのだ。
そして・・・。
つづく