納得できない

　小さな和風カフェです。
テーブルはふたつ、椅子は６脚とベンチ椅子。
イートスペースは６畳ほど。
テーブルふたつが埋まったらお店の入り口は「満員」の札を出します。
ラテアートの世界一になったご主人と奥様の二人きりのお店。

　すでに常連らしい中年の男性が、コーヒーを頂きながらご主人と談話をしていました。
私はお店おすすめのブレンドコーヒーと抹茶ティラミスを注文しました。
待つことしばし、和風の可愛らしい器でそれはやってきました。
小説を開き、読みつつコーヒーとティラミスを楽しんでいると、
常連さんとご主人の会話が始まりました。

常連客「電子書籍ってどうやって見れるの？」
ご主人「スマホだと各サイトの登録から～アマゾンだとキンドルで・・・」と説明。
常連客「今時紙の本は読まなくなるよね。ネットが便利だよね」
ご主人「知り合いに紙が良いという人がいるけど、
　　　　その人は印刷の紙そのものがそもそも好きで、そういう人じゃないと
　　　　紙の本はどんどん少なくなりますよね」
常連客「新しいものを受け入れないとね。俺も新しいそういうのは２年くらい前まで
　　　　逃げていたけれど、やっぱやらないとね」
ご主人「そうですね」

　本を閉じました。
６畳足らずのイートスペースの小さなお店で、私の真横で二人がその話をされたら
そりゃ本を閉じますよ、読めませんよ。
コーヒーは美味しかったです。
ラテアート世界一だけあって、美味しいコーヒーを入れてくれましたが、
この店には二度と行きません。